第75話 令和元年度ロータスヴィレッジの事業報告

 運営方針:人材不足時代を知恵を絞り、効率化を図り、協力し合い乗り切ろう
   
                      
 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム  ケ  ア ハ ウ ス
 入所者数 退所者数 延べ在所者数 入所者数 退所者数 初日入所者数
4月  0  0  1748  0  0  12
5月  1  0  1809  0  0  12
6月  0  0  1773  1  0  13
7月  0  0  1840  0  0  13
8月  0  0  1825  0  0  13
9月  0  1  1745  0  0  13
10月  1  3  1774  0  0  13
11月  1  1  1682  0  0  13
12月  2  1  1734  1  0  14
  1月  1  0  1769  0  0  14
  2月  1  2  1670  0  1  14
  3月  1  4  1749  0  0  13
 合計  8 12 21118  2  1 157


























 
特養は入所希望者は49名(30年度は57名、29年度は34名の申し込みがありました)でした。また入居者は8名でした。入所した方は、介護度4または5の方が8名でかつ医療依存度の高く無い方です。これらの条件に該当する方はそれほど多くは無く相談員も定員確保に苦労します。介護度3以下の方が入所しようと思っても難しい状況にあり、これら中軽度の方は在宅サービスを使い在宅での生活を維持する必要があります。ロータスヴィレッジの在宅部門は、これら中軽度の方の在宅生活継続に力を注いでいます。
 ロータスヴィレッジでは、職員が経口摂取にこだわり、何としてでも口から食べさせることにプライドを以て食事介助を行っています。また口内清潔にもこだわり今年は誤嚥性肺炎で入院する入居者が1名でした。今年亡くなった12名の内看取りだった人が6名いました(30年度は死亡22名中看取りは18名)。年々増えています。亡くなった方の最高齢は、男性が95歳、女性は99歳でした。今年度もインフルエンザや急性胃腸炎の蔓延も無く、入院者が少なかったです。1年間で実人数13名の方が入院し延べ442日になります。前年度に比べ入院者が少なくベッドの稼働率は96.17%でした。ベッドが1日2.3床空いていることになります。来年度以降もベッドの稼働率を95%以上にしたいものです。
 ケアハウスは退所が1名で入所は2名でした。年間を通じ1.85名分空室の状態でした。入所希望の方が少なく、いても介護が必要である方が多く結果として入所に至らないケースが多かったです。当ケアハウスは居住費がゼロなので年間の収入が150万円以下ならば、月々食費込みで5万円程度で利用できるため問い合わせは多いのですが、自立した生活が送れるという条件が付きますので、申し込みは多いですが入所に至らないケースが多いです。介護付きの施設が好まれるようです。
 元気で一人暮らしを希望している方は、ロータスヴィレッジのケアハウスはいかがでしょうか。
3食が付いて家賃は0ゼロのケアハウスは日本にはほとんど有りません。無料で趣味の教室(踊り、民謡、習字、民謡、茶道、スポーツ吹き矢)が受けられます。

ショート
ステイ
殖蓮デイ
サービス
デイ蓮花 地域包括支援センター 居宅介護支援事
(包括予防含む)
訪問介護事業
延べ利用人数 延べ利用人数 延べ利用人数 相談件数 ケアプラン作成数 派遣時間(時間)
4月  276  550  97 99  89 198.2
5月  292  552  93 79  88 242.5
6月  311  513  98 80  86 213.9
7月  326  565  98 78  94 235.0
8月  318  635  113 80  98 225.1
9月  341  601  103 67  96 209.7
10月  336  630  92 69  97 208.5
11月  291  596  65 102  94 197.9
12月  310  580  74 59  96 202.2
 1月  331  482  70 66  102 198.0
 2月  341  492  69 60  97 188.7
 3月  312  500  80 90  104 184.1
合計 3785 6694
内予防は
198
1052
内予防は
99
929
内訪問は
181
1141 2503.8
内予防は
317.1
























 ショートステイ利用率は日中は103%、宿泊は78%でした。1年を通してほぼフル稼働でした。これは地域の人やケアマネージャーへの認知度が高まった結果だと思います。当施設は通年を通し急な利用に応えられるようにべッドをいつも確保しています。ショートステイの長期利用は原則として受け入れていません。ショートステイ利用は介護者の急な用事や疲れをとるために制度化された歴史がありますので、当施設ではこの原則を守っています。
 殖蓮デイサービス事業は昨年度に比べ9%ほど利用者が増えました。夏場の利用者数が多いのが特徴です。春先と冬場の利用者増を図る必要があります。職員も様々なアイデアを持ち寄り、利用者に「楽しかった。また来たい」といわれる施設作りを目指しています。
 デイサービス蓮花は昨年度に比べ23%と大幅な落ち込みでした。殖蓮デイサービス共々経営は厳しいです。7〜9時間体制にしましたが、利用者の落ち込みには歯が立ちませんでした。来年度もサテライト事業所として運営します。利用者数を増やすことしか道は開けないので職員の創意工夫を期待するところです。ただ定員15名のこじんまりしたデイなので利用者には喜ばれています。
 地域包括支援センターは2年目になり月100件近くの相談が寄せられています。もっと身近な相談窓口としての機能を高めなければならないと思っています。
 ケアプラン作成数は90台で推移していますが、3人目の正職員採用もあり介護給付のプラン作成者をもっと増やす必要があります。在宅での介護が無理で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設入所を選択する家族が多くなっているので、新規依頼者が急激に増えることもありません。辛抱のしどころかと思います。今年度も特定事業所集中減算対象事業所を外れたので収支とんとんの事業ですが、国が推進している地域包括ケアを進める上でも、今の殖蓮地区の現状を見ればこの事業と地域包括支援センターは必要なサービスです。
 訪問介護は昨年度の比べ派遣時間が14%減りました。大幅な赤字で来年度も赤字の予想です。正職員で運営することが難しい事業です。当事業は基本に忠実に、直行直帰があたりまえの業界でパートヘルパーを雇用し時間拘束中の賃金は払うことにこだわり、ヘルパーひとりひとりの質を上げています。当施設では介護福祉士の資格取得者が7名中5名います。

 元年度の運営方針どおり運営が出来ただろうか。サービス業は、こちら側が余裕を持って対応しないと相手には良いサービスは提供できません。働きやすい環境と職員に対する十分な福利厚生を提供できれば良いのですが、限られた予算でのやり繰りもなかなか厳しいものがあります。年度が押し迫った3月から新型コロナの影響が徐々に浸透しています。どうなるのか目が離せない状況になっています。
 元年度は貯湯式ボイラーの更新を行いました。開設26年目になるとさすがに設備の老朽化が目に付きます。毎年少しずつ手直しをしています。処遇改善加算は最高の加算Tを取得しましたが、10月から始まった特定処遇改善加算も加算Tを取り賞与は平均年間5ヶ月以上を支給し、年収440万円以上は9人(正職員46人。施設長は含まない)に達しパート職員にも平均2ヶ月以上の賞与を支給しました。
 元年度は地域包括ケア取り組み8年目でした。国に先立つものが無い中での1年間でしたが、殖蓮地区での地域支え合い体制づくりが進行中です。地域住民が何らかの形で協力できる仕組み作りを考えて欲しいと思います。当施設もこのことには全面的に協力します。
 昨年もこの蘭で述べたことなのですが、介護保険入所施設としての特養ホームと在宅サービスが連動し有って地域の老人が支えられると思います。大きくを求めず、そうかといって小さくを求めない今程度の規模が適正だと思っています。赤字部門もありますが、それは他部門で補い、地域の高齢者を支える今の体制が一番だと思います。

            
令和2年5月30日  小林 直行
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