ダブル・トリプル 音域の広いオカリーナ


オカリーナは音域が狭いです。12穴13音(幹音)が主流ですが、制作の容易い11穴10穴も販売されています。
「もっと広い音域が欲しい」とは、愛好者の願いでありますが、閉管楽器のため思うに任せません。
そんな状況下に、頑張って音域を広げたオカリーナをご紹介します。



二連(ダブル)オカリーナ

ひとつのオカリーナで音域を広げるには限度があります。
そこで、音域を広げる苦肉の策として、2本くっつけたのが二連オカリーナです。当然 吹き口も2つ有り、パンフルートのように左右を行ったり来たりします。

しかし、音域の異なるオカリーナを、複数本並べてくっつけた形状の多連オカリーナは、それぞれの管が必要とする息の強さ・スピードが異なるため、 低音部管から中音部管へ移行するとき、ピッチコントロールが難しく、 また、同じ粘土で制作しても音質が異なるという欠点が有ります。


日本製 アケタC管ダブレット
制作販売は、既に中止されました。
いつ頃から制作販売されたのか? また、いつ制作中止され、最終販売価格はいくらだったのか? 不明です。
アケタオカリーナ創始者 明田川孝氏(1909−1958)著の「オカリーナの本 習い方と練習曲」レル民族楽器研究所編 には、ダブレットの記述があります。第1刷発行が昭和33年10月25日、氏が亡くなったのが1958年(昭和33年)8月ですので、氏存命中に制作・販売されていたということになります。
「1970.10.1 改訂」と記載された価格表によると、14Cダブレットは4,000円、M5C管1,800円、マエストロT.5C管2,700円 でした。

指穴16穴で音域は、下の「ソ」から 2オクターブ+3音、上の上の「ド」まで

ダブレットの運指表上は、上記の音域ですが、明田川孝氏著の「オカリーナの本」によりますと、 「倍音が使えるのでミまでの音域 2オクターブ+5音」と記載がありました。 管理人が試しましたら、倍音利用でもう一音 ファまで出ました。つまり管理人のC管ダブレットは、3オクターブ−1音 出ます。
しかし、倍音のピッチは息のコントロールのみで合わせるため非常に不安定であり、ましてや演奏中に正確なピッチの音を出すのは難しく、倍音で3音も出せたとしても、演奏に利用されることはあまりないと思われます。

表側に14の指穴
裏側は穴4個=2つは歌口、2つは指穴


韓国製 マパラムダブルオカリーナ
下でご紹介している三連オカリーナ制作技術で作り上げられたマパラムオカリナの二連オカリーナ
三連制作のために開発された以下の特徴があります。

低音部管から中音部管へ音階が移動する時、隣り合う低音部管最高音と中音部管最低音を、自然な息の強め方で正確なピッチに合わせることを、 中音部管の表裏に調整穴を設けることで可能にしています。(先端に設けられた表側の調整穴は、倍音を出して音域をさらに拡張することにも利用出来る。)
また、ホールドを安定させ、運指をスムーズに行うため、楽器裏側の親指で押さえる指穴は、低音部管(左手)にのみ設け、中音部管は人差し指のダブルホールに替えられています。

指穴16穴で音域は、下の「ラ」から 2オクターブ+2音、上の上の「ド」まで
表側に穴16個=15の指穴と1つの調整穴
裏側は穴4個=2つの歌口、1つの指穴、1つの調整穴
お値段=ダブルアルトC 10Holesの価格(22.8.23現在)=26,500円
      ダブルソプラノF   〃    23,500円

大きさの比較
重さ アケタダブレット=421g   マパラムダブル=241g
長さ アケタダブレット=20.8cm マパラムダブル=15cm

※オカリーナは、手作りの焼きものゆえに、サイズには個体差があります。

加々美オカリナ5Cダブル管 21,000円(22.8.23現在)
 16穴 下のラから2オクターブ+2音 

加々美オカリナ10Fダブル管 31,500円
その他のダブルオカリーナ(22.8.23現在)
日本製 ティアーモダブルオカリーナ 63,000円
韓国製 Nobleダブルオカリナ 120ドル
韓国製 Osawa Nobleダブル 10Holesの販売価格=68,250円

「Osawa Noble」 とは、Nobleダブルオカリナの中から大沢聡氏が特別に選別したものですが、機能・制作コンセプトは全く同じだそうです。 (Nobleホームページより)
現在、お手頃価格の 「Nobleダブルオカリナ」 は、国内販売されておりません。欲しい方は、ノーブルネットショッピングへどうぞ
Osawa Ocarina ACダブレット 77,700円

別タイプ ダブルオカリーナ 



日本製 ひぐらしオカリナ オリジナルダブル


通常、ダブルオカリーナは、オカリーナ本体の右手側に、さらに高音部の音域を受け持つ小型オカリーナを接着した形だが、これは、発想を変えて  左手側に高音部オカリーナを接着したタイプである。
音域は、2オクターブ+1音、上の「シ」まで。

右手を、そのまま平行移動して高音部のトーンホールを押さえるタイプと異なり、 逆手で構えていた左手の手首を、手前に回して高音部のトーンホールを押さえるため、スムーズな運指をするには練習が必要。
お値段=ひぐらしオカリナ二層(ダブル)
H・C(ソプラノC管)、H・G(ソプラノG管)、H・F(ソプラノF管)29,000円
M・C(アルトC管)39,000円

なお、ひぐらしオカリナは、右手側に高音部を接着した通常タイプのダブルオカリーナも製造販売しています。
H・C(ソプラノC管)、H・G(ソプラノG管)、H・F(ソプラノF管)29,000円
M・C(アルトC管)39,000円、M・G(アルトG管)53,000円他

ひぐらしオカリナ研究所 代表 鈴木のぼる 
TEL&FAX 047−386−5626


三連(トリプル)オカリーナ


日本製 イカロスオカリーナ
オカリーナを2つくっつけた構造の二連オカリーナが、日本でも外国でも 既に制作販売されておりましたので、3つくっつけた三連オカリーナという発想は、 新しいアイディアという訳ではありません。過去に作られた可能性もありますが、現存していないようです。
イカロスは、制作者がオカリーナ専業でないため、制作個数が少なく手に入れるのは難しいです。他にも国内で制作している人がいるらしいですが、 広く市販するには至っておりません。

指穴21穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ−1音、上の上の「ソ」まで
表側に19の指穴、
裏側は穴7つ=3つの歌口、2つの指穴、2つの調整穴


韓国製 マパラムトリプルオカリーナ
イカロスに触発された韓国オカリーナ愛好者の手により制作、市販されている三連トリプルオカリーナ
この愛好者は、ネット上でイカロスを知り、独学で作り上げたため、イカロスとは様々な違いがあります。

主な特徴は、マパラムダブルオカリーナの項目をご覧下さい。
表側に 中音部管には6つ、高音部管には5つ 穴があいておりますが、先端にあいている穴は、必要な息の強さと音質調整のためにあけられた調整穴です。 裏側の先端より少し内側に開けられた穴も、同様な目的で開けられた調整穴です。

指穴20穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ−1音、上の上の「ソ」まで
表側に穴21=19の指穴、2つの調整穴
裏側に穴6つ=3つの歌口、1つの指穴、2つの調整穴
お値段= 10Holesの価格(22.8.23現在)=48,500円


韓国製 Noble(ノーブル)トリプルオカリーナ
マパラムに続き、韓国のオカリーナメーカーにより制作された三連トリプルオカリーナ

指穴22穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ−1音、上の上の「ソ」まで
表側に穴21=19の指穴、3つの調整穴
裏側に穴8つ=3つの歌口、2つの指穴、3つの調整穴
お値段 300$ 現在、国内販売されておりません。欲しい方は、ノーブルネットショッピングへどうぞ
韓国製 Osawa Nobleトリプル 78,750円


アメリカ製 STLトリプルオカリーナ(プラスチック製)

ついに出ました、プラスチック製トリプルオカリーナ
買って試したくても、お値段高くて、手が届きませんでしたね。お財布にやさしいこれならOKでしょう。

指穴21穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ、上の上の「ラ」まで
プラスチックのくせに音域は一番広いのです、驚き!!
プラだから もちろん軽い!
重さ=175g 重さ比較は下をご覧ください。

表側に穴20=20の指穴
裏側に穴6つ=3つの歌口、1つの指穴、2つの調整穴
22年8月23日現在価格 9,000円

お取り扱いは10Holes


大きさの比較
重さと長さ
イカロス=249g  15.5cm
マパラム=273g  15.3cm
ノーブル=390g  15.8cm
STLプラスチックトリプル=175g 14.0cm

※オカリーナは、手作りの焼きものゆえに、サイズには個体差があります。

<イカロス>吹き口の幅=3.1cm
3つの吹き口が近接しているため、複数の音を一遍に出すには便利。

<マパラム>吹き口の幅=4.1cm
適度に離れているので 2つの吹き口から息を吹き入れてしまうという失敗が少ない。
複数の音を一遍に出してみようという人は、大口を開けなくてはならない。

<ノーブル>吹き口の幅=3.8cm
マパラム同様、それぞれの吹き口が離れているので、誤って不要な音を出してしまうという失敗が少ないが、音域の移動ための口の左右への移動が忙しい。

2つ或いは3つの音を出すことが可能です。しかし、音によって息の強さ・スピードを変えなくてはならないオカリーナは、 単一の息で和音を出そうとしても無理があります。
耳障りにならない程度に合う音の組み合わせを探し、演奏曲の冒頭や最後にジャーン♪というのは、 演奏が格調高くなるようで楽しいと思います。
その他のトリプルオカリーナ(22.8.23現在)
日本製 ひぐらしオカリナトリプル H・F(ソプラノF管)45,000円、M・C(アルトC管)60,000円、M・G(アルトG管)80,000円他
日本製 加々美トリプルオカリナ(5C)31,500円
Osawa Ocarina ACトリプレット 100,000円〜120,000円(仕上げ等による)



<管理人から一言>
12穴オカリーナでは音域が足りなくて演奏出来ずにいた曲が、ダブル・トリプルを利用すれば 演奏できます。
それは、オカリーナ愛好者にとって、夢のようなお話なのですが、現実には下記の点を認識する必要があります。

ダブル・トリプルは音域が広がっておりますが、それは、「鍵盤数が増えて、演奏に使える音が増えたピアノ」 と同様には考えられません。 ピアノの場合、鍵盤数が増減しても、演奏するという作業になんら変わりはありません。 しかし、オカリーナの場合は、演奏作業に変化が生じ、難易度が増します。

ダブル・トリプルは、音域が広がった分、口と手を左右にスライドさせて、演奏します。
口が、ひとつの吹き口をくわえっぱなしの12穴オカリーナは、口も楽器のホールドをしています。 吹く口が複数のため、演奏に伴い口を左右に移動させなくてはならないダブル・トリプルは、それが出来ませんから、口で支える分も、手でしっかりホールドしなくてはなりません。 手も、右手(ひぐらしダブルの場合は左手)は行ったり来たりと移動します。左手はトーンホール(指穴)から指が離れていることが多いです。

さぁ、楽器の支えはどうしましょうか!?
楽器がグラグラしていては、手が移動した時にトーンホールを塞ぎ損ないます。 口も手もなめらかに移動しませんと、音楽が断絶してしまいます。 口の移動と、手の移動、楽器全体のホールド、それがしっかり出来ませんと、せっかくの広い音域を利用した なめらかで美しい演奏は出来ないのです。楽器は何であれ、やるのは<音楽>だということを、忘れてはいけないと思います。

ダブル・トリプルには、先ず基本的な12穴オカリーナに習熟して、それから挑戦することをお薦めします。
まだ習熟していないうちに飛びついた結果、うまく扱えなかったら、それは演奏者の技術レベルの問題であり、楽器に罪は無いということです。

上記をクリアして、ダブル・トリプルにより 皆さんのオカリーナライフがより充実したものとなりますように!
制作者の皆さんには、「楽器に罪は無い!」と言える良い楽器の制作をお願い致します。

もう一つ 大事なこと。
それは、あなたが演奏したい曲は、ダブル・トリプルでなくては 演奏出来ないのか?
移調して12穴の音域に納まる曲。調の異なる複数のオカリーナを持ちかえて演奏出来る曲は、高価なダブル、トリプルを使用する必要はない事を申し添えます。

【18.10.21 オカリーナほうむぺえじ管理人】
【19.3.31 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】加々美ダブル
【19.7.14 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】ひぐらしダブル
【20.8.8 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】ノーブルトリプル
【22.9.4 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】プラスチックトリプル

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