11月某日職員向けの季節性インフルエンザ予防接種が行われる。出入りの薬品業者氏の好意で早くワクチンが入荷し予防接種ができた。この薬品業者氏には大感謝である。ワクチンの製造には有精卵が必要でこの卵が新型インフルエンザワクチンに使われているために季節性インフルエンザ製造に回ってこないことがワクチン不足の原因らしい。
11月某日当施設にはオゾン脱臭機がトイレを中心に5台設置されている。ところがメーカー推奨の運転モードに比べ大幅に長い運転を代理店のセットで行っていたために錆が発生してしまった。この責任を代理店もメーカーもとらない。埒が明かないので当施設の負担で錆の出たカバーを取り換え、運転モードの変更を行った。困ったものである。
11月某日ベルリンの壁崩壊20年だという。20年前は「これで東西冷戦もなくなる」と世界中歓喜の渦に沸いていたことを思い出す。しかし、この20年戦争がなくなった話は聞かない。いたる所で戦争や紛争が続いていて解決の見通しは無い。日本は戦争こそ無いが、この20年で経済的に厳しさが増してきたように思う。国や地方の借金は天文学的数字に膨れ上がり、高齢社会はますます高齢化の度合いが増し、国の予算編成ではやりくりに四苦八苦し混迷の度を深めている。
11月某日大学生や高校生の就職内定率が90年代後半から00年代前半まで続いた就職氷河期に迫る低い数字と言う。学校を出たけれど就職先がない辛さは経験したことが無い者にはよくわからない。卒業式終了後の春の眩しい光の中で自分の居場所がない辛さは、精神的に滅入り身にこたえる。何としてもこれら若者に仕事を与えねばならないと思う。
11月某日続けて銀行関係のゴルフコンペに参加する。何回も参加していると上手い下手はあまり関係ないのだが、いろんなことが分かってくる。親の介護のことで相談を持ちかけられることもある。
11月某日高崎にある某大学の学生が教員免許取得のために5日間の実習に入る。この大学はあのノリピーが学び始めた大学である。大学にホームページには早速ノリピーが出演している。大学としては良い広告宣伝塔が入学してくれたものと思っているのだろう。当施設は毎月一回音楽療法の大島先生に来てもらっている。勉強になるので「実習に来てくれないかなー」と皆で盛り上がった。
11月某日伊勢崎市養護学校中等部生徒との交流会がおこなわれた。伊勢崎市内の小中学校は新型インフルエンザが蔓延していて軒並み行事が中止になっている。地元小学校生徒との交流会も中止になった中で行われた。入居者が喜ぶ姿を見て本当に良いことだと思った。
11月某日群馬県社会福祉大会に当施設からも知事表彰者1名、県社協会長表彰者3名が出席した。15年以上勤務が表彰該当者なので4名が栄えある表彰状授与者になったわけである。
11月某日今日から3日間換気扇清掃を専門業者に依頼する。来週2日間は床清掃、来々週はガラス清掃と便器清掃である。これだけの清掃にかかる費用はかなりの額に達するが、清潔でない施設にはお客は来ないことを肝に銘じている。
11月某日友人から特養建設の相談を受けた。敷地もお金もあるという。特養を作るためには社会福祉法人を設立しここに敷地もお金も寄付する必要がある。寄付するということは自分の所有物でなくなるのでよく考えた方が良いと言っておいた。
11月某日群馬県より介護職員処遇改善給付金決定通知が送られてきた。給付金を給付した後の清算業務が結構大変でこの作業は事務職員がすることになるが、この給付金支給は事務職員を想定していない。しかし、事務職員に支給しないわけにはいかない。
11月某日群馬県老人福祉施設協議会主催のデイサース事例発表会に出席する。この会は大胡シャンテという旧大胡町にある施設で行われた。土曜日ということで交通の便の良い高崎市内や前橋市内では会場を借りられなかったという。どこのデイサービスでも来てくれるお年寄りを喜ばせようと一生懸命取り組んでいることがひしひしと伝わってくる。
12月某日ここにきて修理費や備品購入費がかさんでいる。当初予算で見込んではいるが予想外の出費もある。お年寄りが暮らしたり利用する施設の環境を維持するためには削れない出費である。
12月某日地域包括・在宅介護支援センター協議会設立後初めての研修会を開催する。会場を交通の便が良い県社協ビルで行う関係上定員に限りがあるために多くの方の参加を断ざるを得なくなった。この場を借りてお詫びいたします。ただ1施設1名の出席は保証したので出席者の復命を聞いていただきたい。お隣栃木県協議会の浜野会長の熱のこもった講演を聞き元気をもらい、さらに前橋市地域包括支援センター中央と沼田市在宅介護支援センターの相談員から事例報告をしていただきやる気になった良い研修会であった。
12月某日第6回オリックスマネー川柳大賞に芭蕉もどき氏の「家計簿の損失欄にダムと書き」が大賞に選ばれたという。納得というか呆れるというか。
12月某日上毛新聞記者が来訪し、地域包括・在宅介護支援センター会長としての私に今後のセンターの有様について取材を受ける。地域で暮らすお年寄りがいつまでも住み慣れた地域で過ごすためにセンターが存在していることを中心に取材に応じる。
12月某日群馬県老施協施設長研修に参加する。1日目は群馬県担当課長の行政説明と中田全国老施協会長の講演。2日目は丸々国際医療福祉大学教授の講演と盛り沢山の内容であった。特養待機者が40万人を超えたという。家族の介護力が弱まっている中、国も抜本的対策を出す時に来ているのではないか。それにしても2日目に参加者が激減するのは何とかなりませんかね。

 12月某日デイサービス利用者の100歳到達記念祝賀ということで五十嵐伊勢崎市長が来訪する。100歳なのにかくしゃくとした立ち振る舞いは立派である。
12月某日本日12月分の賞与を支給する。地元中小零細企業は賞与がほとんど支給されない中、当施設は公務員以上の支給率を確保した。コストを削減し減価償却費程度は積立金として確保した上での賞与支給である。

12月某日毎年恒例のケアハウスのクリスマス会兼忘年会兼発表会を市内のプラザアリアで行う。入居者、趣味の教室の先生方合わせての宴会である。
12月某日当施設の道路一本隔てた東側の土地の農振法除外が許可となり農地転用申請と相成った。この土地は荒れ放題で夏は虫がわき施設にやってくるし、今のこの時期は火災の危険があった。駐車場にする予定である。
12月某日日本のこの10年間のデフレの原因を、白川日本銀行総裁は@グローバル化の進展A雇用を維持するために賃金を下げたB日本国民が自信を無くしたと述べている。施設を開設して16年目であるが、経営は介護保険法が施行されてから年々厳しさを増している。日本全体が閉塞感に包まれ昨年のリーマンショック以降その度合いはますます強まっており、冒頭の日銀総裁発言にもあるように国民に自信を持つよう促している。政権交代は果たしたものの今年の予算編成は財源難もあり四苦八苦し実際に来年になってみないと良く分からないことも将来の不安を掻き立てている。 しかし、施設長が自信をなくしては日夜奮闘している職員の為にならない。介護事業の将来性を固く信じ堅実経営を旨とし日々の仕事にあたりたいと思う。
12月某日夕方、移動販売のパン屋さんが思いつめたように施設にやってきた。このパン屋さんは毎週施設に来ていて、昔は神奈川県の特養ホームで働いたこともある介護経験者である。話を聞くといつも行っている老人夫婦世帯の夫が失禁をしていてちょっと様子がおかしいという。施設の相談員がすぐに行くということでパン屋さんに帰っていただいた。相談員が行くとやはり状態はひどく担当の民生委員や家族に連絡した。地域包括支援センターにも連絡し翌日訪問することになった。夫は緊急入院させ、妻はちょっと様子を見ることになった。結局夫は翌々日亡くなった。いろいろ問題のある老人世帯であるが、パン屋さんの通報の前に何とかならなかったのかという問題は残るケースである。
12月某日いよいよ年も押し詰まってきた。施設の大掃除も終わり餅つきも終わり新年を迎えるだけとなった。良い年を迎えたいと思うが、そうは問屋は卸さない。この時期に来て厄介なことが持ち上がった。凹みそうになるが、ここは信念を貫き通す覚悟である。
12月某日1年間私の駄文に付き合っていただいて有難うございます。平成3年4月からもう6年以上も続いています。少しでも読みやすいようにしながら来年も書いていきたいと思いますのでご愛読のほどよろしくお願いいたします。みなさん良いお年を迎えられるよう祈念しながらこの文章を終了させていただきます。


     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp


                                          

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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌