2002年1月17日。TTT渋谷公会堂2日目。
大感激のうちに幕を閉じた地元での公演から約2ヶ月が過ぎている。
あれからまキゲのお三人はどんなライブを重ねてきたのだろう。
またもや進化してたりして!?　初お目見えの曲はあるの?!　様々な期待を胸に、いざ東京へ!

 東京へ着き、まずはライブ前に腹ごしらえ♪ってことで四国うどんのお店へ!
そしてなんとっっ、メニューに「浦霞　大吟醸『雫酒』」の文字を発見!
こーなりゃライブ前祝いに頼むしかないでしょおーとばかりに注文し、
ひと口飲むと、ほーんのり甘くフルーティーな香り･･･でもノドごしすっきり!!
ぶっかけうどんを肴に、冷や酒を飲む女(^^;）。
これでライブへの充電完了!!　お腹もあったかくなって、はりきる私たちなのでありました。

渋谷公会堂はゆるやかな坂を上って区役所を越えたとこにあった。
イメージしていたものよりも小さく、そして古かった･････。
扉、イス、どれをとってもお世辞にもキレイとは言えず、
これが渋公だったの?!とア然としてしまう。もっと予算つけてくれ〜、渋谷区。
ほぼ開演ギリギリに着いて、ま、どーせ押すよね、などとタカをくくっていたら
6:30きっかりに客電が落ちた!

しずしずと暗いステージを中央へ向かって歩くまさやん。
立ち上がる人もいれば、座ってる人もいてお客さんの反応はさまざま。
静かに、『タイム』の前奏が流れ始める。
本日のまさやんの衣装はＶネック(!)の黒いＴシャツに裏パンフ４番の赤いシャツを羽織り、
下は割りに体にそったピタピタめのジーンズ。
ヒザを折ってリズムをとるたびに、ひざ小僧の形があらわに見えて、少しドキドキする(笑)。
続いてちょっとテンポアップしたリズムが始まると、客席に向かってまさやん「カウントよろしく!」
するとお客さん「ワン! ツー!　ワン・ツー・さん・はい!」って(笑)。
さすが山崎ファン、見事なもんです。
そのカウントから『パンを焼く』、ギターをエレキに持ちかえて『サーカス』、
イントロのコーラスがメチャかっこいい『Sleeping Butterfly』と続く。
今日のまさやんのうたごえ、ちょっと裏返って聴こえるけど??
カゼ？ 疲労？ それとも酒やけ？(^^;)　マイクの音も少々割れ気味な気が･･･。
そのかわり、と言ってはナンだけど、ゲンタさんのドラムの音がすごくクリア！
特に『サーカス』の出だし、スネアの音がめちゃ走ってた。

 ここで本日最初のMC。
「どーも。山崎まさよしです」といつものあいさつのあと、
ボーカルのマイク（or スピーカー？）の調子がやっぱりおかしいのか、
「ちょっとちょっと、ココ↓」と指差して、スタッフに知らせる手振りをしてました。
お客さんの「？」って様子に気づいたのか、「いや、別に何でもないんですけどね」と
やんわりと気をそらすセリフを言うあたり、気遣いの男だぜっ。

曲は静かに『水のない水槽』へ。
ゲンタさんのパラフォンと、キタローさんのパーカッションの音が相変わらず心地いい。
今回はじめて気づいたけど、この曲ってほとんどストロークで弾いてるんだあ･･･。なんか意外。
曲が終わると、間をあけることなくゲンタさんのバスドラが一定のリズムを刻みはじめる。
その音は、そう、まるで心臓の鼓動だ。曲はもちろん『心拍数』。
もうこのツアーでの『心拍数』は不動だね。
ずっと見続けたいアレンジ、ああ、ビデオかCDにならないかなァ･･････。
そしてエレキギターで『Super Suspicion』、アコギで『ステレオ』。
このときの『ステレオ』は、いつもの「カッティングで押しまくり、聴かせまくる」のではなく、
リズムもやや落としぎみで、ドラム・ベースの音もちゃんと聞こえるオトナなアレンジに
なっていました。これもまたいい味♪

再びMC。ローディーの人が、何やら見たことのない赤茶色の小さめのギターを
まさやんに渡す。ボディーも薄くて、かわいらしい。
何のギターだろ？N.Y.で買ったギターかな？と興味津々のワタシ。
後に判明したのですが、なーんとギブソンのエレ・ガットなんだって!!　ほ、欲し〜〜〜い!
このギターをチューニングしつつ、まさやんのしゃべりは「外国人のしゃべるニホンゴ」トークに･･･。
そしてバックに、エッフェル塔、凱旋門が映しだされて･･･
「(エッフェル塔の)上にはフランク・ザッパのろう人形がありマ〜ス」って、それは東京タワーですったら!!(笑)
そんなこんなで『ふたりでPARISへ行こう』へ。
キタローさんが背中を丸めて腰かけてピアニカを弾いてるよ!
もう気分はすっかりおフランスざます〜。キゲのコーラス♪ふーたーりーで〜〜〜♪も新しい!
キタローさんがピアニカからウーリッツァーに移り、ゆるやか〜にメロディを弾きはじめる。
曲は『晴れた日と月曜日は』。
この入り方でお客さんの手拍子がそがれた感じで、終始手拍子なしとなりました。
うーんやっぱり手拍子いらないみたい?
そしてゆったりとしたアレンジの『僕はここにいる』。
それが終わるとやさしいギターの音色が流れ出す･･･。
これってもしや?!　あ、『明日の風』だあ〜〜〜〜っっ!!!!!!!
このときはほぼギター１本で、歌詞のひとつひとつをていねいに、ていねいに、
とても心のこもった歌い方でした。やっぱりいい曲だぁ〜としみじみする私たち(涙)。

 感激のうちにMC。しぃーんとなる場内に、「えー、段々と重苦しい雰囲気になってまいりました･･･」
って自分で言うなぁっ(^^;)
「これもライブのだいご味ってことで、どんどんはまりたいと思います」
ええええ、ここまできたらどっぷりはまろーじゃないですかっ。
するとお客さんから「(衣装が)てんとう虫みた〜い!!」との声が。
「てんとう虫!･････てんとう虫と言えばですね、あれは一体どこからやってくるのでしょうか?」と
しばし部屋にやってくるてんとう虫について熱っぽく語る(笑)。

キゲの二人がいないステージで『ベンジャミン』を弾き語り。
久しぶりに聴くこの曲、季節感もぴったりで、
ひとりで部屋でてんとう虫とたわむれてるまさやんを想像したりして(^^;)
キゲ再びステージへ。イントロは『One more time, One more chance』!
サビからゲンタさんのドラムが重なるところなんか、すごく情熱的でよかった。

再びMC。「えー、昨年の暮れにですね、30歳になりまして･･･」と
三十路カミングアウツ(笑)のまさやん。
「この年になると体のあちこちに疾病があらわれてですね･･･」
"疾病"って!!あんた･･･(場内よりクスクス笑い)
まさやんも言葉につまったか、「････人間ドックにいきましょ〜〜〜〜〜!!」の
トートツなおたけびで始まった曲は『カルテ』!!
ステージバックには、赤いゼリーのような、マーブリングみたいな模様が渦を巻く。
バンドアレンジ、そしてエレキがいい感じに重みをプラスしてくれて、
めちゃカッコイイ〜〜〜!!　しびれるぅ!!
『Fat Mama』では♪グラマラスな♪からの歌詞がふっ飛んだらしく、
もう一回唄い直してました。唄い直せるのがこの曲のイイところ(笑)。
かっちょええエレキの音が続いて、何の曲かと思ったらなんと『昼休み』!!
このアレンジがすごい。ここまでやる!?って思うくらい大胆で、曲のイメージが全く変わってる。
「このノリについて来れるかー!!」となんだか試されている気がして、
私も必死でリズムをとりました。いやー、すごいよまキゲ。
そしてエレキソロじゃまさやんまた腕上げてるし。
一体この人のギターの腕はどこまで行くの!?　とどまるところを知らないよ。脱帽です。

 『ガムシャラバタフライ』、『月明かりに照らされて』とイケイケナンバーが続き、盛り上がる!
だけど、せっかくのとこでどーも音が割れちゃってる(><)　やっぱり予算つけようよ〜渋谷区!
本編ラストの『アイデンティティークライシス』まで、何だか今日のリストはすごいサクサク
こなされて、あッという間に終わっちゃった気がする。
MCも少なかったし、曲と曲との間があんまりあいてなかったのかなぁ?

　

そんなことを考えながら舞台を見つめていたけど、音の調整をしているのか
まキゲの３人はなかなかステージにあらわれない。
アンコールも拍手のみで、何だかバラバラな感じ。やっぱり東京のお客さんはクール?!
待つこと数分、神父＆シスターコスプレで３人登場!
ゲン子ちゃんのボイパで『長男』、『根無し草ラプソディー』とミスペラーズの技を披露!
またまた上手くなってるよ〜、この人たち。ゴスペラーズを追い抜く勢いだぁっ。
そして、『お家へ帰ろう』で予期せぬハプニングが!!
間奏をお客さんがコーラスするとき、まさやんがボーカルのマイクをぐるりと客席に向けたのです。
そのコーラスにあわせてのまさやんのハミングが、マイクを通さずにダイレクトに私たちの耳に届いたのでした。
まさに"生声"!!!!!!!!!!!
その声はかすかではありましたが、意外なほどクリアで、すうっとまっすぐに２階まで･･･
あまりの感激にもう鳥肌!!　ああ、東京まで来てヨカッタ･･･（T-T)
この日この瞬間を一生忘れないでしょう。

 ライブもいよいよ大詰め、まさやんのソロ・ハープが冴える!!
『審判の日』では、♪Judgement day〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪と声がメチャ出てる。
このどこまでも伸びていく声、聴いてるだけでワクワクする!!

ここまでで一旦ステージから下がる３人。
あれれ?と思っていたら、２回目のアンコールがあるみたい!
１回目と違って、待たすことなく３人登場。ゲンタさんがジャンベを抱えて座る。
キタローさんはパンディエロをヒザにのせて腰かける（またも丸める背中がかわいかったりする)。
そしてまさやんは、再びエレ・ガットを抱えている。
本当に本当に、最後の曲『Plastic Soul』。
ガットギターなだけに、フォルクローレ調で素朴な音がまた違った印象を与える。
最後はコーラス大合唱で、大盛り上がりのうちに終了。

  

長い長い86本のツアーも、残りあとわずか。
今日のライブ、浮き足立ってるときと、地に足がついてるときと
交互に訪れている印象だったけど、やっぱりみんな疲れているのかな?
そりゃ疲れるよねぇ、半年近くも旅を続けているんだもの!!
それにもかかわらず、常に進化し続け、見るごとに違うライブを演じてくれたまキゲの３人。
そのたぐい稀なる技術とチームワークは、何によっても崩れない強固なものであることを
渋公ライブで確認しました。

ライブ終了後、２階のロビーでは着々と打ち上げの準備が進められていた様子。
おいしいお酒を飲めたかな、まキゲの３人は?
このツアー終了後は、しっかりお休みして、
また新たな曲、新しい山崎まさよしに会えることを楽しみにしたいと思います!
どんな形であっても、山崎まさよしが紡ぎ出す音を、心から信じて―――。

サンキュー＆ブラボー、そしてお疲れさまでした、まキゲ!!

 Jan/2002　梅子