施設長の独り言

  

 第49話 平成22年度ロータスヴィレッジの事業報告

 運営方針:業務のシステム化と効率化を図る
     
−−どんなことがあってもサービスを提供できる態勢づくり−−
     
−−誰に聞いても適切な解答が返ってくる体制づくり−−
   
                     
 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム  ケ  ア ハ ウ ス
 月  入所者数 退所者数 延べ在所者数 入所者数 退所者数 初日入所者数
4月  1  0  1737  0  0  15
5月  1  3  1759  0  1  15
6月  1  1  1634  0  0  14
7月  0  1  1685  0  0  14
8月  3  3  1752  1  0  15
9月  1  0  1719  0  0  15
10月  1  1  1761  0  0  15
11月  1  2  1630  0  0  15
12月  4  2  1664  1  1  15
  1月  1  3  1679  0  0  15
  2月  3  2  1508  0  1  15
  3月  2  0  1671  1  0  14
 合計 19 18 20199  3  3 177



























 
特養はたくさんの人が入所を希望して問い合わせも多い(22年度は66名の申し込みがあった)が、18名の退所(死亡退所は17名)では、1月に1人か2人の入所ではこれらの希望に応えられません。今年の特徴は3割の方が退所していったことです。数年に一度今年のように多くの人が退所していく傾向が見られます。ロータスヴィレッジでは、職員が経口摂取にこだわり、何としてでも口から食べさせることにプライドを以て食事介助を行っています。また口内清潔にもこだわりここ数年誤嚥性肺炎で入院する人はいません。今年亡くなった入居者の内、看取りだった人が8名います。亡くなった最高齢者は、男性女性共に96歳でした。
 今年の2番目の特徴は入院者が多いことです。1年間で39名の方が入院し延べ1163日にものぼります。ベッドの稼働率は92.3%でありました。ベッドが1日4床強空いていることになります。ここに誰か居ればもっと収入も多くなるのに残念です。
 ケアハウスは入所退所共に3名でありました。亡くなられた方の内の一人は10年ケアハウスでの生活を続けられました。
 元気で一人暮らしを希望している方は、ロータスヴィレッジのケアハウスはいかがでしょうか。3食が付いて家賃は0ゼロのケアハウスは日本にはほとんどありません。無料で趣味の教室が受けられます。それぞれの部屋に庭が付いています。

 月 ショートステイ 殖蓮デイサービス デイ蓮花 在宅介護支援センター 居宅介護支援事業(介護給付) 訪問介護事業所
延べ利用人数 延べ利用人数 延べ利用人数 相談件数 ケアプラン作成数 派遣時間
4月  289  606  158    34   95   507.5
5月  331  632  161  26  97   481.0
6月  303  639  169  32  100   531.0
7月  272  674  190  26  95   550.5
8月  333  640  189  38  98   579.5
9月  281  641  189  29  99   549.0
10月  310  623  187  22  94   549.5
11月  299  623  173  31  97   574.5
12月  294  613  172  24  95   544.0
 1月  278  554  167  26  94   480.5
 2月  264  491  160  34  96   457.0
 3月 300   563  179  34  91   483.0
合計 2951 7299
内予防は5545
2094
内予防は154
356
内介護は194
1151 6287.0
内予防は
1144




























                           
 
ショートステイ利用率は81%。急な利用に応えられる空きベッドをいつも確保しているが、特養ホームの入居者の入院が多いので利用者は受入できる。来年度も在宅で頑張っている人の受入について考慮するつもりである。
 殖蓮デイサービス事業は1年を通してほぼ一定であるが、冬場に落ち込む。ここを何とかしなければならない。近隣に相次いでデイサービスができているので、相変わらず長期低落傾向に改善は見られない。
 デイサービス蓮花は1年を通して一定の利用者数である。あと1日2名くらい増えないと赤字基調は解消できない。定員15名のこじんまりしたデイなのでここは踏ん張りどころか。
 在宅介護支援センターは月30件位の相談が寄せられている。昨年度に比べほぼ同数である。たくさんの介護保険事業所ができているので分散化している傾向はこのまま続くのであろう。当施設では、相談は支援センターが窓口になりその後相談内容に応じて各ケアマネージャーや各部門に振り分けている。
 ケアプラン作成数は徐々に減っている。各家族とも入所を指向しているので入所した時点でケアプラン作成は終了する。今が辛抱のしどころか。特定事業所集中減算対象事業所になっているので介護報酬は少ない。
 訪問介護は相変わらず派遣時間が少ない。今年度は月平均520時間程度で事業としては大幅な赤字である。常勤職員が多いと経営は成り立たない。当施設では介護福祉士の資格取得者が11名中8名おり10%の割増介護報酬を頂いており、また施設長と事務職員の給与も払っていない。何とか採算にのせたい。

 22年度の運営方針どおり運営が出来ただろうか。特養部門で常勤介護職員が5名も辞めその影響は22年末まで残った。その点では残った職員には苦労をかけたと思っている。当施設では開設当時からどんな状況になってもサービスは提供できる態勢作りを目指してきたが、世代交代もありこの考えが薄れてきていたのも事実である。雨降って地固まるではないが、この苦境を乗り越えた経験は職員にいくつもの御利益をもたらしたと思う。
 ロータスのもう一つの特徴は人を育てることである。採用したからには常勤だろうが、非常勤だろうが関係なく人材育成を行う。その方法の一つとして人事考課と自己目標がある。今日よりは明日、明後日良くなろうという考えで職員を育てている。人材育成というのは結果が出るまで時間がかかるが、この人材育成というノウハウは各職員の脳裏に刻まれ、先輩職員から後輩職員へと受け継がれいく。
 
 3月11日に起こった宮城県東方沖地震は各所に未曾有の大きな被害をもたらし東日本大震災と命名され歴史にその名を遺すことになった。当施設でも大きな揺れが生じ点呼訓練をしていたが点呼ができないほどの衝撃を職員に与えた。点呼はできなかったが、入居者を蛍光灯など落下の危険性があるところから避けられたのは良かった。幸いなことに計画停電中でも水が出、ガスがエネルギー源なので煮炊きもできるので食事の提供、入浴の提供と普段と変わらないサービスが提供できた。ガソリン不足には冷や冷やもんであったが、不要不急の外出は避けガソリンの消費を減らし、また取引先の給油所がガソリンをかき集めてきてくれ何とか乗り切った。今までの生活スタイルを変える良い機会かも知れない。

 入所施設としての特養ホームと在宅サービスが連動し有って地域の老人が支えられると思う。最近の傾向として家族の介護力が落ち、高齢者専用賃貸住宅などの介護保険施設以外の施設に入所する老人が増えている。国が24年度から目指す地域包括ケアと違う流れが出ているように思える。
 こういった高専賃に流れる高齢者や家族をロータスヴィレッジで支えることができないだろうか。来年度もこのへんのことを重点的に考えていこうと思う。
 当施設程度の規模がちょうど良い。私は大規模多機能型施設と名付けている。大規模は決して悪くない。要は施設の運営の仕方だと思っている。良い介護ができるよう、地域を支えられるようくじけずに前向き指向で23年度も頑張っていきたい。


            
平成23年4月28日  小林 直行




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