オカリーナの焼成温度


陶芸では、素地の強度を増し、吸水性を持たせ、釉薬のつきが良くなるように、本焼き前に「素焼き」を行います。 「素焼き」は、素地が焼き締まって吸水性が失われ、釉薬のつきが悪くならないように、高い温度では焼成致しません。(750〜800度くらい)
陶芸の場合は、「素焼き」の後に高温(1230〜1280度程度)での「本焼き」焼成を行いますので、焼き締まって素地の強度はさらに増し、吸水性が失われ(水漏れしにくくなり)、 器として、使用に耐えるようになります。

さて、オカリーナは「素焼き」ですが、オカリーナの場合は、どうでしょうか?
「素焼き」でも、焼成温度を上げれば、焼き締まり、硬く丈夫に、割れにくくなります。
ですから、店舗等で展示中にぶつけたりして、割れたりかけたりしないようにとの用心のためか? 高めの温度で焼かれているオカリーナもあります。
食器並みに、本焼きされているもの、釉薬をかけてあるものさえあります。(釉薬の溶ける温度は概ね1200度以上)

<高温焼成のデメリット>
焼成温度を高くする事が、オカリーナを割れにくくするなど、良い事ばかりなら、メーカーも個人制作者も、みな高い温度で、焼成するのでしょうが、 それをしないのは、高温焼成にはオカリーナにとってはデメリットがあるからです。
1.音が硬くなる・・・これについては好みの問題で、焼きしまって硬くなった音を、透明感があるとか、張りつめた音で良いといって、好む人がいます。
もう一つ、高温焼成の特徴である、吸水性が失われた結果、
2.結露しやすくなる・・・これが、最大のデメリットです。

えっ!と耳を疑うような高温で焼かれているオカリーナや、本焼き(二度焼き)しているオカリーナの制作者は、 楽器としての機能が損なわれていることに、気がついていないのか?
或いは、壊れにくくして商品として耐久性を持たせる事、外面を陶器並に美しくする事にのみ、とらわれているのか?

焼成温度が高くても低くても、外見は同じように見えますから、消費者であるオカリーナ愛好者は困りますね。 ある日突然、音が出なくなりますから・・・(この件については、ワンポイントアドバイスを、ご覧ください)
高温焼成が原因で発症した結露は、直りません。

<低温焼成のデメリット>
それでは、焼成温度は、低ければ良いのだろうと思われるかも知れませんが、あまり低すぎると焼きがあまく、もろいですから、練習時の運指で、 指穴を摩滅させ、広げてしまうことがあります。
知らず知らず、指穴の直径が大きくなってしまうのです。(指に削れた粉がついて、気がつく人もいます。)
当然、ピッチ(音程)は狂い音痴になります。

上記の理由で、まともなメーカー・制作者は、低温の限界と高温の限界を考慮しながら、焼成温度を決め、焼いていると思います。
楽器として、長くお使いになりたかったら、高温焼成のオカリーナは要注意! 避けた方が良いです。
低温焼成を売り物にしているオカリーナも、上記の理由で、低すぎると楽器としての寿命が短いので、要注意! 
焼成温度は、高すぎても低すぎても問題有り・・・なのです。

割れても、結露して高音が出なくなっても、指穴が摩滅しても、オカリーナは買い直さなくてはなりません。
短期間で買い換えるつもりなら、焼成温度などはどうでも良いでしょう。(笑)


<ここでひとつ問題点>
「焼成温度は高すぎてはいかん! 低すぎてもいかん! だったら何度だったらいいの?」とお思いの、自作されている方へ
焼成窯に、温度計を入れて温度を測りますが、表示された温度は、その温度計の周辺の温度であって、窯の内部全体の温度を示していないと言うことを、 まず、認識ください。
ストーブを焚いた部屋で温度を測れば、ストーブの上部は高温を示し、ストーブから遠い位置の床は低温を示します。これと同じ現象が、窯の中で起きています。
ですから、人が○○度で焼いていると聞き、同じ温度で焼いても、窯が違い、粘土も違い、温度計も違い、温度計を差し込む位置も違い、焼き方も違い・・・ 当然、同じ結果にはなりません。温度計の精度の問題もあります。
焼いては演奏に使い、また焼いては前の物と比較して・・・と、自分でいろいろ試していくしかないのです。

オカリーナほうむぺえじ管理人】


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