ライブレポ
 No.175



YAMAZAKI MASAYOSHI TOUR 2001-2002
-Transit Time-
’01.10.13(土)京都会館第一ホール


Special Thanks to おみさん


関西初日となった京都会館第1ホールは、サポートメンバーの交代や
ステージセットの変更(会館側の都合と思われる。守山では元通りだったんで)などのせいか、
妙な緊張感に包まれていた。客席はびっしり満員。
18:30の定刻を過ぎても始まる気配はない。

ステージの上にはゲンちゃんが使っていたコンガはなく、
四角い顔をしたカホーンが二つ、ドラムセットとキーボードの間に置かれている。
DJブースも当然なく、ステージの上はちょっと広々。
アメリカ南部の廃れた工場をイメージしていたのであろうむき出しの鉄骨のセットも、
星が映るはずのスクリーンもない。どんなライブになるんだろう?
初日を上回る緊張を・・・アタシが感じてどうすんねん!

定刻を15分ほど過ぎて暗いステージの上に白い影が現れる。
キャーと言うより、ウワーと言う感じの歓声の中、静かに静かに曲が始まる。
「タイム」ギターの音、まさやんの声。
会館の中に満ちていく空気。キタローさんがそしてタカさんが、ステージに上がる。
今日から4回(のはず)、このメンバーだ。どんな音が鳴るんだろう。

2曲目は「セロリ」♪う〜 がんばってみるよ やれるだけ 
この部分を先に一声叫んで曲に入る。
この一言に今日のすべての想いが込められていた、といったら言い過ぎかな?
3曲目は「サーカス」「盛り上がっていきましょう!」なんてMCが入る。
4曲目までは一気に行っていたのがこんなところで一言入れるなんて。
自分を奮い立てる一言だったのかもしれない。
続いて「Sleeping Butterfly」ドラムが、切れる。
福岡から変わったというアレンジも洗練された感じだ。

ここでMC。
「2日前から京都に入ってましてねえ。」
え〜?!という客席の声に「それは、どういうこと?」「どうやって答えたらいいん?」などと、
今日もとりとめのない話が続く。
服装は白地に紺?黒?の縦じまシャツ。下はカーキのスラックス。
これはねえ・・・どうかと思うんだわ。
Gパンのほうがいいんじゃないかと思うんですが、余計なお世話なんでしょうか?
靴は紺のニューバランス。

5曲目からはドラマチックパート。
インド風の音とかいう「水のない水槽」「心拍数」は息ができないほど。
「Super Suspicion」さびの部分のジャズのリズムが心地よい。

「愛のしくみ」に入る前には「野菜ジュースのテーマソングです」
「あのCM、子供が見る時間の番組でやってるんだって?(モグモグのことと思われる)でさ、
子供に『ほらあのチンパンジーの人』って言うのんはねえ。
競演ですから。僕がぬいぐるみ着てるんでもなんでもないんで。そこんとこよろしく」とのこと。
タカさんはカホーンに腰掛けて曲が始まるのを待っている。
キタローさんもベースを置いて小さなコンガ?をひざに抱えている。
この曲は6月9日の横浜でのシークレットライブのときにもタカさんとやっている。
カホーンの響きが暖かい空気を作り出している。。

次の曲に入ろうとしたときに客席から「ゲンちゃん大丈夫?」の声がかかった。
聞こえていないはずはないのだが無言でチューニングを続ける。
そこに追い討ちをかけるように「何でごまかすん?」
ステージの上の緊張した空気が、客席まで伝わる。一瞬の沈黙の後。
「えー、今日・・・ドラム! 沼澤尚! ベース! 中川ゲンタロー!」
ここでメンバー紹介する予定はなかったと思うけれど、ちゃんと照明もついていく。
答えようのない質問に、どうやって答えたらいいのか。
ゲンちゃんのことが気になるお客さんの気持ちもわかる。
でもそこにタカさんがいて今実際に演奏をしている。
無理を言ってスケジュールを空けてもらったことは容易に想像がつく。
その中でほんとに何を答えればいいんだろう。
そして、タカさんに対する敬意と、ゲンちゃんに対する敬意がこういう答えを呼んだんだと思う。
いろいろな感想を持つ人がいると思うけれど、私はこういう対応の仕方がベストだったと思う。
でも、この質問をした人。まさやんはあのときかなりつらかったと思うよ。

気持ちを切り替えて「晴れた日と月曜日は」
キタローさんのキーボードは相変わらずたどたどしいけど、
ニコニコしながら一生懸命弾いている姿がほほえましい。
かわいいメロディーと相まって、ほんとに幸せな気分になれる。
まったく聞いたことのないイントロから「僕はここにいる」まさやんの声が沁みていく・・・ 
曲後「シーンとしましたね」ってあんたがそうさせたんじゃないか!
でも確かに京都のお客さん全体に静かではあったな。
「ところで、「区役所」」・・・どこからこの「ところで」は出てくるんだ?
次は「低気圧ボーイ」去年のYMACのシーンが頭に浮かんでくる。
あちこちにフェイクも入ってなかなかおしゃれに仕上がっている。
でも、「夏のモノローグ」も聞きたかったなあ。

この後2曲続けて客席の感涙を絞る。
「コイン」「Passage」
余計なものをすべて殺ぎ落とした音楽に、吸い込まれていく。
集中。緊張。痛々しいほどでも、あった。

さあ、盛り上がりパート!
「食べたあとには歯を磨こう!」
は〜い!「ヌイチャイナシンドローム」は思いっきりロック!

そして!圧巻だったのが「Fat Mama」
世界のヌマザワの凄さがこの1曲でわかる。
アレンジも演奏も今まで聞いたものとはまったく違う。
真っ暗な中で書いたメモに一言。ドラムに魂持ってかれる!
次の「手をつなごう」はタカさんのドラムがオリジナルなわけで。
前半の変則クラップはまさやんが自らお手本をしめして、客席をリードする。
♪君が何かに〜 の部分はちょっとゆっくりめ。丁寧にやってる感じ。
「ガムシャラバタフライ」は17曲目。
「月明かりに照らされて」は、周りに反抗してただ一人
関東風の手振りをさせていただきました。
本編最後は「アイデンティティクライシス〜思春期の終わり〜」
これもCDでタカさんがドラムを担当している曲。
そして客席半分に割って♪わーわーわーわーわ と 
♪ふーふーふー のコーラスをさせる演出はいつも通り。
キタローさんがスケッチブックにいろいろ書いて客席をあおる。
「大」とか「男子も」とか。そのまま「空が落ちてくる」に入っていく。
コーラス歌うのに毎回必死になってしまうので歌詞が良くわからない。
英語、きれいに発音してるのに。ごめんね、まさやん。

開演前から「どうするんだろう?」って話題になっていたアンコール。
タカ子ちゃんは、見たいような、見たくないような・・・
やっぱ、そこまではやりませんでした。
ツアーTに着替えた3人がステージに座り込んでストリートライブ。
座談会、とも言っていたな。向かって左からタカさん、まさやん、キタローさん。
マイクのセッティングポジションとか出てきてからあれこれ直したりしましたが、
ギターと小さなパーカッションを抱えて、アグラかいて宴会ムード。
水で乾杯したりなんかして。
あ、天然パーマのときの「おせち料理」や
ドミノラウンドの「中華料理」を思い起こしていただければいいかと。

ほんとにただ単に3人でいろんなことしゃべってました。
長崎のライブ後のストリートライブのこととかも。
おまわりさん来た時にヌイチャイナやってて、あれは歌詞がやばいからね。
とか、投げ銭3万いくら入ったうち2万をもぎ取っていったのはこの男(キタローさん)です!とか。
タカさん大笑いしてました。(タカさんの親父笑い初めて聞いた。とは、かなめの弁。
この後どんどんイメージ崩れていきそうな気配を感じる)
で。「中華料理」キタローさんのボイスパーカッションが見事。
ほんとに何でもできるんだなあ、この人は。この曲で歌詞を間違えたのは珍しいのかな?

続いて「お家へ帰ろう」♪ふ〜ううう〜 のコーラスは客席もいっしょに楽しむ。
客席とほんとに近くて、視線も下がってるので最前列の人はかなーりおいしい状態だったのではないかと・・・ 
その上、キタローさんがお客さんにマイク差し出してコーラスを歌わせて。
最初にマイク差し出された人は「へっ?」って固まっちゃってたけど。
ストリートライブが終わると、エンディングへ。
♪フウフ フウフ のコーラスから入る「審判の日」メンバー紹介もきっちりやって。
実はこの日、最初に言うはずの「山崎まさよしです」はとんじゃってて、自分の名前は言ってないんだよねえ。
でもきっとそんなことすら気づかないほど緊張していた一日が、もうすぐ終わる。

「コーラスまかせた」
とキタローさんに言われた(書かれた)「Plastic Soul」左右に振られる手が美しい。
2階の後ろから眺める特権。まさやんのアコギとキタローさんのベース、
そしてタカさんのドラムの作り出すグルーブが全身を包む。
♪ラーラーラーラーラ まさやんのボーカルとハモる心地よさ。
ライブに参加している実感。今日の客席は鳴っていたでしょうか?

最後の最後に2度目のメンバー紹介。(あ、3回目になるのか。)
「ドラム!沼澤尚!ベイス!中村キタロー! そして、お客さーん!!」
「山崎まさよしでした!」 
客席に投げキスをして、ステージから消えていきました。
終演9:20
 お疲れさん まさやん これからも続くツアー、楽しんでください。

もどる