第79話 令和5年度(2023)ロータスヴィレッジの事業報告

 運営方針
 withコロナ時勢下、サービス提供をどのように行い、どう提供するか考える
   
                      
 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム  ケ  ア ハ ウ ス  困窮世帯
 支援件数
 
米2Kgと冷凍食品等
 入所者数 退所者数 延べ在所者数 入所者数 退所者数 初日入所者数
4月  1  1  1661  0  0  14  37
5月  1  2  1693  0  0  14  41
6月  4  2  1644  0  0  14  31
7月  3  1  1732  0  0  14  53
8月  2  1  1768  0  0  14  32
9月  1  1  1700  0  0  14  40
10月  1  0  1847  0  0  14  46
11月  0  0  1767  0  0  14  53
12月  1  2  1836  0  1  13  33
  1月  1  1826  0  1  13  32
  2月  0  0  1674  0  0  12  35
  3月  0  1  1794  0  0  12  51
 合計 15 11 20,942  0  2 156  484



























 
特養は入所希望者は42名(3年度は39名、4年度は55名の申し込みがありました)でした。また入居者は15名でした。入所した方は、すべて介護度4または5の方でかつ医療依存度の高く無い方です。これらの条件に該当する方はそれほど多くは無く相談員も定員確保に苦労します。既に待機者がいない市町村もあります。介護度3以下の方が入所しようと思っても難しい状況にあり、これら中軽度の方は在宅サービスを使い在宅での生活を維持する必要があります。ロータスヴィレッジの在宅部門は、これら中軽度の方の在宅生活継続に力を注いでいます。
 ロータスヴィレッジでは、職員が経口摂取にこだわり、何としてでも口から食べさせることにプライドを以て食事介助を行っています。また口内清潔にもこだわっています。今年亡くなった10名の内看取りだった人が9名いました(4年度は死亡25名中看取りは16名)。看取りの方は生活維持が大変です。職員の努力の賜です。亡くなった方の最高齢は、男性が86歳、女性は98歳でした。今年度は、インフルエンザや急性胃腸炎の蔓延は無く、新型コロナ感染者はいませんでした。しかし新型コロナ感染の影響が残り4月、5月、6月はベッド稼働率が92%前後でした。7月以降コロナの影響は無くなり年間のベッド稼働率は95.36%でした。
 ケアハウスはコロナ発症者も無く、退所が2名で入所は0名でした。年間を通じ2名分空室の状態でした。入所希望の方が少なく、いても介護が必要である方が多く結果として入所に至らないケースが多かったです。当ケアハウスは居住費がゼロなので年間の収入が150万円以下ならば、月々食費込みで5万円程度で利用できるため問い合わせは多いのですが、自立した生活が送れるという条件が付きますので、申し込みは多いですが入所に至らないケースが多いです。介護付きの施設が好まれるようです。
 元気で一人暮らしを希望している方は、ロータスヴィレッジのケアハウスはいかがでしょうか。
3食が付いて家賃は0ゼロのケアハウスは日本にはほとんど有りません。無料で趣味の教室(踊り、民謡、習字、民謡、スポーツ吹き矢)が受けられます。

ショート
ステイ
殖蓮デイ
サービス
デイ蓮花 地域包括支援センター 居宅介護支援事
(包括予防含む)
訪問介護事業
延べ利用人数 延べ利用人数 延べ利用人数 相談件数 ケアプラン作成数 派遣時間(時間)
4月  297  387  143 188  104 68
5月  312  418  156 144  107 74
6月  283  411  137 168  103 107
7月  260  396  165 193  108 92
8月  236  423  168 192  109 95
9月  227  447  159 236  113 81
10月  193  478  178 227  110 89
11月  180  471  167 191  111 89
12月  163  473  167 294  112 72
 1月  182  403  123 202  105 58
 2月  171  434  133 207  105 69
 3月  234  438  149 153  107 76
合計 2738 5179
内予防は
644
1845
内予防は
268
2395
内訪問は
420
1294 970
内予防は
214































 
ショートスショートステイ利用率は日中は75%、宿泊は73%でした。前年度のコロナ感染者発生により利用者の固定化長期化が進んだ結果、また新規入居者の慎重な受入により利用率の低下に繋がりました。当施設はロス無い換気により入居者のコロナ対策には万全を尽くしていますが、コロナの影響はまだ大きいです。
 殖蓮デイサービス事業は昨年度に比べ7%ほど利用者が増えました。コロナの影響はまだ有りますが、職員も様々なアイデアを持ち寄り、利用者に「楽しかった。また来たい」といわれる施設作りを目指しています。LED化工事を行いました。
 デイサービス蓮花は昨年度に比べ35ほどの増加でした。昨年に引き続き増えました。なぜ増えたのか?定員10名のこぢんまりした施設が良いのか。床暖房更新や冷暖房更新工事を行いさらなる快適化を図りました。殖蓮デイサービスとの相互協力援助体制で利用者を迎える等工夫をして運営したいと思っています。
 地域包括支援センターは月200件近くの相談が寄せられています。相談員のキャパは限界に近づいています。1名の相談員増加は必至の状況です。
 ケアプラン作成数は100件超えで推移しています。3人の専任職員と1人の兼務職員で運営に当たっていますが、1名の増員は必至の状況です。在宅での介護が無理で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設入所を選択する家族が多くなっているので、新規依頼者が急激に増えることもありません。相談者の相談に親身になり、介護される方・介護する方の幸せになるよう運営していきたいと思います。国が推進している地域包括ケアを進める上でも、今の殖蓮地区の現状を見ればこの事業と地域包括支援センターは必要なサービスです。
 訪問介護は昨年度の比べ派遣時間が10%近く減りました。ここ数年赤字で来年度も赤字の予想です。理事会等では廃止の提言を受けているところですが、職員がいる限りは継続したいと思っています。正職員で運営することが難しい事業です。当事業は基本に忠実に、直行直帰があたりまえの業界でパートヘルパーを雇用し時間拘束中の賃金は払うことにこだわり、ヘルパーひとりひとりの質を上げています。当施設では介護福祉士の資格取得者が5名中4名います。
 5年度の運営方針どおり運営が出来ただろうか。高齢者施設は感染症には弱い面を持っています。体力が落ちて何らかの病気を持っているからです。外からの持ち込みを遮断する術は有りません。このような条件下で当施設は次のような対策を行っています。新規入居者や利用者は一旦ロス無い換気システムの有る個室で5日程度隔離生活して頂き、その後何の問題も無ければ部屋に移り生活して頂きます。ロス無い換気システムは、換気をしても部屋の暖気や冷気が外へ逃げることはないので、入居者は冬場でも夏場でも無理なく過ごすことが出来ます。
 もちろん三密回避やアルコール消毒等国が推奨している対策を行っています。
 サービス業は、こちら側が余裕を持って対応しないと相手には良いサービスは提供できません。働きやすい環境と職員に対する十分な福利厚生を提供できれば良いのですが、限られた予算でのやり繰りもなかなか厳しいものがあります。正職員短時間勤務や子育て休暇や外国人職員の活用等あらゆる手段を用いて現状維持しようと思います。
 処遇改善加算は最高の加算Tを取得しましたが、特定処遇改善加算も加算Tを取得し、年収440万円以上は16人(介護職員8名、その他職員8名、全正職員42人。施設長は含まない)に達しパート職員にも平均1ヶ月以上の賞与を支給しました。
 5年度は地域包括ケア取り組み15年目でした。国も地方もコロナ5類移行後最初の1年間でした。高齢化の更なる進行の中、殖蓮地区での地域支え合い体制づくりが進行中です。コロナ後の社会もどうなるか分からない中、地域住民が何らかの形で協力できる仕組み作りを考えて欲しいと思います。当施設もこのことには全面的に協力します。
 社会福祉法人の地域貢献事業として介護予防フェスタを行っていましたが、5年度も開催できませんでした。令和3年1月から始めた生活困窮世帯向け食料品の提供は、5年度は484件に達しました(4年度は320件、3年度は120件)。特に7月、11月、3月は50件を超えました。1件につきロータスヴィレッジ提供の精米2kgとみまつ食品様提供の冷凍食品を基本に、時に他団体から提供された食料品を加えて配布しました。来年度以降もこの事業は継続し、更に国定ライオンズクラブからのの米購入費用支援等連携し行っていくつもりです。
 昨年もこの蘭で述べたことなのですが、介護保険入所施設としての特養ホームと在宅サービスが連動し有って地域の老人が支えられると思います。大きくを求めず、そうかといって小さくを求めない今程度の規模が適正だと思っています。赤字部門もありますが、それは他部門で補い、地域の高齢者を支える今の体制が一番だと思います。

            
令和6年7月25日  小林 直行