夕張市の財政再建 2008.5.1

 北海道夕張市が、財政再建団体となるニュースが世間を賑やかしています。かつては炭鉱で栄え、人口10万人以上の街が、炭鉱の閉山を斜陽契機に人も金も失い、様々な投資をしたにもかかわらず万歳してしまったという格好です。その過程で財政の手段にも問題があったということで、強く非難されています。

 報道によりますと、これから360億円を返済するそうですが、市職員は半数以上が退職してしまい、特に課長以上の幹部は全員が退職するということだそうですね。市長は北海道知事に対して、県職員8人の派遣を要請したようです。賢明な知事は即答を避けていますが、「はいそうですか。8人ですね。」なんて、ポンと職員を出したら、道庁ってヒマか人余りかとマスコミが書きますかね。

 国(総務省)は、最初に夕張市が作った再建計画について「これでは甘い」というようなことで注文をつけたそうですが、自分のところの天文学的な国債などの借金は、当然返済の目処がついた上での発言でしょうね(だとすればよかった)。国が財政再建のために局長の首を切ったとか、霞ヶ関勤務者の地域手当を全廃したなんて話は報道されてませんから、東大出の頭脳明晰な幹部たちが素晴らしい策を出したと信じましょう。

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 なお、国の借金は、夕張市なんてものではなく、547兆円で一般会計予算の10年分だと財務省は公表しています。国は地方公共団体と違って、日銀に札を刷らせればお金を出せるし、国債は金融機関が引き受けるのだから、国民の借金を国民が貸しているということで問題はないと思っているのでしょう。国民の負債は国民の資産だなんて面白いですね。

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