7月某日全国老人福祉協議会関東ブロック研究会議は2日目。各分研究発表会場は10に分かれ発表時間は質問時間を入れて22分である。あらかじめ聞きたい研究発表を決めておかない右往左往し、何の収穫もない。幸い事前にホームページで公表されているのでこの点参加者の参考になり良い。私もこのホームページを参考にしいくつかの発表を聞いた。それぞれ職員不足や日々起こる突発的な出来事の中で良く処遇改善に向けた取り組みを行っているというのが感想である。しかし、これらの発表は森に例えれば一本の木に過ぎず、森全体(施設全体)ではどうなっているのかというのが気になるところである。当施設では、何が起ころうが最低限のサービスである食事、排泄、入浴は実施できる態勢をつくり施設全体での対応をとる傾向が強い。
7月某日夕方、排水ますの蓋が外れるほどの豪雨があった。毎年このような土砂降りが起こる。今年もどこかで災害が起こるのだろう。
7月某日大変有り難いことに群馬県が、介護職員確保に向けて知恵を絞り行動を起こしてくれている。今日も県庁内で就職相談会を開いてくれている。当施設では充足しているので参加することは無いが、群馬県の真剣さを感じる。知事が現場を知っている事は有り難い。
7月某日本日賞与を支給する。平均2.021月分である。公務員は1.95月分なので若干上回ったことになる。公務員は、人事委員会勧告が出るのが8月以降でどうも昨年の4.5月分が削減されるような雲行きである。当施設の冬の賞与はまだ決まっていない。
7月某日職員の朝礼での一言によると、群馬県の学校のプール設置率は全国3位だという。そういえば群馬県でプールの無い学校を見たことがない。私の前の勤務先は私立学校であったがプールはなかった。夏場しか利用しないプールをこれほどまでに設置した理由は皆目見当がつかない。私が小学校の時はプールが無く利根川で泳いだのが、母親からは十分気を付けるように言われた記憶は残っている。弟は川で泳ぐと湿疹が出来るので禁止されていたが、こっそり泳いでいた。多分母親達のわが子を思う気持ちが行政を動かし、学校にプールを作る事につながったのだと思う。
7月某日やはり心配したことが起こった。九州北部・山口豪雨で特養ホームが土砂災害に見舞われ多くの犠牲者が出た。このホームは土砂災害警戒区域にある施設で来年度から予防措置を取ることになっていたという。全国にはこの土砂災害警戒区域にある特老ホームが2960カ所もあるという。また土砂災害警戒区域に指定されていないが極めて災害が起こり易い区域にある特老ホームも有ると言うから実際はもっと増えることになる。なぜこのような場所に特老ホームが作られたかという疑問が湧くと思う。その理由は、厚労省の定めたゴールドプラン、新ゴールドプランで特老ホームが多く作られたことと、広い敷地を必要とするために勢い山間部や農地など災害が起こりやすい場所に作らざるを得なかった事による。当施設もこのゴールドプランに基づき作られた施設である。災害が起こりにくい場所を手当できたことはラッキーと言うしかない。群馬県内にも36カ所有るという。ある施設など裏山から水が出て2年連続で床上浸水したという。
7月某日今日は特養の選択食の日である。主な出前は鰻重14、山菜うどん・天ざる・玉子丼・親子丼が各3である。近くのおそば屋さんに注文している。
7月某日群馬県介護高齢課による処遇改善交付金説明会が開かれたので出席する。処遇改善交付金とは介護保険法適用施設で働いている介護職員に支払う賃金のことで、すべて国が支出しその事務を県が行うというものである。介護保険法適用施設の介護職員のみが受け取れると言うことが話をややこしくしている。この交付金の事務作業をするのは事務職員だし、当施設のケアハウス所属の職員、相談業務を行っている職員、看護師には支給されない。ロータスヴィレッジのサービスは介護職員のみで行っていない。あらゆる職員が一丸となって地域のお年寄りの生活を支えているわけで、すべての職員に等しく支給しなければ不公平になってしまう。
7月某日ケアハウス暑気払いが昼食タイムを挟んで入居者、家族、趣味の教室の先生方を交えて盛大に開かれた。昼食はバイキングで入所者と職員の手作りである。ケアハウスは定員が15名で、すべて自立した高齢者である。あちこちで会話が弾み楽しい一時が過ごせた。
7月某日今年1〜6月半年の自殺者は17,076人で過去最悪であった2003年の34,427人に迫る勢いだそうだ。それにしても毎年3万人以上もの人が自ら命を絶つ日本は先進国としては誠に恥ずべき事だと思う。自殺した親の子どもがいじめに遭う、婚約が破棄されたなどの話を聞く。自殺者個人の問題にせず、国をあげて自殺者減少に取り組むべきであると思う。
8月某日今日から産休育休に入った職員がいる。開設当時から勤務していた職員で晴れておめでたである。代替えの職員は派遣職員を頼むことになった。十年程前に2人の産休育休職員が生じたときは困った。当時は介護事業への派遣が認められなかったので施設内の職員でやりくりした。大変だった記憶がある。
8月某日8月にもなっても雨降りが多い。関東地方は一応先月14日に梅雨明けしたが、その後2,3日晴れて暑くなったが、その後は曇りや雨の日が多く農作物に影響が出ている。キュウリやトマトの出来が悪く値もはずむ。16年前(平成5年、1993年)は今年以上に冷夏で雨が多く、米の作柄指数が70%台となり、外米を輸入することになった。農業は天候に左右されることが多く現代の科学技術をもってしても如何ともし難い。昨年は農作物が投機の対象になり作物や油など作物から作る製品類も値上がりした。人間は生物である以上食べることで生命を維持しているので食の安全保障は確保しておかない困る。一定の農地を確保することは食の安全保障につながる。
8月某日特養職員の事故勉強会が自分たちで企画し全員参加を義務づけ開かれる。自分たちにとってためになる会議や勉強会は自主的に行うのが良い。人から言われ強制されても身に付かない。
8月某日私が教員をしていたときの教え子の話を妻と共に聞く。この生徒の「私の20年間は何だったのか」と言う言葉が強く印象に残ったが、私は「子どもが3人生まれて皆あなたの味方だから4人で協力していけば何とかなる。」と励ました。
8月某日今回の土砂災害で39人の方が亡くなり内7割以上が65歳以上であった、と職員が朝の一言で発表した。このことは今回のような土砂災害にとどまらず、地震でも同様で、高齢者は災害弱者であるよいうことを肝に銘じ、行政も政策立案すべきである。
8月某日俳優の山城新伍氏が東京町田市の特養ホームで誤嚥性肺炎のために亡くなったという。誤嚥性肺炎で亡くなったことと芸能人が特養ホームに入所というのが驚きである。
8月某日今日から夏休みで南の島に行って来る。シュノーケリングをしたり妻の買い物につき合ったりとゆったりと過ごしてきたい。今は携帯電話で世界中つながるので電話がかかってこないことを願う。
8月某日納涼祭が開かれる。特養ホームのみの参加であるが、60名の入居者の内26家族55名の親族も参加した。今年は晴れて暑くなりまさに納涼祭の雰囲気であった。片づけの段に豪雨になり職員はずぶ濡れになってしまった。ご苦労様でした。
8月某日総選挙の期日前投票に特養入居者6名が行った。ここ数年様々な選挙が行われたが、施設内で選挙を行ったのは久しぶりである。
8月某日新型インフルエンザが流行期に入ったという。対応をどうするか。予防に力点を置く(手洗いやうがいなど最低限のことは行うのは当然)のではなく、罹病することを前提にした対応をとることになる。特養の入居者の内糖尿病や腎臓疾患を持っている方をピックアップし体調を見守る、普通に利用されている方は症状がみられた場合すぐに受診する、次亜塩素酸水溶液で濯いだ雑巾でテーブルや手すり、トイレ等あらゆる所を拭く等を実施することになった。
8月某日総選挙の結果は民主党308議席獲得の圧勝で、自民党は派閥領袖や閣僚級の大物が軒並み落選という大惨敗となった。小泉元首相以降2人も政権投げ出しでは、いくら責任力と言ったところで何をいわんやである。さて今後の民主党政権はどういった政策を実行するか、注視していかねばならない。
8月某日恒例の業者による床清掃である。全館すべての床清掃を行う。特養ホームの居室もベッドをすべて動かし清掃を行う。年4回行っているので費用もばかにならないが、いつも清潔で感染症対策にもなり今後も実施していくつもりである。
群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp
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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌