第80話 令和6年度(2024)ロータスヴィレッジの事業報告

 運営方針
 フィードフォワード、組織で、チームで事にあたり前進しよう
  **失敗しても良い、新たな挑戦に挑もう**
   
                      
 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム  ケ  ア ハ ウ ス  困窮世帯支援件数 
米2Kgと冷凍食品等
(10月から米1Kg)
 入所者数 退所者数 延べ在所者数 入所者数 退所者数 初日入所者数
4月  1  1  1728  0  1  12  38
5月  1  3  1793  0  0  11  41
6月  3  1  1722  0  0  11  33
7月  1  0  1817  0  0  11  37
8月  0  0  1797  0  0  11  36
9月  0  0  1723  0  0  11  36
10月  1  2  1738  0  0  11  42
11月  3  2  1642  0  0  11  29
12月  0  1  1770  0  1  10  24
  1月  2  1785  0  0  10  29
  2月  0  3  1482  0  0  10  30
  3月  2  1  1684  0  0  10  48
 合計 14 16 20,681  0  2 129  423



























 
特養は入所希望者は45名(4年度は55名、5年度は42名の申し込みがありました)でした。また入居者は14名でした。入所した方は、すべて介護度4または5の方でかつ医療依存度の高く無い方です。これらの条件に該当する方はそれほど多くは無く相談員も定員確保に苦労します。既に待機者がいない市町村もあります。介護度3以下の方が入所しようと思っても難しい状況にあり、これら中軽度の方は在宅サービスを使い在宅での生活を維持する必要があります。ロータスヴィレッジの在宅部門は、これら中軽度の方の在宅生活継続に力を注いでいます。
 しかし、昨今は家族が施設に入れたがる傾向が強く、有料老人ホームやサ高住に月額費用が高額であることを承知の上これら施設に入所させます。高額であることを理由にロータスヴィレッジに入所申込をする方がいます。
 ロータスヴィレッジでは、職員が経口摂取にこだわり、何としてでも口から食べさせることにプライドを以て食事介助を行っています。また口内清潔にもこだわっています。今年亡くなった13名の内看取りだった人が8名いました(5年度は死亡10名中看取りは9名)。看取りの方は生活維持が大変です。職員の努力の賜です。亡くなった方の最高齢は、男性が86歳、女性は98歳でした。今年度は、急性胃腸炎のため1月から3月まで大変でした。年間のベッド稼働率は95.36%でした。
 ケアハウスはコロナ発症者も無く、退所が2名で入所は0名でした。職員事情もあり年間を通じ4名分空室の状態でした。当ケアハウスは居住費がゼロなので年間の収入が150万円以下ならば、月々食費込みで5万円程度で利用できるため問い合わせは多いのですが、自立した生活が送れるという条件が付きますので、申し込みは多いですが入所に至らないケースが多いです。介護付きの施設が好まれるようです。
 元気で一人暮らしを希望している方は、ロータスヴィレッジのケアハウスはいかがでしょうか。
3食が付いて家賃は0ゼロのケアハウスは日本にはほとんど有りません。無料で趣味の教室(踊り、民謡、習字、民謡、スポーツ吹き矢)が受けられます。

ショート
ステイ
殖蓮デイ
サービス
デイ蓮花 地域包括支援センター 居宅介護支援事
(包括予防含む)
訪問介護事業
延べ利用人数 延べ利用人数 延べ利用人数 相談件数 ケアプラン作成数 派遣時間(時間)
4月  238  417  153 147  100 68
5月  287  439  133 167  114 74
6月  271  408  93 161  99 107
7月  282  459  111 167  103 92
8月  200  421  113 160  98 95
9月  231  335  115 237  113 81
10月  235  413  108 203  106 89
11月  244  423  105 205  102 89
12月  253  414  80 158  105 72
 1月  203  351  76 114  98 58
 2月  185  385  81 135  110 69
 3月  241  411  100 195  95 76
合計 2870 4876
内予防は
682
1449
内予防は
232
2049
内訪問件数は
316
1243 970
内予防は
214































 
ショートスショートステイ利用率は日中は78%、宿泊は74%でした。まえ前年度のコロナ感染者発生により利用者の固定化長期化が進んだ結果、また新規入居者の慎重な受入により利用率の低下に繋がりました。当施設はロス無い換気により入居者のコロナ対策には万全を尽くしていますが、コロナや感染症の影響はまだ大きいです。
 殖蓮デイサービス事業は昨年度に比べ6%弱利用者が減りました。1月、2月と感染症(コロナでは無い)が蔓延した影響が有りました。職員も様々なアイデアを持ち寄り、利用者に「楽しかった。また来たい」といわれる施設作りを目指しています。
 デイサービス蓮花は昨年度に比べ21%の減少でした。定員10名のこぢんまりした施設の為その影響は大きいです。殖蓮デイサービスとの相互協力援助体制で利用者を迎える等工夫をして運営したいと思っています。
 地域包括支援センターは月170件の相談が寄せられています。相談員のキャパは限界に近づいています。1名の相談員増加は必至の状況で募集はしているのですが、応募が無い状態です。
 ケアプラン作成数は100件超えで推移しています。3人の専任職員と1人の兼務職員で運営に当たっています。来年度1名の短時間正職員の採用を予定しています。在宅での介護が無理で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設入所を選択する家族が多くなっているので、新規依頼者が急激に増えることもありません。相談者の相談に親身になり、介護される方・介護する方の幸せになるよう運営していきたいと思います。国が推進している地域包括ケアを進める上でも、今の殖蓮地区の現状を見ればこの事業と地域包括支援センターは必要なサービスです。
 訪問介護は昨年度の比べ派遣時間が42%増えました。ここ数年赤字で来年度も赤字の予想です。理事会等では廃止の提言を受けているところですが、職員がいる限りは継続したいと思っています。正職員で運営することが難しい事業です。当事業は基本に忠実に、直行直帰があたりまえの業界でパートヘルパーを雇用し時間拘束中の賃金は払うことにこだわり、ヘルパーひとりひとりの質を上げています。当施設では介護福祉士の資格取得者が4名中3名います。
 6年度の運営方針どおり運営が出来ただろうか。高齢者施設は感染症には弱い面を持っています。体力が落ちて何らかの病気を持っているからです。外からの持ち込みを遮断する術は有りません。このような条件下で当施設は次のような対策を行っています。新規入居者や利用者は一旦ロス無い換気システムの有る個室で5日程度隔離生活して頂き、その後何の問題も無ければ部屋に移り生活して頂きます。ロス無い換気システムは、換気をしても部屋の暖気や冷気が外へ逃げることはないので、入居者は冬場でも夏場でも無理なく過ごすことが出来ます。
 もちろん三密回避やアルコール消毒等国が推奨している対策を行っています。
 サービス業は、こちら側が余裕を持って対応しないと相手には良いサービスは提供できません。働きやすい環境と職員に対する十分な福利厚生を提供できれば良いのですが、限られた予算でのやり繰りもなかなか厳しいものがあります。正職員短時間勤務や子育て休暇や外国人職員の活用等あらゆる手段を用いて現状維持しようと思います。
 処遇改善加算は一本化し事務的には楽になりましたが、とにかく書類申請が多いです。事務員の負担は想像以上に過酷です。令和6年度ベースアップを3.58%実施しました。その結果年収440万円以上は13人(介護職員5名、その他職員8名。全正職員44人(施設長は含まない))に達しパート職員にも平均1ヶ月以上の賞与を支給しました。問題は人材不足です。募集しても応募も無い状態です。介護業界に限った話ではなく全ての業界に言える話です。
 6年度は地域包括ケア取り組み16年目でした。高齢化の更なる進行の中、殖蓮地区での地域支え合い体制づくりが進行中です。地域住民が何らかの形で協力できる仕組み作りを考えて欲しいと思います。当施設もこのことには全面的に協力するつもりです。
 社会福祉法人の地域貢献事業として介護予防フェスタを行っていましたが、6年度も開催できませんでした。令和3年1月から始めた生活困窮世帯向け食料品の提供は、6年度は423件に達しました(5年度は484件、4年度は320件)。10月から米の支給を1Kgに減らした結果11月以降2月まで減少しました。米価格高騰の影響で米の確保が出来ない状態故、米提供を半減したのが影響したかも。時に他団体から提供された食料品を加えて配布しました。来年度以降もこの事業は継続し、更に国定ライオンズクラブからのの米購入費用支援等連携し行っていくつもりです。
 昨年もこの蘭で述べたことなのですが、介護保険入所施設としての特養ホームと在宅サービスが連動し有って地域の老人が支えられると思います。大きくを求めず、そうかといって小さくを求めない今程度の規模が適正だと思っています。赤字部門もありますが、それは他部門で補い、地域の高齢者を支える今の体制が一番だと思います。しかし、昨今の物価高騰には相当ダメージを受けています。当施設のような介護医療業では収入は、公定価格で最大値が決められ、支出は人件費を除くと消費のみにならざるを得ない。そのため物価が上昇するととたんに運営が厳しくなります。何とかしなければならない、そうかと言って解決策はほとんど無いのが現状です。

            
令和7年7月28日  小林 直行