ライブレポ
 No.166

2001年2月3日(土)
ONE KNIGHT in BOOGIE HOUSE
〜山崎まさよしファンクラブイベント Vol.2〜
渋谷公会堂

Special Thanks to タケちゃん


2001年2月3日、17時45分。

渋谷公会堂の前には、すでにたくさんの人が集まっていた。
この人たちみんな、まさやんのファンなんだ。
この人たちみんなが、まさやんに逢うために、まさやんの歌を聴くために、開場を待っているんだ。
そう思うと、とてつもなくドキドキしてきた。
私にとって、初めてのファンクラブイベント。


18時35分。いよいよ開演。
今日はいつものライブとは違って、隣は知らない人だから、緊張もいっそう高まる。
ベルが鳴り、ざわめきとともに幕が上がる。


・・・ん???
まさやんは・・・どこ?
そこは、誰かの部屋??

そして、次々にキャーー!!!という歓声があがり・・・私もやっとまさやんを見つけた!
なんと、その部屋の右奥のほうに置いてあるベッドに、まさやんが寝ていたのだ!
うわっまさやんの寝顔なんて、超スリリング!なんて思ったのは私だけだろうか・・・
どうやら、まさやんのお部屋という設定で、イベントは始まったらしい。
客席から、「まさやーーん!」「まーくん!」「起きてーー!」などと声がかかると、
向こう側に寝返りを打った。
目覚まし時計が鳴り、うつぶせになって、目覚ましを止める。
「6時半かぁ・・」
ベッドから起き出して、メガネをかけた!そして靴をはく。
実はメガネのまさやん、けっこう好き♪髪も短めで理知的な感じ?
まさやんの朝のいでたちは、上にグレーっぽい作務衣、下はカーゴパンツ。
靴はアディダスの、なんだろ、スーパースターかな?

よく覚えていないのだけど、まさやんのお部屋はというと・・・
右側にハンガーかけがあり、そこには赤いTシャツ(武道館で着てたやつ)と、パンツがかかっている。
その前には、ボクシングの練習で使う黒いラグビーボールみたいなのがついてるスタンドと、
通販でよく見る腹筋マシーンがある。
そしてその前にキーボード。右奥にベッド。
真ん中の一番後ろは掃き出し窓になってて、その前に冷蔵庫、その前に小さな丸テーブル。
左側は奥に玄関のドア、テレビ、手前にソファとテーブル、そしてステージ中央にマイク。
起きたまさやんに、客席から声がかかると、「近所のガキかな・・うるさいなぁ」笑いが起こる。

コーヒーをカップに注いで、「なんでコーヒーできてんのやろ」
テレビをつけたり消したり・・そしてソファに座る。
次に「腹へったなぁ・・」と冷蔵庫を開けると、「野菜生活」がぎっしり!
「やっぱこれかい!」
缶のを一本取って、「きれいに赤野菜もよろしく。」しっかりCMしてる。
そしてソファでタバコを吸う!
タバコの箱の放り方なども、いつものまさやん!(知っとんのか!)







さて、いよいよ、ソファでギターを手にして、1曲目!“Good morning”!
去年の夏の終わりの立川以来の・・・まさやんの生の歌声・・・シアワセ!
歌い終わると、「朝から声出てるなぁ〜!」と自画自賛?
次は“ある朝の写真”。
この歌聴くとどうもせつなくなって、早くも涙腺がアブナイが、なんとか持ちこたえる。
そして、「なんか食べたいなぁ。パンて感じやないしなぁ・・中華料理・・朝から食えるか!」と
ブツブツ言って、「セロリでも食うか!」そう、3曲目は“セロリ”。
ホント名曲よね!こんな曲作れるのはまさやんしかいないと思う。
第一“セロリ”ってタイトルからして・・
「セロリ、生っていうのもなんだから、ドレッシングでもかけるか!」
わぁーー!4曲目は“ドレッシング”だぁ!!!うれしい!!!
この洒落た感じのメロディー、一生懸命練習しても歌えない。難しい曲なんだよなぁ〜



歌い終わると、「お腹すいたなぁ。そうだ!タケになんか買って来てもらお!」
いや〜まさやんが「タケに」って言ったとき、ドッキーーーとしたわ!!!
思わず返事しそうに・・・?
テーブルの上の電話で、タケシくんに電話をかける。なんて言ってかけてたか忘れちゃったけど、
「カレークイック」頼んでた。懐かしいね、カレークイック。
「じゃ、頼むわ」と電話を置いたと同時に、ピンポーン!「早いな!」
玄関のドアを開けると、鬼のお面とカツラをかぶったタケシくんが岡持ち持って登場!
そうだ、今日は2月3日、節分だった!
まさやん、豆を思いっきり、タケシくんにぶつける。「鬼は〜外っ!」最後は枡ごと!
すっごく楽しそうに、子どもみたいに・・・本気でやってたね、あれは。
「イタイわ!」とタケシくん。

さて、ふたりソファに座り、タケシくんが
「野菜生活」「チャーミーマイルド」「マクセルのMDとCDR」を取り出す。お約束だね!
「食べ物は?」
「ちゃんと持って来ましたよ」と、タケシくんがビニール袋から取り出したものは・・

太巻き寿司。

「今日は節分だから・・」そして、節分の日の正しい太巻きの食べ方を教えるタケシくん。
まず、南南東の方角(今年の恵方)を向いて、食べる前にワハハ・・と笑ってから食べる。
食べ終わるまで口をきいてはいけない、とのこと。
「ではいきますよ!」ふたりいっしょに、南南東を向き、ワハハ・・と笑ってから、
パクッモグモグ・・
うふっカワイイ♪
その日の帰りに、仲間たちとこうやって太巻きを食べたのは言うまでもありません。


「この部屋でファンクラブイベントの打ち合わせをしましょう」とタケシくん。
「お客さんにリクエストしてもらった曲を、ここから選んでその場で歌うっていうのはどうかと思って。」と、抽選箱を取り出す。
「みなさん、山崎さんのなんの曲が聴きたいですか?」と、客席に呼びかけると、
「コインーーー!!!」「心拍数ーーー!!!」次々とリクエストが。
「タケ、オマエ誰と話しとんねん!?そこは壁や!」とまさやんが言うと、
「イヤ練習ですよ!」と言って、パントマイムで壁を演じるタケシくん。
ファンからのリクエストをメモった紙を抽選箱に入れ、さてそこからなんの曲が選ばれるのかな?


ジャジャーン!1曲目は“レインソング”!!!
もぉーーーさすがファンクラブイベント!うれしい選曲だぁーーー!!!
「じゃ、僕はあっちで聴いてますから」と、タケシくんは窓から飛び降りる。
「おいっ!ここは7階やっ!」
歌い終わったあと、まさやん曰く、この曲キャンプファイアーみたいで抵抗あったんだって。
キャンプファイアー?そうかな?そう言われてみたら?
さぁ、リクエスト2曲目は・・・「ロックいってみるか!」
“アレルギーの特効薬”!
途中の“What’d I say”のイェーー♪はもちろん、会場もいっしょに!
「空耳か?なんか声が聞こえたような・・・」なんて言ってた。
でもね、やっぱりこの曲は座っては聴けないって思った!
踊り狂いたかったよーーー

 


タケシくんが窓から戻ってくると、次はなんと!プレゼントコーナーとのこと!!!
ハンガーにかけてあった赤いTシャツをこの会場の中から1名に!
えーーー!欲っしーーーぃっ!!!
しかも当たった人は、ステージに上がって、まさやんとお話できるらしい!
まさやんが、「えっ?あれ?あれは俺が武道館で着たやつやないかぁ!」
「俺の汗が染み込んでるんやぁ!」
などと言うと、余計に欲しいやないかぁ!
そのとき、ほんの短い時間で、「まいったなぁ〜・・席が真ん中だから出て行くのに
迷惑かけちゃうな〜」とか、「歳聞かれたらどうしよう・・」なんてさまざまなこと
考えたのは、私だけではあるまい・・・

選ばれた超ラッキーなお方は、若い男の人でした。
「いいですねぇ〜!」と、隣の席のお姉さんとため息をつく。
この男性、大学院で神道を勉強しておられるとかで、またまさやんは「心頭滅却すれば・・」なんて
サブいギャグを言って、自分で「その『しんとう』ちゃう!」とツッコむ。
その時、まず「大学院」と聞いて、まさやんは、アメリカ人がよくやる肩をすくめるポーズ、
タケシくんは腹筋マシーンで腹筋!
「神道」と聞いて、まさやんは座り込んで地面になんか書いてる。
タケシくんは頭でボクシングのパンチング。
タケシくんに、「そっちのほうがいろんなものがあって面白い!ズルイ!」
なんてふてくされて言ってるまさやんもまた、カワイかった!


さて、ふたりがステージから去り、まさやんだけに。
ソファに座り、「みんな帰っちゃってつまらんなぁ。誰か遊びに来ないかなぁ」と言うと・・・・・・
なにやら聞き覚えのある、あの声が!


「こんにちは〜」(「ど〜も〜」だったかも)
あの声は!まさかね!誰かがモノマネしてるんだよね!?
うっそぉ!うそだよねぇ!
しかーーしっ!まさやんが玄関のドアを開けると、そこにはなんと、本物の、あの、

「井上陽水」がーーーーーーっ!!!

会場騒然!あの陽水さんがぁーーーーーーー!!!
うそみたい!陽水さんのシークレットライブに行ったり、陽水さんの番組で共演した
りして、親交を深めたのでしょうか?
陽水さん、「パチンコやってたんだけど、出なかったから・・」とのこと。
「渋谷を通りかかったら・・」と陽水さんが言うと、まさやん、「すいません、ここ下高井戸なんですけど・・・」
さて、興奮も冷めやらぬまま、豪華セッション!


1曲目は“夕立”。陽水さんの番組でまさやんが歌って、好評だったそうで。
余談ですが・・・うちのダンナは、常々、「山崎は『平成の陽水』って感じだね」って言ってたのです。
これにはいろんな意味で意義あり!の方もいると思うけど、独特の声と歌い方を持ち、
誰の曲を歌っても、自分の曲にしてしまう才能という点では、共通するものがあるかと思う。
陽水さんも、「山崎くんの曲みたいだね〜」って言ってた。
まさやんも、「俺の曲みたいやなぁ」って。


2曲目は“少年時代”。なんてきれいなメロディーなんでしょう。
2番の出だしで、まさやんちょっと間違えちゃったみたいだったけど、陽水さんが優しくフォロー。


そして、まさやんが「陽水さんの歌が聴きたい」って言って、陽水さんが“コーヒールンバ”を歌う。
まさやんが「しかしすごい声してはりますよね〜」って言うと、陽水さん「お互い様でしょ〜!」。
陽水さんは、まさやんのこと、実にギターに向いている手をしてるね、とか、高い声出るね〜
とか、褒めてくれました。えへっテレるぜ!(なんでアンタがっ) 

「陽水さんは、汚れてた時期ってあるんですか・・・?」みたいな話になって、そこからの話で、
「やっぱり芸能界に入ったらね〜俺は自由なミュージシャンだ!なんて言ってても、
ライブの日に今日は気分じゃないから帰る!とは言えないし、
意外に不自由なんだよね〜でも勉強になるけどね〜」みたいなことを言ってました。
う〜ん、なんか、この言葉、ちょっと印象的でした。
なにはともあれ、陽水さんとまさやんのセッションが聴けるなんて、本当に贅沢なイベントだわ!




陽水さんが、盛大な拍手の中帰って行くと、まさやん、「あ〜緊張した!」
さてお次はひとりでサンプリングタイム!
サンプラーを使って、「えったったこれだけ?」「え?もう3ヶ月?(笑)」なんていうセリフを、
リズムと振り付けつけて遊んでる。
「こうやって曲は作られていくんですよ・・・」へぇ〜面白い!
そしてそして、キーボードで、“ツバメ”を歌う。
私はまたもや、ちょっとぐっとくる。
出だしの、「霞の」の「か〜」で、もうダメなんだ・・・
そして、静かに“灯りを消す前に”のメロディーが流れ始め、まさやんはベッドに・・・
「えーーーいやーーー!」「起きてーーー!」と会場からの悲鳴。
まさやんが、小学生のときからの累計だという羊の数を数え始め・・・
とうとう幕が下りてしまう・・・
あっという間に終ってしまった、まさやんの一日・・・。


鳴り止まないみんなの拍手。
すると、再び幕が上がる!
中央のマイクのところに、作務衣を脱いだ、青いアディダスのTシャツ姿のまさやんが!

「今日はありがとう」

と言って、歌い始めたのは“アヒルちゃん”。
すっごくカッコいい曲だよね!この歌もまさやんの声じゃないと!
ハープ吹くとき、下向き加減で、メガネの目を上目遣いにして会場のほうを見るまさやん、
あまりにセクシーで卒倒しそう!

次は“週末には食事をしよう”。
あぁ〜キタぁ〜!もう気持ちの高まりは抑えられない〜!
ブルースっぽいメロディーもいいけど、歌詞も好き!ケナゲな男の人だなぁ・・・なんて思っちゃう。
それにしても、まさやんて、ホントに不思議な魅力を持った人だなぁ・・・。
ボッサぁ〜っとしてたり、ふらふら〜としてたかと思うと、次の瞬間には、鋭い目つきをしていたり、挑発するような表情をしていたり・・・
無意識なんだろうけど・・・・・って考えてると、

「どうなっても知らんでぇーーー!」
ダメ〜〜〜!!!まさやんのそういう言葉にめちゃくちゃ弱いの私!もうメロメロ(死語)!!
そして“パンを焼く”!
やっぱり、これ、サイコー!!!会場も一体となって、「しょうがな〜い!!!」そして早口言葉。
あぁ、やっぱり私は、まさやんの歌う姿が好きなんだなぁーーー・・・とつくづく思ってしまった。
やれ寝顔がスリリングだの、やれ食べる顔がカワイイだの言ってても、いろんな妄想炸裂してても(笑)・・・
やっぱり私は、歌ってるまさやんが好きなんだ。そう痛感した。

そして、“明日の風”。
もう、どうしようもなく、泣けてしまった。
やさしく、ていねいに歌うまさやん。
なんかね、まさやんの気持ちが伝わってきたような・・・勝手にそう感じただけかも
しれないけど、そんな気がした。

「ホントにありがとう」

まさやんがもう一度そう言って・・・幕が閉じる・・・
明かりがついても、アナウンスが流れても、私はなかなかそこを動くことができなかった・・・

まさやん、こちらこそ、ありがとう・・・

やっぱりまさやんが大好き。
サイン会はしてくれなくても、いっしょに写真は撮ってくれなくても(笑)、まさやんはちゃんと
ファンのこと、思ってくれてるんだ、って思った。
と同時に、私たちの想いは、まさやんに伝わっているのかな・・・とも思った。
もちろん、私たちは、ただまさやんの音楽が好きだから、勝手にCD買ったり、ライブに行ったりしているだけ。
想いをまさやんに伝える必要なんて、あるのかどうかわからない。
でも、まさやんの歌声のおかげで、癒されたり、元気をもらったり、明日からもがんばろう!って
思える人が、こんなにたくさんいるんだ、ってこと、少しでも知ってもらいたい・・・
そして、私自身、いつまでもまさやんのよきファンでありたい。改めてそう思った。

 



イベントが終って外に出ると、月が出ていた。
出口のところに、「宇宙〜」の仲間たちが集まっている。
先週も会った人、久しぶりの人、初めての人。学生、OL、主婦・・・
いろんな人がいるけど、ただひとつ、共通していることは、みんな、まさやんとまさやんの歌が、
大好きだっていうこと・・・

「行こうか!」
それぞれの、まさやんへの想いを胸に抱いて、私たちは賑わう渋谷の街に繰り出した。


   

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