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ニュー・イヤー・コンサート'97 ≪第4回定期演奏会≫
ブリティッシュ・スタイルのブラス・バンドについて、NOB流にご紹介します。
使われている楽器の解説もあります。


■ブラス・バンドの魅力
■楽器解説

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ryo-nob@mail.wind.ne.jp
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ブラス・バンドの魅力
■ハマった理由
 ブラス・バンドをはじめるまでの私達は、正直言ってブラス・バンドがこれほどまでにエキサイティングで魅力的だなんて思ってもいませんでした。 金管バンド活動を始めた頃、小学生向けの金管バンド用にアレンジされた曲を演奏して、つまらないとさえ感じていました。
その気持ちが変化したのは、ブリティッシュ・スタイルのブラス・バンド楽譜に触れ、実際に演奏してからでした。ちなみに、そのきっかけとなった曲は、 スパークの『祝典のための音楽』でした。
金管楽器ばかりだからといって粗雑な音でも乱暴でもなく、ブレンドされた重厚かつまろやかなサウンドは、一度聴いたら忘れられないものとなるでしょう。 実際に演奏すればなおさらです。

■オケと吹奏楽ときんかんバンド
 オーケストラ(管弦楽団)とは、ヴァイオリンやチェロ等の弦楽器と管楽器、それに打楽器で構成されているバンドで、日本では大学やプロの楽団が有名です。
吹奏楽バンドとは、クラリネットやフルート等の木管楽器とトランペットやホルン等の金管楽器、それに打楽器で構成されているバンドで、日本では中・高校で盛んに演奏されています。
金管バンドとは、コルネットやユーフォニアム等の金管楽器、それに打楽器で構成されているバンドで、日本では小学校の金管バンドがお馴染みです。
日本では、吹奏楽バンドのことを「ブラス・バンド」あるいは「ブラバン」と呼び、それが一般化されていますが、 本来、ブラス・バンドとはブラス(真鍮楽器)のバンド、すなわち金管バンドのことを指します。 ちなみにイギリスでは、吹奏楽バンドのことを「ウインド・バンド(Wind Band)」と呼んで区別しています。

■ブリティッシュ・スタイル
 一口でブラス・バンドと言っても、その演奏形態により様々な編成がありますが、ここではブリティッシュ・スタイルについて解説します。
ブリティッシュ・スタイルとは、「サクソルン属」と呼ばれる一連の金管楽器群にトロンボーンと打楽器を加えた形態で、 19世紀のイギリス(グレートブリテン)で生まれ、200年もの歴史があります。
現在ではイギリスをはじめヨーロッパ各地で盛んに演奏されています。

■サクソルン属
 ベルギーの楽器研究家アドルフ・サックスは、高音から低音まで音色を統一するためには奏法を均一化させることが必要だと考え、 同じ構造の楽器群を「サクソホルン」と命名し、1843年パリで発表しました。これらの楽器は、管体が円錐状で、同一のヴァルブ・システムが採用されていました。 この「サクソホルン」こそが、現在のサクソルン属の起源で、それらに改良を重ね現在のコルネットやテナー・ホーンなどの楽器が生まれました。 その音色は、とても重厚で暖かみがあり、ブレンドされやすいといった特性があります。
ちなみに、金管楽器には「トランペット属」というトランペットやトロンボーンのような円筒楽器があります。これらはサクソルン属を長いメガホンにたとえると、 さしずめ長いストローといったところでしょうか。その音色は、遠くまで届くようにストレートで鋭いといった特性を持っています。

使用楽器パート規定人数
Eb CornetSoprano Cornet1
Bb CornetSolo Cornet4
Repiano Cornet1
2nd Cornet2
3rd Cornet2
Bb Flugel HornFlugel Horn1
Eb Tenor HornSolo Tenor Horn1
1st Tenor Horn1
2nd Tenor Horn1
Bb Baritone Horn1st Baritone Horn1
2nd Baritone Horn1
Bb Trombone1st Trombone1
2nd Trombone1
Bb Bass TromboneBass Trombone1
Bb EuphoniumEuphonium2
Eb BassEb Bass2
Bb BassBb Bass2
PercussionPercussion3
■編成
 ブラス・バンドの写真を見ると、編成の割にコルネットが多い事に気付くかと思います。実は、コルネットだけでも10パートに分れているためです。
左の表は、ブリティッシュ・スタイルの平均的な編成表です。ブリティッシュ・スタイルのブラス・バンドでは、使用する管楽器は10種類しかありませんが、全部で25のパートに分れています。 これにより、オーケストラの編曲作品を演奏する場合には、弦楽器から木管楽器、そして金管楽器まで多彩なパートをすべてカバーできるようになっています。 また、オリジナル曲を演奏するときには、この規定編成で書かれているため、楽器の特性が活かせるような作品が多く、効果的な演奏ができます。

■楽器の配列
 オーケストラや吹奏楽では、指揮者を中心に半円状に並んでいますが、ブラス・バンドでは、指揮者を囲んでコの字型に並んでいます。 この形は、正確には蹄鉄(馬のひづめ)の形だそうです。
これは、ステージの中心で音をブレンドさせ、間接音を響かせるのが目的です。そのために、コルネットやトロンボーンなどのベルが前を向いている楽器は、真横を向いて演奏しているのです。 もしも、これらが客席を向いて演奏したならば、ベルが上を向いている他の楽器よりも、客席に聞こえやすくなりバランスを崩してしまうでしょう。

■ブラス・バンドの歴史
 昔はどこの街でもバンドや合唱団があり、祝祭などで演奏していました。イギリスでも例外ではなく、独自のバンドは街の自慢でもありました。 19世紀に入ると産業革命が起こり、蒸気機関の発明によって炭坑の街が各地にでき、同時にバンドも増えました。 また、交通網の発展で街同士の交流も盛んになりました。そのころのバンドはトランペットやヴァイオリンなど、ありあわせの楽器で演奏されていましたが、 最新式の楽器「サクソホルン」を使ったバンドが登場し、その音色の美しさから、あっという間に広まっていったのです。 そして、それぞれのバンドが腕を競い合うようになると、楽器編成や人数の公平化のため現在のような編成が定着していきました。
現在では、ほぼ月に1度の割合でコンテストが開かれ、テレビやラジオ放送も盛んに行われています。

■ブラス・バンド作品
 長い歴史の中、管弦楽曲や民謡、歌曲の多くがブラス・バンドに編曲されています。 また、優秀な作曲家の出現で多くのオリジナル曲が作曲されており、フィリップ・スパークやヤン・ヴァンデルロースト、ゴフ・リチャーズといった人気作曲家の作品は、 世界中どこのブラス・バンドでも必ずと言っていいほど演奏されています。 近年では、それらのブラス・バンド曲を吹奏楽に編曲して演奏される事も多く、日本でも吹奏楽バンドの主要なレパートリーになっています。

楽器解説
■ソプラノ・コルネット
 最高音域を受け持つEb管のサクソルン属楽器で、Ebコルネットとも呼ばれています。 高音域のため音程をとるのが難しく、とても神経を使うパートです。

■コルネット
 高音部を受け持つBb管のサクソルン属楽器で、ブラス・バンドではユーフォニアムと並ぶ主要楽器です。規定編成では、バンドの人数の3分の1にあたる9パートが必要とされています。 オーケストラでいうとヴァイオリンのような、メロディーラインを担当するソロ・コルネットが4パート、メロディーの下吹きや高音部の伴奏を担当する2nd、3rdがそれぞれ2パートずつ、それにそれらの橋渡し的存在のリピエノ・パートが1パートあります。 しかもこれらが全部違う音を吹いていることもあるので、人数が多いからと言って油断できません。

■フリューゲル・ホーン
 音域も調もコルネットと同じBb管のサクソルン属楽器です。管の長さはコルネットやトランペットと同じですが、ベルが大きく、音色はコルネットよりもテナーホーンに近くなっています。 甘い音色を活かしたソロだけでなく、いろいろなパートと一緒に旋律を吹くことが多く、おいしいパートです。

■テナー・ホーン
 中音域を受け持つEb管のサクソルン属楽器です。肉声部を支えるホーンセクションの主要楽器であるため、ある時は旋律、ある時は刻み、そしてある時は和音と、極端に休みが少なくスタミナが要求されるパートです。 旋律やソロも多いソロ、ソロを肉声で支える1st、ハーモニーを下から支える2ndの3パートがあります。

■バリトン・ホーン
 音域も調もユーフォニアムと同じBb管のサクソルン属楽器で、こちらもテナーと共に肉声部を担当し、テナーとユーフォニアムの橋渡しをしています。 一見目立たない位置にありますが、いろいろな楽器とブレンドされることで、バンドの音色に大きな影響を与えます。1stと2ndの2パートに分れています。

■トロンボーン
 サクソルン属ではなくトランペット属と言われるBb管の直管楽器です。ストレートで鋭い音色を生かした、ヴィブラートをかけない強烈な音でバンドの音色にアクセントを与えます。 それだけではなく、他の楽器と溶け込むようなサウンドも要求されます。通常1stと2ndの2パートに分れていますが、NOBでは1stを2人おき、ソロパートを設けています。

■バス・トロンボーン
 こちらもサクソルン属ではなくトランペット属と言われる直管楽器で、ダブル・ロータリーのバス・トロンボーンを使用します。ブラス・バンドでは唯一、ヘ音楽譜を使用します。 単にトロンボーンとしての役割だけでなく、低音部のトップとしての性格も持ち、最も音域が必要とされるパートです。

■ユーフォニアム
 中音域を受け持つBb管のサクソルン属楽器で、ソロ・コルネットを第1ヴァイオリンにたとえるとこのユーフォニアムはチェロと言ったところでしょうか。 本来ブラス・バンドでは、中低音部をリードするという役割があり、バスと一緒に低音部を支えたり、テナーやバリトンと対旋律を歌ったりしています。 それに加えて、中低音部のトップとして、コルネットとのユニゾンでの旋律、そしてその音色を活かしたソロと、いろいろな場面で大活躍します。

■Eb バス
 低音域を受け持つEb管のサクソルン属楽器で、ボンバードンとも呼ばれています。ユーフォニアムとBbバスの間に位置し、両者の橋渡しをしてバンドの低音部の響きを充実させています。 また、バスの中のソロ楽器という扱いを受けているためソロも多く、それらの曲では細かなパッセージも要求されます。上下2つのパートの分けられています。

■Bb バス
 バンドの最低音域を受け持つパートで、Bb管のサクソルン属楽器です。吹奏楽バンドやオーケストラではロータリー式のテューバが使用されますが、ブラス・バンドではこのようなピストン式のバスが使われます。 Ebバスと同じように上下2つのパートに分れています。

■パーカッション
 ブラス・バンドでは、パーカッションの規定人数は3人と決められているため、楽譜もは3人で演奏できるように書かれています。 その3パートはティンパニ、鍵盤楽器、ドラムセットを担当しますが、それぞれが何種類もの楽器を演奏しなければならず、個人の負担は相当なものになります。

*Bottun*
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