乳用育成牛に発生した鞭虫症

1998年3月から放牧を開始した1乳用育成牧場において、5月中旬より下痢が多発し、そのうちの1頭が起立不能に陥り予後不良として廃用となりました。

病理解剖所見では胸腔、腹腔臓器においては著変はみられなかったものの、盲腸粘膜面に鞭虫と思われる寄生虫が多数認められ、糞便内虫卵数は鞭虫卵を含めて2300(EPG)でした。糞便瓦培養での線虫同定は他機関に依頼中です。

現在、放牧牛全頭に駆虫剤投与を実施するとともに、糞便検査を継続実施しています。その結果、鞭虫を含む一般線虫卵の減少はみられたものの、コクシジウムのOPG(2500〜10000)の増加が顕著にみられ、今後は内寄生虫対策も含めた放牧衛生管理体制の必要性を痛感しました。

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