施設長の独り言

  

 第69話 平成28年度ロータスヴィレッジの事業報告

 運営方針:地域包括支援センターの運営を軌道に乗せ、殖蓮地区の高齢者の生活を施設部門と在宅部門とが協力して支える
   
                      
 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム  ケ  ア ハ ウ ス
 入所者数 退所者数 延べ在所者数 入所者数 退所者数 初日入所者数
4月  3  2  1748  0  0  14
5月  0  0  1766  0  2  14
6月  1    1696  1  0  12
7月  0  2  1792  0  0  13
8月  2  3  1758  0  1  13
9月  3  2  1588  1  0  12
10月  2  1  1731  1  0  13
11月  1  1  1734  0  0  14
12月  1  3  1696  0  0  14
  1月  1  2  1677  0  0  14
  2月  3  1  1531  0  0  14
  3月  3  3  1779  0  0  14
 合計 20 20 20496  3  3 161






















 
特養は入所希望者が前年度並み(28年度は33名、27年度は31名の申し込みがありました)でした。また入居者は20名でした。入所した方は、介護度4または5の方が13名でかつ医療依存度の高く無い方です。これらの条件に該当する方はそれほど多くは無く相談員も定員確保に苦労します。介護度3以下の方が入所(28年度は7名)しようと思っても難しい状況にあり、中軽度(介護度が1、2、3)の方は在宅サービスを使い在宅での生活を維持する必要があります。ロータスヴィレッジの在宅部門は、これら中軽度の方の在宅生活継続に力を注いでいます。
 ロータスヴィレッジでは、職員が経口摂取にこだわり、何としてでも口から食べさせることにプライドを以て食事介助を行っています。また口内清潔にもこだわり今年は誤嚥性肺炎で入院する人が3名でした。今年亡くなった18名の内看取りだった人が14名いました(27年度は死亡15名中看取りは11名)。年々増えています。亡くなった方の最高齢は、男性が90歳、女性は101歳でした。今年度もインフルエンザや急性胃腸炎の蔓延は無かったのですが、入院者が年間延べ日数894日(27年度は785日)1日あたり2.45人が入院していることになります。前年度に比べ入院者が多くベッドの稼働率は93.59%でした。ベッドが1日2床以上空いていることになります。ベッドの稼働率を95%以上にしたいものです。
 ケアハウスは退所が3名で入所は3名でした。年間を通じ1.5名分空室の状態でした。入所希望の方が少なく、いても介護が必要である方が多く結果として入所に至らないケースが多かったです。当ケアハウスは居住費がゼロなので年間の収入が150万円以下ならば、月々食費込みで5万円程度で利用できるため問い合わせは多いのですが、自立した生活が送れるという条件が付きますので、申し込みは多いですが入所に至らないケースが多いです。介護付きの施設が好まれるようです。
 元気で一人暮らしを希望している方は、ロータスヴィレッジのケアハウスはいかがでしょうか。
3食が付いて家賃は0ゼロのケアハウスは日本にはほとんど有りません。無料で趣味の教室(踊り、民謡、習字、民謡、茶道、大正琴、スポーツ吹き矢)が受けられます。

ショート
ステイ
殖蓮デイ
サービス
デイ蓮花 地域包括
支援センター
居宅介護支援事業(包括予防含) 訪問介護事業所
延べ利用人数 延べ利用人数 延べ利用人数 相談件数 ケアプラン作成数 派遣時間(時間)
4月  273  489  146 78  107 457.1
5月  296  489  128 93  104 457.1
6月  271  544  133 136  105 443.3
7月  284  513  136 50  109 492.5
8月  241  539  138 56  108 441.5
9月  248  534  134 48  111 490.9
10月  285  551  135 42  110 455.5
11月  276  533  133 56  110 425.2
12月  237  510  124 54  103 419.1
 1月  227  463  114 60  100 391.5
 2月  220  449  118 73  100 385.7
 3月  297  492  131 55  103 485.0
合計 3155 6106
内予防は
861
1570
内予防は
284
801
内訪問は
154
1273
内包括予防は
269
4746
内予防は
598


























 ショートステイ利用率は日中は86%、宿泊は67%と昨年と比べ12%の減少でした。年間を通して利用率が減っています。これは利用者の施設入所が進んだため、また営業活動の低下と思われます。当施設は通年を通し急な利用に応えられるようにべッドをいつも確保しています。ショートステイの長期利用は原則として受け入れていません。ショートステイ利用は介護者の急な用事や疲れをとるために制度化された歴史がありますので、当施設ではこの原則を守っています。
 殖蓮デイサービス事業は昨年度とほぼ同じ利用者数でした。近場に競合相手がたくさんあることもあり利用者数増加の改善は見られません。職員も様々なアイデアを持ち寄り、利用者に「楽しかった。また来たい」といわれる施設作りを目指しています。
 デイサービス蓮花は昨年度に比べ18%強の落ち込みでした。経営は厳しいです。28年度から殖蓮デイのサテライト事業所ととしてまた利用時間を7〜9時間体制にしましたが、利用者の落ち込みには歯が立ちませんでした。利用者数を増やすことしか道は開けないので職員の創意工夫を期待するところです。ただ定員15名のこじんまりしたデイなので利用者には喜ばれています。
 初めての事業となった地域包括支援センターは月67件位の相談が寄せられています。引き続き身近な相談窓口としての機能を高めなければならないと思っています。
 ケアプラン作成数は昨年度と同じ80台で推移しています。在宅での介護が無理で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設入所を選択する家族が多くなっているので、新規依頼者が急激に増えることもありません。辛抱のしどころかと思います。今年度も特定事業所集中減算対象事業所を外れたので収支とんとんの事業ですが、国が推進している地域包括ケアを進める上でも、今の殖蓮地区の現状を見ればこの事業と地域包括支援センターは無くてはならない事業だと思います。引き続き安心して暮らせる地域を目指して地域包括ケアを進めたいと思います。
 訪問介護は昨年度の比べ派遣時間が20%減り、派遣回数も11%減りました。黒字でしたが、これも正職員を1名減らしての結果で素直に喜べません。正職員で運営することが難しい事業です。当事業は基本に忠実に、直行直帰があたりまえの業界でパートヘルパーを雇用し時間拘束中の賃金は払うことにこだわり、ヘルパーひとりひとりの質を上げています。しかしながらパート職員が採用できません。今後厳しい経営になること必至です。

 28年度の運営方針どおり運営が出来ただろうか。サービス業は、こちら側が余裕を持って対応しないと相手には良いサービスは提供できません。働きやすい環境と職員に対する十分な福利厚生を提供できれば良いのですが、限られた予算でのやり繰りもなかなか厳しいものがあります。28年度は地域包括支援センター事務室を整え、職員用の椅子を全て買い換え、デイサービスの壁紙を貼り替え、職場環境を整えました。賞与は年間4ヶ月台を維持し更に処遇改善分を大幅にプラスしました。
 28年度は地域包括ケア取り組み5年目ですが、群馬県や伊勢崎市ではまだまだ暗中模索の1年間でしたが、殖蓮地区の地域支え合い体制づくりが進行中です。伊勢崎市では特養ホームが各行政地区にあるので最後の拠り所として特養ホームを活用した地域包括ケアを考えて欲しいと思います。また、伊勢崎市が直営で行っていた地域包括支援センターを運営して初めての1年間でしたが、当法人が殖蓮地区で22年間行ってきた老人福祉・介護がそのまま移行し大きな問題も無く運営できたことは大変良かったと思います。
 昨年もこの蘭で述べたことなのですが、介護保険入所施設としての特養ホームと在宅サービスが連動し有って地域の老人が支えられると思います。大きくを求めず、そうかといって小さくを求めない今程度の規模が適正だと思っています。赤字部門もありますが、それは他部門で補い、地域の高齢者を支える今の体制が一番だと思います。
 


            
平成29年8月30日  小林 直行

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