ダブル・トリプル 音域の広いオカリーナ


オカリーナは音域が狭いです。12穴13音(幹音)が主流ですが、制作の容易い11穴10穴も販売されています。
「もっと広い音域が欲しい」とは、愛好者の願いでありますが、閉管楽器のため思うに任せません。
そんな状況下に、頑張って音域を広げたオカリーナをご紹介します。



欲しい方のために、先ずお値段です。お安くありませんよ、当然ですが・・・。
ダブル管 名称
種類
H25年11月
調査価格
H22年5月
調査価格
オカリナ工房 かがみ 5Cダブル管
ダブル21,000円 21,000円
韓国製マパラム ダブルAC
ダブル未確認 26,250円
ひぐらしオカリナ M・C オリジナルダブル
ダブル39,000円 39,000円
ひぐらしオカリナ M・C 右ダブル
ダブル40,000円 40,000円
ティアーモ ダブル アルトC
ダブル63,000円 60,000円
韓国製OsawaNoble ダブル アルトC
ダブル65,000円 67,000円
Osawa Ocarina ACダブレット
ダブル74,000円 77,700円
ティアーモ Faenza(ファエンツァ)ダブルC管
ダブル未確認 236,250円

トリプル管 名称
種類
H25年11月
調査価格
H22年5月
調査価格
アメリカ製STL プラスチックトリプル
トリプル8,000円 9,000円
イカロスオカリナ トリプル アルトC
トリプル28,000円
オカリナ工房 かがみ 5Cトリプル管
トリプル31,500円 31,500円
韓国製マパラム トリプル
トリプル未確認 47,250円
ひぐらしオカリナ M・Cトリプル
トリプル60,000円 60,000円
韓国製OsawaNoble トリプル
トリプル未確認 78,750円
Osawa Ocarina ACトリプレット
トリプル80,000円〜120,000円
仕上げによる
100,000円〜120,000円
仕上げによる


二連(ダブル)オカリーナ

ひとつのオカリーナで音域を広げるには限度があります。
そこで、音域を広げる苦肉の策として、2本くっつけたのが二連オカリーナです。当然 吹き口も2つ有り、パンフルートのように左右を行ったり来たりします。

しかし、音域の異なるオカリーナを、複数本並べてくっつけた形状の多連オカリーナは、それぞれの管が必要とする息の強さ・スピードが異なるため、 低音部管から中音部管へ移行するとき、ピッチコントロールが難しく、 また、同じ粘土で制作しても音質が異なるという欠点が有ります。


日本製 アケタC管ダブレット
制作販売は、既に中止されました。
いつ頃から制作販売されたのか? また、いつ制作中止され、最終販売価格はいくらだったのか? 不明です。
アケタオカリーナ創始者 明田川孝氏(1909−1958)著の「オカリーナの本 習い方と練習曲」レル民族楽器研究所編 には、ダブレットの記述があります。第1刷発行が昭和33年10月25日、氏が亡くなったのが1958年(昭和33年)8月ですので、氏存命中に制作・販売されていたということになります。
「1970.10.1 改訂」と記載された価格表によると、14Cダブレットは4,000円、M5C管1,800円、マエストロT.5C管2,700円 でした。

指穴16穴で音域は、下の「ソ」から 2オクターブ+3音、上の上の「ド」まで

ダブレットの運指表上は、上記の音域ですが、明田川孝氏著の「オカリーナの本」によりますと、 「倍音が使えるのでミまでの音域 2オクターブ+5音」と記載がありました。 管理人が試しましたら、倍音利用でもう一音 ファまで出ました。つまり管理人のC管ダブレットは、3オクターブ−1音 出ます。
しかし、倍音のピッチは息のコントロールのみで合わせるため非常に不安定であり、ましてや演奏中に正確なピッチの音を出すのは難しく、倍音で3音も出せたとしても、演奏に利用されることはあまりないと思われます。

表側に14の指穴
裏側は穴4個=2つは歌口、2つは指穴


韓国製 マパラムダブルオカリーナ
下でご紹介している三連オカリーナ制作技術で作り上げられたマパラムオカリナの二連オカリーナ
三連制作のために開発された以下の特徴があります。

低音部管から中音部管へ音階が移動する時、隣り合う低音部管最高音と中音部管最低音を、自然な息の強め方で正確なピッチに合わせることを、 中音部管の表裏に調整穴を設けることで可能にしています。(先端に設けられた表側の調整穴は、倍音を出して音域をさらに拡張することにも利用出来る。)
また、ホールドを安定させ、運指をスムーズに行うため、楽器裏側の親指で押さえる指穴は、低音部管(左手)にのみ設け、中音部管は人差し指のダブルホールに替えられています。

指穴16穴で音域は、下の「ラ」から 2オクターブ+2音、上の上の「ド」まで
表側に穴16個=15の指穴と1つの調整穴
裏側は穴4個=2つの歌口、1つの指穴、1つの調整穴

大きさの比較
重さ アケタダブレット=421g   マパラムダブル=241g
長さ アケタダブレット=20.8cm マパラムダブル=15cm

※オカリーナは、手作りの焼きものゆえに、サイズには個体差があります。

加々美オカリナ5Cダブル管
 16穴 下のラから2オクターブ+2音
その他のダブルオカリーナ(22.8.23現在)
日本製 ティアーモダブルオカリーナ 
韓国製 Nobleダブルオカリナ
韓国製 Osawa Nobleダブル
Osawa Ocarina ACダブレット

別タイプ ダブルオカリーナ 



日本製 ひぐらしオカリナ オリジナルダブル


通常、ダブルオカリーナは、オカリーナ本体の右手側に、さらに高音部の音域を受け持つ小型オカリーナを接着した形だが、これは、発想を変えて  左手側に高音部オカリーナを接着したタイプである。
音域は、2オクターブ+1音、上の「シ」まで。

右手を、そのまま平行移動して高音部のトーンホールを押さえるタイプと異なり、 逆手で構えていた左手の手首を、手前に回して高音部のトーンホールを押さえるため、スムーズな運指をするには練習が必要。


なお、ひぐらしオカリナは、右手側に高音部を接着した通常タイプのダブルオカリーナも製造販売しています。


ひぐらしオカリナ研究所 代表 鈴木のぼる 
TEL&FAX 047−386−5626


三連(トリプル)オカリーナ


日本製 イカロスオカリーナ
オカリーナを2つくっつけた構造の二連オカリーナが、日本でも外国でも 既に制作販売されておりましたので、3つくっつけた三連オカリーナという発想は、 新しいアイディアという訳ではありません。過去に作られた可能性もありますが、現存していないようです。
イカロスは、制作者がオカリーナ専業でないため、制作個数が少なく手に入れるのは難しいです。他にも国内で制作している人がいるらしいですが、 広く市販するには至っておりません。

指穴21穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ−1音、上の上の「ソ」まで
表側に19の指穴、
裏側は穴7つ=3つの歌口、2つの指穴、2つの調整穴


韓国製 マパラムトリプルオカリーナ
イカロスに触発された韓国オカリーナ愛好者の手により制作、市販されている三連トリプルオカリーナ
この愛好者は、ネット上でイカロスを知り、独学で作り上げたため、イカロスとは様々な違いがあります。

主な特徴は、マパラムダブルオカリーナの項目をご覧下さい。
表側に 中音部管には6つ、高音部管には5つ 穴があいておりますが、先端にあいている穴は、必要な息の強さと音質調整のためにあけられた調整穴です。 裏側の先端より少し内側に開けられた穴も、同様な目的で開けられた調整穴です。

指穴20穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ−1音、上の上の「ソ」まで
表側に穴21=19の指穴、2つの調整穴
裏側に穴6つ=3つの歌口、1つの指穴、2つの調整穴


韓国製 Noble(ノーブル)トリプルオカリーナ
マパラムに続き、韓国のオカリーナメーカーにより制作された三連トリプルオカリーナ

指穴22穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ−1音、上の上の「ソ」まで
表側に穴21=19の指穴、3つの調整穴
裏側に穴8つ=3つの歌口、2つの指穴、3つの調整穴



アメリカ製 STLトリプルオカリーナ(プラスチック製)

ついに出ました、プラスチック製トリプルオカリーナ
買って試したくても、お値段高くて、手が届きませんでしたね。お財布にやさしいこれならOKでしょう。

指穴21穴で音域は、下の「ラ」から 3オクターブ、上の上の「ラ」まで
プラスチックのくせに音域は一番広いのです、驚き!!
プラだから もちろん軽い!
重さ=175g 重さ比較は下をご覧ください。

表側に穴20=20の指穴
裏側に穴6つ=3つの歌口、1つの指穴、2つの調整穴

お取り扱いは10Holes


大きさの比較
重さと長さ
イカロス=249g  15.5cm
マパラム=273g  15.3cm
ノーブル=390g  15.8cm
STLプラスチックトリプル=175g 14.0cm

※オカリーナは、手作りの焼きものゆえに、サイズには個体差があります。

<イカロス>吹き口の幅=3.1cm
3つの吹き口が近接しているため、複数の音を一遍に出すには便利。

<マパラム>吹き口の幅=4.1cm
適度に離れているので 2つの吹き口から息を吹き入れてしまうという失敗が少ない。
複数の音を一遍に出してみようという人は、大口を開けなくてはならない。

<ノーブル>吹き口の幅=3.8cm
マパラム同様、それぞれの吹き口が離れているので、誤って不要な音を出してしまうという失敗が少ないが、音域の移動ための口の左右への移動が忙しい。

2つ或いは3つの音を出すことが可能です。しかし、音によって息の強さ・スピードを変えなくてはならないオカリーナは、 単一の息で和音を出そうとしても無理があります。
耳障りにならない程度に合う音の組み合わせを探し、演奏曲の冒頭や最後にジャーン♪というのは、 演奏が格調高くなるようで楽しいと思います。
その他のトリプルオカリーナ(22.8.23現在)
日本製 ひぐらしオカリナトリプル
日本製 加々美トリプルオカリナ(5C)
Osawa Ocarina ACトリプレット



<管理人から一言>
12穴オカリーナでは音域が足りなくて演奏出来ずにいた曲が、ダブル・トリプルを利用すれば 演奏できます。
それは、オカリーナ愛好者にとって、夢のようなお話なのですが、現実には下記の点を認識する必要があります。

ダブル・トリプルは音域が広がっておりますが、それは、「鍵盤数が増えて、演奏に使える音が増えたピアノ」 と同様には考えられません。 ピアノの場合、鍵盤数が増減しても、演奏するという作業になんら変わりはありません。 しかし、オカリーナの場合は、演奏作業に変化が生じ、難易度が増します。

ダブル・トリプルは、音域が広がった分、口と手を左右にスライドさせて、演奏します。
口が、ひとつの吹き口をくわえっぱなしの12穴オカリーナは、口も楽器のホールドをしています。 吹く口が複数のため、演奏に伴い口を左右に移動させなくてはならないダブル・トリプルは、それが出来ませんから、口で支える分も、手でしっかりホールドしなくてはなりません。 手も、右手(ひぐらしダブルの場合は左手)は行ったり来たりと移動します。左手はトーンホール(指穴)から指が離れていることが多いです。

さぁ、楽器の支えはどうしましょうか!?
楽器がグラグラしていては、手が移動した時にトーンホールを塞ぎ損ないます。 口も手もなめらかに移動しませんと、音楽が断絶してしまいます。 口の移動と、手の移動、楽器全体のホールド、それがしっかり出来ませんと、せっかくの広い音域を利用した なめらかで美しい演奏は出来ないのです。楽器は何であれ、やるのは<音楽>だということを、忘れてはいけないと思います。

ダブル・トリプルには、先ず基本的な12穴オカリーナに習熟して、それから挑戦することをお薦めします。
まだ習熟していないうちに飛びついた結果、うまく扱えなかったら、それは演奏者の技術レベルの問題であり、楽器に罪は無いということです。

上記をクリアして、ダブル・トリプルにより 皆さんのオカリーナライフがより充実したものとなりますように!
制作者の皆さんには、「楽器に罪は無い!」と言える良い楽器の制作をお願い致します。

もう一つ 大事なこと。
それは、あなたが演奏したい曲は、ダブル・トリプルでなくては 演奏出来ないのか?
移調して12穴の音域に納まる曲。調の異なる複数のオカリーナを持ちかえて演奏出来る曲は、高価なダブル、トリプルを使用する必要はない事を申し添えます。

【18.10.21 オカリーナほうむぺえじ管理人】
【19.3.31 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】加々美ダブル
【19.7.14 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】ひぐらしダブル
【20.8.8 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】ノーブルトリプル
【22.9.4 加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】プラスチックトリプル
【25.12.7加筆 オカリーナほうむぺえじ管理人】価格調査

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