ライブレポ No.97
Special Thanks to hyokoさん


1999年8月28日(土)
YMAC99
Yamazaki Masayoshi in Augusta Camp 1999

山梨 富士急ハイランドコニファーフォレスト
Special Guest:杏子・スガシカオ/Opening Act:COIL
open:14:30/start:16:30

ライブって色んな楽しみ方があると思います。
私にとって、今回2回参加したYMACのうち、札幌は音楽を楽しんだライブで、
そして今回の富士Qはまさやん という人 を味わったライブでした。
レポというより、エッセイです。エッセイなので、曲順も何もバラバラです。
でも少しでもライブの空気とライブを見たことのある人であれば、
その曲の時の想いを思い出してくれたら嬉しいです。


午後
4時半、ほぼ定刻どおりにライブがスタートしました。
ジャイアン社長の注意事項挨拶はちょっとお疲れ気味?そして、聞きなれて気持ちよく
なって来た、CIOLの演奏が終わり、まさやんが登場しました。

まさやんライブ開始直後、kumieちんが貸してくれようとした、オペラグラスを遠慮したのは、
例え、遠くても ステージのまさやんと自分との間に、何のフィルターも置きたくなかったから。
生のそこに存在しているまさやんを見ていたかったからです。

2曲目の xxしようよ。
あたりから、予感はありました。今日は私、
ちょっと壊れそうだなって。
私にとって、これが今年の夏の最後のライブであること。
札幌を経験し、そのすごさが少し想像出来たこと。
今回は、隣に同じ宇宙人のkumieちんがいたこと。
そんななんやかやを含めて、
今日はヤバイな、と。・・・案の定でした。
                            
名前のない鳥  名もない鳥でいい〜♪ 誰かが全部幻だと教えてくれたら〜♪ そう、
まさやんが歌った時、
ふぅぅっあ、あの人は本当にそこにいるんだ。そう思った。
この距離でステージの上で、彼のために集まった1万人を超える人の前で、それでも
名もない鳥でいい ってそう歌ってる。
そんな風に思ったら、まさやんの曲とまさやん自身と
それぞれの歌が作り出す風景とまじりあって、胸にせまって来た。
すでに感情がコントロールできなくなりそうでした。 

心拍数。
心拍数で、まさやんが弾くギター。あの
このごろはなんかちょっとどっか醒めている〜♪ のあとの
ジャッ
というギターの音。ジャラーンと引き降ろすのではなく、鋭く引き上げる音。まるで
何か束のようなものを鋭いナイフでザクッと切ったような そんな
ざらっとしたヒリヒリするような音。
それがまさやんの声と呼応してた。
まさやんの声はいつもどこかで震えを含んでる。
それが色んな
に聞こえる。

私には今日の心拍数はとても強く聞こえました。
札幌の時は 哀しい心拍数に聞こえたのに。 主人公は失望しながら、それでも捕まえようとしてる。
それが多少荒々しいやり方であれ、決して諦めようとはしない。
例え、もう遅いと知っていても。
・・そんな風に聞こえる心拍数でした。
2度目のどうにかなる程〜♪の最後の
長く、深く震えました。
それを聞いて崩れ落ちた。  たまらなかった。

  水のない水槽 は少し悲しく聞こえました。
閉じれない意識・締め付ける記憶・ふさがれた想い ・・
そんな胸につまってどこへもいかない気持ちを紡いだ言葉達は、
出口を探して吹き出して、そして声という音になってあの広い会場に
ふぅわぁ〜と広がってゆきました。
赤いライトに照らされて、まさやん 表情は見えなかったけれど、シルエットはくっきりと見えました。
少し猫背気味の背中のライン・軽く曲げた状態でゆっくりとリズムをとる足。
マイクと向き合う横顔。
ライトの中に立ち、あの歌詞、自分が紡いだ言葉を
歌うまさやんの気持ちはどんなだったか・・同じ場所と時間を共有しながら、
でも決して私にはわからないこと。
それがせつなくて、そしてまた胸をたたくんだよね。

月明かりに照らされて・・・一緒に見ていたkumieちんはこの曲が一番好き。
そして激しい曲なのに、悲しく聞こえる ってゆってた。
確かにメロディーも激しいし、サビの部分はすごく前向き。
・・でもkumieちんがいうのもわかる気がした。どこかせつない。
 もしかすると心拍数から続く・・という今回の曲順が新たな物語を作ってしまってたの
かもしれないけど。
サビの部分で、会場のほとんどが両手を前に差し出す。
一万人もの両手が自分の方へむかって差し出されるって 考えればすごいこと。
まさやんはどんな気持ちだろう。
私にとっては それは、まさやんへのお願いポーズ。
そこにいてね、迷わないでね って。
月は出ていなかった。
割れそうで割れない空の下、まさやんは本当に立ち向かうように
マイクの前に立っていました。

fatmamaはかっこいい曲。
そう思う。野外で開放された空間でワッと気持ちを投げ出して
"のる"と本当に気持ちいい。
思い思いに踊れる曲だって思います。まさやんが足の位置を動かさずに、
膝の屈伸であの速いテンポを刻んでいるのがかっこいい。
そして、一瞬息をつめて待つ・・
"よろしくお願いしま〜す"。
ブワッと会場中の大歓声。
みんな自分一人にに言われたみたいに聞こえただろうな。惚れるよな・・
私はそしてこの一言にさえ、 あ、まさやんそこに確かにいるんだって思って
泣きそうになったのでした fatmamaなのにね。

One more time One more chance。
プレイントロとでも言うべき、月キャベの中で聞いたことのあるメロディーをさりげなく、まさやんがつま弾くと、
それでなんの曲かわかる。
イントロで何の曲か初めてわかる人もいるだろうから、その前に あっと思って
耳をすますことが出来るのは幸せで贅沢かもしれない。
one moreが苦手に思える時があります。 あまりに完成されてて、曲も歌詞もこれぞ
バラードって言うくらいすごいから、かえって一歩引いてしまう・・って時があります。
ま、要するにひねくれてるんですが。
でも今日のOne moreはものすごく素直に聞き入ることが出来ました。
まさやんは変に力を入れず、むしろさらっと歌ってるような感じがしました。
自分の声の広がりや深さを分かってるからこそ、力なんか入れなくてもきちんと伝わる。

それはすごいこと。

あの 展開の部分が終わって、サビの繰り返し。 街を歩くまさやんの幻が見えました。
桜木町、今年 宇宙〜の企画で連れて行ってもらったあの路地を一人夜更けかあるいは
夜明け前にゆっくりと歩くまさやんの幻。
でも気がつけば、そこには一人のブルースマンがいるだけなんです。
会場中を震わせておいて、それを知ってか知らずか、スッと
静かにまさやんはマイクから間をはずしました。

僕はここにいる。
ななこっちのレポだったと思うけど、この曲の時、私はここにいるよ
ってそう思ったという言葉があって、すごく共感した覚えがあります。
そしていつも思うのは、 僕はここにいる って2つの取り方が出来るな ってこと。
 "僕はここにいるよ、気づいてよ"という叫びと ”僕はここにいるよ安心していいよ”っていうのと。
子供が親を見失ってを捜してる のと その子供に呼びかける親 と。
まさやんは 今、そこにいて、僕はここにいる♪ってそう歌っていました。私はあえて

ひねくれて解釈して、そして うんありがとう、そこにいてくれてるんだね ってそう思いました。
そろそろライブも終わろうとしている。 でもまだ一緒にいるんだって。
まだ夏休みだよって。
やっと気持ちを落ち着けることも出来るようになった頃。
空もゆっくりと夜になっていました。

そしてアンコール2回目、
福耳セッション。
楽しいトークとハッピーバースデーの後の、
のかけらを探しに行こう。
少し前からところどころの雲がきれ、その隙間からいくつかの星が見えてました。
曲が始まった時、"まさやん 星、出てるよ。星のかけらがあるよ。" とつぶやいてみました。
・・たぶんステージからはあの星、見えなかっただろうから。
私、曲の間はこっそりまさやんパートを口ずさんでました。
一緒におんなじパートを取るっていうちょっとした自己満足。

浴衣姿でまさやんがギターを持ち、マイクに向うその
アンバランスさのせいか、まさやんの存在が身近に感じられる気がして嬉しかった。
変に、すました豪華なステージ衣装より、
浴衣の方が、ずっとずっといい。
らしくていい。
素足なのかなぁ・・などと想像して、ちょっと照れたりして・・
☆かけの最後に観客とステージ上の三人でセッションをしました。
それはライブでしか聞けない音。

嬉しそうに手を振る杏子姉さん。

リラックスして見えた、まさやんとスガさん。
気持ちがホッと開放される気がしました。

ライブの終わりの花火。
−−−−−−−−やっとこ出て来た月はちょっと立場なかったかもしれません。−−−−−−−−
         
         * 
              *



              

 −−−−−−−−あまりに低いところにあった満月(本当は十六夜らしいけど)は−−−−−−−−
−−−−−−−−やはりステージの上からは見えなかったかもしれない。 −−−−−−−−

  でも
はその後、

夜中になるにつれ、

明るさと
白さを増し、

真夜中には
高く高く上っていました。







        / \

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                    

月を待ってた まさやん。ちゃんと見た?



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ともあれ、
まさやんとキタローさん山木さんゲンタさん それからスガさんと杏子姉さん
 COILの二人、すべてのスタッフに感謝します。

それから、スペシャルサンクス をkumieちん に。
壊れまくりの私を泣き笑いで見ててくれてありがとう。
あと、チケット譲ってくれた方、申し出て下さった方にも。
それから、読んでくれた方、感謝します。
あなたの行くライブがあふれんばかりの気持ちで埋まりますように。
何日かかけて書いたため、文章の感じが最初と最後で変わっているかもしれません。
 その辺、ご勘弁を。

<おまけ>
まさやんMCの追加 (詳しくは他の方々のレポをご参照下さい(^^))
・まさやんの第一声は
「あ"ぁ〜 」でした。
ちっちゃな声で おやじ〜 ってつっこんでみた。

・スガさんのFUJIYAMA話の時、サングラスネタをばらしたまさやんにスガさん わざわざ
立っていって、「なんで知ってるんだよ〜! そんなこと!」とゆって、頭をはたいておりました。
私の席からじゃ見えなかったけど、きっとまさやん、メチャいたずらな目をしてたんだろうな・・

・妖精といた夏の前には「もうちょっとなんだけどなあ・・いい具合にならないかな」 
みたいなことを言って、意味なくギターをポロポロ鳴らしてました。富士Qは開演時刻
が早かったから、まだ夕暮れになりきってなかったから・・待ってたのかな?


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