獣医畜産新報、737、5〜9(1982)

小型ピロプラズマ感染放牧牛の生化学的所見を経時的に観察した。

赤血球数、ヘモグロビン、赤血球容積および赤血球平均恒数は原虫寄生度が最高に達した入牧1〜2ヵ月目をピークとした変動を示した。

血清総蛋白質、γーグロブリン濃度は入牧3ヵ月目まで急激な増加を示し、これとともにアルブミン・グロブリン比の低下が観察された。

尿素態窒素濃度は放牧初期に減少し後期に増加が認められた。

11ーOHCSは入牧時に上昇した。

血糖、総コレステロール、リン脂質は放牧期間中、入牧前の値に比較すると有意な低値で推移し、遊離脂肪酸は入牧直後〜3ヵ月目にかけて有意な増加を示した。

第1胃内揮発性脂肪酸総量は放牧初期にやや減少した。

以上の所見から、放牧初期の低栄養状態が小型ピロプラズマ原虫の増殖を促進していると推察され、放牧初期〜中期にかけての貧血が低栄養状態を長期にわたって助長しているものと考えられた。

放牧病へ