5月某日施設福祉会議(私、総務課長、特養の相談員、看護主任、介護主任それに管理栄養士が月1回集まり様々なことを話し合う運営会議)の後、相談員が今月いっぱいで退職したいと申し出る。開設当初から勤め14年目を迎え今まで積もっていた垢を取り除き次の段階に踏み出そうと思っていた矢先のことである。突然の申し出であるし、年度途中であるので慰留したが退職意志が固く退職を承認した。辞めるまでの期間が1ヶ月を切っていることをこの相談員は分からないようで社会人失格である、困ったものである。

5月某日ゴールデンウイークまっただ中。当施設は特養、ケアハウス、デイサービス、訪問介護と休みはない。我々のようなサービス業があるのでゴールデンウイークを満喫できる人たちがいるのである。

5月某日
顧問税理士が決算のため来訪する。税理士来訪は、社会福祉法人会計基準に基づき資金収支計算書、事業活動収支計算書、貸借対照表を間違いないように作成するにあたって細部の詰めを行うのが最大の目的である。

5月某日
群馬県社会福祉施設経営者協議会総会に出席した。この会には19年3月31日現在163の社会福祉法人が加入している。総会においては、群馬県健康福祉局の6課1室の課長室長が19年度の施策について説明するので参考になることが多い。質疑応答では監査について厳しいが、けだし正解と思われる質問が出て施設監査課長もたじたじであった。確かに指導監査時の一部県庁職員の対応は本当に介護のことが分かっているのかと首を傾げたくなる人がいるのも事実である。
           
5月某日赤堀堀下の鯉のぼり見学に、特養、デイサービス、ケアハウスの利用者が行く。特にケアハウスは自分たちが作った鯉のぼりが立てられているので感激ひとしおである。

5月某日本日から1ヶ月専門学校の学生が実習を行うのにあたって施設の概要説明を行う。法人の成り立ち、方針と施設の概要について説明を行う。学生二人とも勉学意欲に満ちていて、将来が楽しみである。

5月某日
パート職員の義母の告別式に出席する。この職員は1ヶ月以上看病のため休職している。思いのほか休職が長くなっているが、最期の時を見守れる態勢を当施設は取っている。来月から職場復帰するという。

5月某日デイサービスパート職員の面接を行う。この職員は賃金の多寡より年寄りと接したい仕事がしたかったという。このような職員は大切にしなければならない。先週面接した職員は採用したのに何の音沙汰もないままである。

5月某日以前老人ホームの施設長を務めていた書道家の祝賀会に招待されたので出席した。招待状が郵送されてきて出席することに迷いがあったので妻に相談したところ、「書道家からの招待状は厳選して送っているので出席した方が良い」と言われたので出席することにした。老人ホームの施設長が多数出席していたので一安心。群馬県知事(代理)、市長をはじめとしてこの書道家の幅広い交友関係者が集まっていた。

5月某日おやつによく使われているゼリーによってのどを詰まらせる可能性があるので食べるときは注意するようにとの報道が為される。当施設でも利用者に口から食べていただくためにプリンなどの食材を使っている。ゼリーもプリンも口当たりが良く簡単に口から取れぬので重宝している。しかし、間違って気管支に行くことも有り複雑な心境である。

5月某日県内の病院が医療訴訟で訴えられたことが報道されている。昨今この医療訴訟が多く、病院や医師側敗訴の例が多い。こうも多く訴訟を起こされると医師も病院も萎縮し、本来の病気を治すという行為を行う人がいなくなる危険性が有るように思う。勿論医師も病院も説明責任があるはずで医療行為を行う前、途中そして終了時にきちんとした説明を行う仕組みを早急に確立する必要があるようである。このことは我々老人施設においても当然なことである。

5月某日特養入居者がどらやきを作っている。作るより食べたい心境です。
                           5月某日2035年の都道府県の人口予測が発表された。増えるのが東京都の0.9%増の1269.6万人と沖縄県の4.4%増の142.2万人の2都県のみ。残りの45道府県は減少し、日本全体の人口は13.4%減の1億1067.9万人になるという。また高齢化率は33.7%。どうなってしまうのか。2035年まで生きて日本の将来をこの目で確かめてから死ぬか。見たくない気持ちの方が強い。

6月某日年1回の職員検診の日である。体重が少し増えた。減量しなければ。後は問題ない。私は中性脂肪が高いのだが今回はセーフ。

6月某日朝礼で、「残業は超過勤務簿に記入し、25%増しの賃金になるので有効に使うように」と述べる。限られた収入は将来のためになる使い方をしなければだめである。

6月某日今週は各部門とも赤堀にある花しょうぶ園に行っている。旧農業用水跡地に24000本もの菖蒲が植えられ今が見頃。

6月某日養護老人ホーム入所判定委員会に出席する。一般的に言えることは、男性は若くして離婚をし子ども達と疎遠になり高齢になると荒んだ生活になる。女性は独身の息子と生活する場合息子から虐待を受ける場合が多い。

6月某日介護事業者トップ企業、コムスンの不正問題でグループ会社以外に一括譲渡されることになったが、果たしてどこへ譲渡されるのだろうか。訪問介護、施設入所部門、更には訪問入浴や居宅介護支援事業の各部門の利用者と職員の速やかな移行が望ましいが、譲受する介護事業者も採算を考慮すると安定した経営が見込める施設入所部門を欲しがる会社が多いのもうなずける。実際当法人の訪問介護事業は収支とんとんで管理者や事務員は賃金を受け取っていないのである。

6月某日群馬県施設監査課による特別養護老人ホームとケアハウスの指導監査である。自主点検表による指導監査で改善しなければならないこともあった。

6月某日月1回の音楽療法の日である。大島知子先生により10年も続いている。年寄りに合った、昔口ずさんだ歌謡曲や民謡や唱歌などを一緒に歌ったり聞いたりで楽しい1時間を過ごしている。

6月某日30度を超す日が続きついに冷房を使う季節になった。今年度は昨年に比べ電気代が高くなる月が続いている。原油の高騰や円安のため電力会社の燃料費が高くなっていることが原因である。当施設では電気代を削減する装置があり他の施設に比べ電気代はかなり少ないと思うが、節約する努力をしなければならない。

6月某日
給食会議が開かれる。食中毒には十分注意するよう伝える。1年を通して何らかの食中毒が発生する可能性が高いので息が抜けない。

6月某日東京福祉大学の学生6名が認知症(痴呆症)について知るために訪れた。当施設の今年度の方針『認知症高齢者への対応に取り組もう』と合致している。認知症への対応は入所、在宅に関わらず大きな問題になっている。


     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



                                          
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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌