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中澤直樹は金属を素材とし、力強く構造的な立体作品を制作している。寡作だが一つ一つの作品を大切に造る彼にとって今回が初めての個展となる。鉄を使った大作「城」を始めカフカの小説の名を持つ作品たちがひとつの世界をつくるインスタレーション。 中澤の作品は構造に特徴がある。前作では円をひとつの完結された形態として、それを反復させることで別のイメージを創りだし、またその反復構造そのものが作品を自立させる力となっていた。積み重なり、引き合い、高くなればなる程、自重で決して倒れることがない、終わりのない繰り返し。それは絶望的な輪廻のようであり、また、天を目指して延びるバベルの塔のようでもあった。 「変身」で有名なカフカは言葉を巧みに使いこなし、近現代社会の不条理とそこで生きる人間の内面を書き表した作家である。彼は小説を通してひとつのリアリティを実現し、その小説は手法と題材の両面から見ても20世紀を代表する作品である。 それらが中澤の手により21世紀に造形作品となって蘇った。カフカが残した21世紀への大きな課題を中澤が受け取った証なのである。中澤直樹、渾身の展覧会である
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3月4日(日)午後3時~ 同会場にて 入場料2,000円(ドリンク・フード付) 第1部 3時00分__スライドレクチャー:中澤直樹 自作を語る 第2部 4時30分__パフォーマンス:坂本弘道 チェロライヴ
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●企画・主催:アートハウス
●後援:企業メセナ群馬、桐生タイムス社、上毛新聞、群馬テレビ、エフエム群馬 ●協力:十三割鉄工、森村美術研究所、大風呂敷、NPOコミュニティ科学ネットワーク、 |
作家略歴: 1967年 群馬県生まれ 以上 |