第51話  23年度群馬県地域包括・在宅介護支援センター協議会会長挨拶 
     
 
入所者設立3年目の総会に出席していただき大変ありがとうございます。
昨年度は4回の連続講座を開催し、「ネットワーク作り」と題した小冊子を作成配布でき、一定の成果も上げることが出来ました。
今年度は、この後行う事業計画を審議していただきますが、昨年度以上の会員各位に参考になる研修を予定しています。
 さて、中央政界は相変わらず不毛な政治混乱が続いていますが、介護保険法改正は着々と進んでいます。
 保険料増額や予防給付は先送りされましたが、地域包括ケアは当初予定どおり進んでいます。
 ここに厚労省が制作した法律の概要があります。このとおりできれば在宅生活が送れるというすばらしい老後が待っていると思います。
 国は在宅サービスのメニューを沢山考え在宅での生活を送れるようしていますが、国民は老人ホームなど入所系施設に入所したがる。特養ホーム入所待機者は42万人にものぼります。どうして国と国民の間に乖離が生じるのでしょうか。
 これは介護保険制度に欠陥とまではいかないが、何か問題があるのではないか。皆さんご存じだと思いますが京都に本部がある認知症の人と家族の会が厚労省に要望書を出しています。いろいろ要望が書かれているのですが、特に、介護者・家族を何とかして欲しいというのが目を引きます。
 特養ホームに入所させれば24時間365日休むこと介護サービスや生活支援サービスを受けられます。それに引き換え在宅ではどうでしょう。特養ホームの費用負担だけで24時間365日の介護は無理です。こういったことが特養ホーム42万人待機ということになっているんだと思います。
 今、県知事選挙が行われています。各候補とも特養ホーム増床を打ち出しています。在宅の政策よりは特養ホームの方が見栄えがするので選挙対策にはもってこいの施策です。しかし、これだけ声高に増床を叫ばれると在宅で相談業務を行っている身には何か違和感を感じてしまいます。在宅生活を継続できるよう応援している皆さんから見ると少しは在宅政策にも力を入れてよという気持ちだと思います。
 在宅生活を続けているとやはり在宅では無理という時期が来ます。この時にスムーズに特養なり、施設に入所できるようになっていれば問題はないのですが、現状ではなかなか入所できないし、あるいは急に入所すると言われがっくり来た相談員の方も沢山いると思います。また、お金の問題でにっちもさっちも行かない相談者を抱えている相談員も沢山いると思います。あるいは地域がちっとも協力的でない施設もあると思います。
 当協議会では、このような問題を解決する方法を皆で考え、少しでも解決の糸口を見いだす場となればと考えています。
 本日は総会ですので、議案を慎重審議していただき、講演では遠藤先生の話を聞いていただき今後の参考になればと考えています。
 長くなりましたが、総会の会長挨拶と致します。今日1日よろしくお願いいたします。




            平成23年8月31日  小林 直行


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