施設長の独り言

  

 第68話 浅田真央選手引退について

 
浅田選手の引退には、多くの人が衝撃を受けたことだろう。筆者もその一人であった。筆者はフィギアスケートはほとんど見ないが、浅田選手の試合は多く見る方であった。
 何故に浅田選手はこれほどにまで人気があるのだろう。
 筆者は、浅田選手を見ると、すぐに中宮寺や広隆寺の弥勒菩薩を思い出す。このように考える人はいるようで、浅田選手引退会見の翌日2017年4月12日付け日経新聞春秋欄でも担当筆者は述べている。
 菩薩像の慈悲深く、見る者を心穏やかにさせる雰囲気を浅田選手は持っているように思える。
 話は変わって、人類が誕生した数百年前。人類は、障害のある大人や子どもをたくさん抱えていたという(人類の絶対数が少なく、遺伝子的に似たものどうしからは、障害を持つ子どもが生まれやすい。)。このような人類では、思いやりのある人が大切にされ、そうでない人はグループの外に出されたという。食料や水を獲得し、これを皆に公平に分け与え、協力し合えなければ人は生きてゆけない。このような過程を経て、人類は、人を思いやる気持ちを持つ遺伝子を受け継いだという。
 筆者は、人は浅田選手の試合や立ち振る舞いを見ると、人を思いやる感情が自然に湧き上がり幸せな気分になるのではないか、と思う。これが浅田選手が人気がある大きな要因だと思う。
 浅田選手の全て出し尽くした滑走や菩薩のような表情を見られなくなるのは残念であるが、今までにたくさんの元気と心を穏やかにさせてくれたことに感謝し今後の活躍を祈ろうと思う。



            平成29年4月25日  小林 直行




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