日本獣医師会雑誌、43、181〜184(1990)

野外で発生した肝障害牛に対し、発症前を中心に1年間の経時的な臨床生化学所見の観察を実施した。

供試牛は肝障害発生時は18カ月齢のホルスタイン種乳用育成牛であり、臨床所見は黄疸、タール状下痢、元気消失等であった。

血液所見は発生時にGOT、γーGTP、ALP活性とビリルビン濃度は著しい増加がみられたが、GOT活性とビリルビン濃度は髪症直後から急速に減少した。

血清過酸化脂質濃度は発生10カ月前に著しい増加がみられたが、発生8カ月前には減少した。

発症牛の血清脂肪酸組成では発症6カ月前から発症時にかけてミリスチン酸、パルミチン酸の増加がみられ、ステアリン酸の低下が認められた。

 

過酸化脂質へ