施設長の独り言

  

 第37話 平成20年度ロータスヴィレッジの事業報告

 運営方針:学習に勝る進歩はない−特に認知症高齢者への対応に取り組もう−

   
                      
 特 別 養 護 老 人 ホ ー ム  ケ  ア ハ ウ ス
 月  入所者数 退所者数 延べ在所者数 入所者数 退所者数 初日入所者数
4月  0  1  1723  0  0  15
5月  1  1  1739  0  0  15
6月  2  0  1717  0  0  15
7月  0  1  1798  0  0  15
8月  0  0  1785  0  0  15
9月  0  0  1706  0  1  15
10月  0  0  1744  1  1  15
11月  1  2  1706  0  0  14
12月  1  0  1771  0  0  14
  1月  3  6  1690  0  1  14
  2月  3  1  1611  1  0  14
  3月  1  1  1780  0  0  14
 合計 12 13 20770  2  3 175




























  特養はたくさんの人が入所を希望して問い合わせも多い(20年度は62名の申し込みがあった)が、13名の退所(死亡退所は10名)では、1月に1人の入所ではこれらの希望に応えられない。今年の特徴は1月に6人もの人が亡くなったことである。ロータスヴィレッジでは、職員が経口摂取にこだわり、何としてでも口から食べさせることにプライドを以て食事介助を行っている。また口内清潔にもこだわりここ数年誤嚥性肺炎で入院する人が居ない。今年亡くなった人も「寿命がきた」という感じである。亡くなった最高齢は、女性が99歳、男性が92歳と長命であった。ただ、入院者が多い。1年間で31名の方が入院し延べ1099日にものぼる。結果としてベッドの稼働率が低下し、20年度は95%を割り込んだ。ベッドが1日3床空いていることになる。
 ケアハウスは死亡退所が1名、他施設入所が2名であった。この内1名から現状復帰費用が徴収できず、1名からは月づき費用を徴収している。こういうことが生じるので入所時に現状復帰費用を徴収出来るよう群馬県は認めて欲しい。元気で一人暮らしを希望している方は、ロータスヴィレッジのケアハウスはいかがでしょうか。3食が付いて家賃は0ゼロのケアハウスは日本にはほとんどない。無料で趣味の教室が受けられます。

 月 ショートステイ デイサービス デイ蓮花 在宅介護支援センター 居宅介護支援事業(介護給付) 訪問介護事業所
延べ利用人数 延べ利用人数 延べ利用人数 相談件数 ケアプラン作成数 派遣時間
4月  232  613  228   37   110   983.0
5月  229  646  217  44  108   880.0
6月  282  647  213  48  106   819.5
7月  285  670  213  51  105   829.0
8月  285  634  201  44  106   786.5
9月  281  623  211  38  112   684.5
10月  265  667  224  41  113   630.0
11月  306  613  182  34  106   557.5
12月  272  634  162  29  110   627.5
 1月  337  579  162  31  106   607.0
 2月  284  566  153  41  101   654.0
 3月   313   626  142  33  108   679.0
合計 3371 7518 2308 471 1291 8737.5






























 ショートステイ利用率は92%。急な利用に応えられる空きベッドをいつも確保している。 
 殖蓮デイサービス事業は1年を通してほぼ一定である。しかし、長期低落傾向に改善は見られない。
 デイサービス蓮花は激減である。困ったものである。定員10名のこじんまりしたデイなのでここは踏ん張りどころか。
 在宅介護支援センターは月40件位の相談が寄せられている。当施設では、相談は支援センターが窓口になりその後相談内容に応じて各ケアマネージャーや各部門に振り分けている。
 ケアプラン作成数は徐々に減っている。今が辛抱のしどころか。特定事業所集中減算対象事業所になっているので介護報酬は少ない。
 訪問介護は派遣時間が激減である。今年度は月平均730時間程度で事業としては収支均衡の域を脱しない。当施設では介護福祉士の資格取得者が12名中10名おり10%の割増介護報酬を頂いており、また施設長と事務職員の給与も払っていないので何とか採算にのっている。


 20年度の運営方針どおり運営が出来ただろうか。なかなか厳しい対応を迫られたこともあったが、介護技術向上の手助けになればと思って職員には研修に行ってもらっている。入所施設としての特養ホームと在宅サービスが連動し有って地域の老人が支えられると思う。しかし、最近の傾向として家族の介護力が落ち、高齢者専用賃貸住宅などの介護保険施設以外の施設に入所する老人が増えている。これらの施設はほとんどデイサービス事業を併設しているので、結果として当施設の在宅部門が落ち込んでいる。特別養護老人ホームには入所出来ないので割高な入所施設へと、家族の気持ちが傾くのもやむを得ない面もある。
 一番怖いのが、特別養護老人ホームを運営している社会福祉法人が在宅事業を廃止することである。当施設の今年度の訪問介護事業やデイサービス蓮花のように急激に事業が落ち込むことがあると「廃止」という二文字が脳裏をよぎることがある。入所部門だけ行って赤字を心配しないでのんびりと行いたいと思う法人があっても決して不思議ではない。実際に廃止した社会福祉法人もある。
 当施設程度の規模がちょうど良い。私は大規模多機能型施設と名付けている。大規模は決して悪くない。要は施設の運営の仕方だと思っている。良い介護ができるよう、地域を支えられるようくじけずに前向き指向で21年度も頑張っていきたい。


            
平成21年4月30日  小林 直行




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