5月某日群馬県老人福祉施設協議会理事会に出席する。新体制になって2年目の幕開けである。群馬県社会福祉協議会の心配も杞憂に終わった。施設長個々人の能力は高く、ちっとやそっとのことでは老施協は弱体化しない。問題は、厚生労働省による猫の目行政にある。しっかりしろ、と言っておきたい。
5月某日ミヤンマー(旧ビルマ)では、サイクロンの被害で6万人以上が死亡し15万人が行方不明だという。この国の軍事政権は頑なに外国の人的援助を拒んでいる。自力更正が可能というのが断りの理由のようであるが、漏れ伝わる現地からの報道では物資も届かない被災地があちこちにあることが分かる。外国からの緊急援助物資も軍事政権側に横流しされているようである。困った国である。
5月12日中国四川省成都付近を震源とする巨大地震が起きた。6月9日現在死者69,142名、行方不明17,551名、負傷者374,065名にのぼる。多くの小中学校が倒壊し、生き埋めになった映像を見ると日本に比べあまりにも薄い床厚に愕然とする。○○年前に起き、20万人もの死者を出した唐山地震発生後に厳しくなった建築基準が守られなかったようである。生徒達の父兄が地元政府の手抜き工事を追及するのはもっともなことである。しかしながら、オリンピック開催を8月に控える中国には様々な試練が追い打ちをかける。チベット自治区での暴動、各国で混乱する聖火リレーそして今度の地震と、中国政府を試しているとしか言いようがない。
5月某日中国政府は、四川大地震向けの人的支援や物資の受け入れを矢継ぎ早に受入、積極的に外国メデイアに被災地報道を許可している。このこともあってチベット問題や聖火リレー時に見られた中国非難は陰を潜め、同情へと風向きが変わっている。中国国内においても、被災地へのボランテイアや義援金の額が膨大になっているという。この国難を乗り越え一致団結しオリンピックを成功に導こう、という中国政府には願ってもない雰囲気が生まれているという。まさに災いを転じて福となす状況である。
5月15日今年初めて「カッコウ」の鳴き声が聞こえる。施設近くの電線に止まって盛んに鳴いている。本当にここは自然に恵まれていると実感する。
5月某日
当施設ではアパート1人暮らしの女性が増えているのに伴い、犯罪防止講演会を行った。講師は当施設と契約している警備会社SECOMの社員にお願いした。女性が犯罪に巻き込まれる事件が多発しているので施設全体で予防しなければならない。
5月某日特養入居者はクレープ作りを楽しんだ。食堂全体が甘い香りに包まれ何とも言えない幸せな気分になる。

5月某日群馬県老人福祉施設協議会総会に出席する。会長による職員表彰、総会、群馬県課長による行政説明そして今年度から顧問契約を結ぶことになった弁護士の講演と盛り沢山の内容である。
5月某日成田国際空港が開港30年を迎えた。開港間際に過激派が管制塔に侵入し機器類を破壊したので開港も50日ほど遅れた上での開港であった。曲がりなりにも大きなトラブルもなく30年を迎えたのは物々しい警備のおかげであろう。今も空港予定地内に3.6haもの未買収地が残され3本の滑走路は2本しか機能していない。この30年にアジアにはソウル、香港、バンコク、クアラルンプールと巨大な空港が開港し成田空港の地位低下は著しい。政府が、羽田に変わる国際空港を成田に決めた理由は今一つはっきりせず、地域住民の意見も聞かず頭ごなしに決めたことがこれほどまでにもつれる理由となった。時間はかかるが未買収地所有者や今も空港内に暮らしている人たちとの粘り強い交渉しか解決策はないだろう。
5月某日特別養護老人ホーム入居者が1週間の予定で娘が住む茨城に出かける。遠いのでちょっと心配だが、本人は元気なうちに行きたいという。
5月某日デイサービスにハーモニカの慰問がある。いろんな団体が慰問に来てくれる。喜ばしいことである。
5月某日給食会議で、問題が明るみに出た。この1ヶ月の間に起こったことである。すぐに対処し事なきを得た。何事もオープンにすることが大切である。
5月某日3ヶ月に一度の業者による床清掃が行われた。当施設は年4回業者による床清掃が行われる。通路は勿論、厨房、居室もベッドをすべて移動し行われる。清潔感のある施設でなければ利用者が来ないと思っている
5月某日特養ホーム職員会議で「最近言葉遣いが荒くなっている」という意見が出た。慣れは怖いものでいつしか仕事も粗くなる、という意見も出た。6月の目標は「言葉遣いに気をつける」となった。早期発見、早期修正する事が重要である。

5月某日ケアハウスは、居酒屋風昼食という新しい事業をを考え今回初めて実施した。自分たちで酒の肴を作りお酒を飲みながら一時を過ごす試みである。私もビールを何本か飲み昼寝をしてしまった。
5月某日四川大地震で、中国政府は、日本に物資の供給と輸送を依頼した。当初は自衛隊機での輸送を含んでの依頼であったが、結局民間機での輸送に落ち着いた。先の大戦では、日本は震源地に近い成都を爆撃し、成都に近い重慶を無差別爆撃した過去を持っている。自衛隊機で輸送できればこれは快挙であるが、中国政府内の対日強硬派を刺激せずに胡錦濤政権の継続を願い、南シナ海での天然資源共同開発をまとめ上げるために民間機での輸送が最良の選択であったと思う。アメリカは空軍機での輸送で何の問題も起きていない。というのも、先の大戦で、アメリカは成都に、当時重慶に本拠を持っていた蒋介石国民党政府と共同で滑走路を造り、日本爆撃に初めてB29を飛ばした過去を持っている。過去の歴史はそう簡単には消せない。今なお国民の間にはわだかまりは残っている。
6月某日業者によるガラス清掃が行われる。ここ最近、清掃直後の雨混じりの強風によってあっという間に汚れてしまうことが多い。半年間清掃はないので自然の主様、静かにされることを望みます。
6月某日神奈川県の知的障害者施設で火災が発生し3人が死亡し、1名が重傷を負ったという。社会福祉法人が民間のアパートを借り上げ、そこに9名の障害者と職員1名が暮らしている今はやりの安直な施設である。出火場所が階段下の物置という火の気のない場所で原因が分からなかったが、アパートの年輩の女性大家が放火したという何ともやりきれない犯罪であった。一般に年輩者は思い込みが激しく、頑固で、被害者意識が強いので契約を結んでもトラブルが発生する可能性が高い。良く考慮して事を運ばないと大変な事態になる。

6月某日職員2名が療養のために職場を離れた。働きやすい職場環境にすることを第一に考えているのだが、持病に近いものを持っていたために職場離脱になった。健康診断は100%実施し、指摘を受けた職員には受診を勧めている。早期発見予防が大切である。
6月5日
今日は環境の日である。1993年(平成5年)に「環境基本法」で環境の日と定められた。1972年6月5日にストックホルムで国連人間環境会議が開かれた。この会議で大石首席代表(環境庁長官)は、水俣病、イタイイタイ病、四日市等に発生した大気汚染、PCB(ポリ塩化ビフエニール)による米ぬか油症等、当時日本各地を汚染し続け「公害の見本市」と呼ばれた日本の現状をありのままに吐露した。この会議をきっかけに日本国内で公害をなくす運動が高まり今日に至っている。当初は、学生運動の影響もあり告発型の運動が主であったが、徐々に地域住民を巻き込む啓蒙型に運動は変わっていった。当時学生であった私は啓蒙型の公害問題サークルに身を置き、各地の住民運動組織に応援に行った。サークルのメンバーの中には主体性を発揮できないもどかしさから告発型の組織に転じた者もいた。30年以上経って振り返ってみると、確かに告発型運動も多大な貢献をしたが、啓蒙型の運動を行い地域住民を巻き込んだ運動を行ったところが確実に公害をなくしている。
6月某日在宅介護支援センター準備委員会に出席する。一昨年に解散した群馬県全体の組織を立ち上げるための会議である。在宅介護支援センターは実施主体は市町村であるが、運営主体は社会福祉法人であったり医療法人だったりする。立ち上げの準備は群馬県老人福祉協議会(老施協)が行っているが、群馬県組織を立ち上げた暁には、事務局が老施協では医療法人が運営主体の在宅介護支援センターは納得しないだろう、という議論に落ち着いた。
6月某日
インドネシア人介護士と看護師士の日本受入のための面接・適性検査がジャカルタで始まったという。介護士300名、看護師200名受入れ予定のところ、16日現在介護士は91名、看護師は156名と大幅に定数割れである。条約締結から人員募集までの期間が少なく、またインドネシア側に介護士資格がないことが少なくなった原因であるという。
 朝日新聞08年2月11日付朝刊によるとインドネシアは派遣大国だという。93〜05年に延べ84万人の介護労働者が、台湾、シンガポール、香港などに渡った。これらの派遣労働者は民間の人材会社が送り出している。介護労働者の奪い合いになっている。今回、日本への労働者は政府機関が行い民間人材会社は出来ない。良いことである。政府機関が行い、介護労働者にきちんとした報酬を与えることが肝要である。受入側の台湾では、92年末に306人の外国人介護労働者が、06年には15万人に急増しているという。この内大半は住み込みの在宅労働者で、賃金も月2万台湾ドル(1台湾ドル=3.3円)と低い。このため雇い主は介護労働者の失跡に悩むという。日本でも外国人介護労働者受入を望む声が強いが、同一労働同一賃金でないと台湾みたいになるであろう。当施設では日本人労働者で充足しているので今回受入は見送ることになった。

6月某日
宮崎勤連続幼女殺人犯に対する死刑執行が行われた。裁判で責任能力の可否が争点になり、精神鑑定書が3通も出された難しい裁判であったが、最高裁で死刑が確定した後の早期の執行であった。せめて反省もしくは謝罪が欲しかった。急ぎ過ぎではないだろうか
6月某日
デイサービス利用者が3時のお茶にどら焼き作りに挑戦した。中身の具はあんこ、イチゴジャム、カスタードクリーム、生クリームと盛り沢山であった。
6月某日当施設の管理栄養士が全国老施協主催の栄養ケアマネージメント研修に行き、朝礼で報告した。大変役に立ったようである。口から食べることは重要であることを再度認識したようである。当施設の特養60名の入居者の内、今現在53名が経口摂取、7名が経管摂取である。









     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



                                          
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