NAOKI NAKAZAWA
SOLO EXHIBITION



一枚の鏡であるよりもむしろ進む時計であること


 中澤直樹は金属を素材とし、力強く構造的な立体作品を制作している。寡作だが一つ一つの作品を大切に造る彼にとって今回が初めての個展となる。鉄を使った大作「城」を始めカフカの小説の名を持つ作品たちがひとつの世界をつくるインスタレーション。

中澤の作品は構造に特徴がある。前作では円をひとつの完結された形態として、それを反復させることで別のイメージを創りだし、またその反復構造そのものが作品を自立させる力となっていた。積み重なり、引き合い、高くなればなる程、自重で決して倒れることがない、終わりのない繰り返し。それは絶望的な輪廻のようであり、また、天を目指して延びるバベルの塔のようでもあった。

「変身」で有名なカフカは言葉を巧みに使いこなし、近現代社会の不条理とそこで生きる人間の内面を書き表した作家である。彼は小説を通してひとつのリアリティを実現し、その小説は手法と題材の両面から見ても20世紀を代表する作品である。 

 それらが中澤の手により21世紀に造形作品となって蘇った。カフカが残した21世紀への大きな課題を中澤が受け取った証なのである。中澤直樹、渾身の展覧会である

会期:  2001年3月4日(日)_11日(日) (3月5日(月)休館)

会場:  有鄰館 煉瓦蔵(群馬県桐生市本町2-6-32) 会場地図

開場時間:午前11時_午後7時 (最終日午後3時まで)

出品作家:中澤直樹(なかざわなおき)

展示物: 鉄の立体作品、インスタレーション
       新作の「城」は高さ3.4メートル、延長59.5メートルにおよぶ大作。

オープニングレセプション:

 3月4日(日)午後3時~ 同会場にて 入場料2,000円(ドリンク・フード付)

  第1部 3時00分__スライドレクチャー:中澤直樹 自作を語る

  第2部 4時30分__パフォーマンス:坂本弘道 チェロライヴ

できるだけご予約ください
 下記までe-mail、FAXまたはハガキにてお名前、 お電話番号、
 お申し込み人数をご記入の上お申し込みください。


 予約・お問い合わせ:アートハウス 永野
 〒124-0011 東京都葛飾区四つ木4-20-18
 fax:027-325-6627
 e-mail:chieko@nagano.email.ne.jp

企画・主催:アートハウス

●後援:企業メセナ群馬、桐生タイムス社、上毛新聞、群馬テレビ、エフエム群馬

●協力:十三割鉄工、森村美術研究所、大風呂敷、NPOコミュニティ科学ネットワーク、
 ART WALK in 栃木、アートハウス友の会

●スタッフ:吉田富久一、渡辺孝行、永野智恵子


家略歴:

1967年 群馬県生まれ
1988年 Bゼミスクール 修了
1989年 Bゼミスクール Aゼミ 修了
1987年 Bゼミ展(横浜市民ギャラリー、神奈川)
1987年 第13回群馬青年美術展/奨励賞受賞(群馬県立近代美術館、群馬県)
1997年 群馬青年ビエンナーレユ97/奨励賞受賞(群馬県立近代美術館、群馬県)
1999年 メディアトランスファー:媒介するもの(金沢市民芸術村、石川県)

以上