高崎五万石騒動カルタ

「高崎五万石騒動」に関する著作、資料はかなり多く出されているが、結局、五万石騒動の研究の拠り所となるのは細野格城著の「五万石騒動」と、その書をふまえて独自の所論を展開している田村栄太郎著の「近代農民運動史論」の二册が「五万石騒動の基本的で総合的なものであり、その他は持論的な研究や啓蒙的な色彩が多い」言い切っている。
数多くの五万石騒動に関する資料は多く見るのに越したことはないが、結局はこの二つのものに頼りざるを得ないほど事実に基づき資料をよく研究したしっかりした構成で騒動の基本的なことを伝える、五万石騒動の興味を持つ者や研究者にとってのバイブルのようなものであると思う。
 この二つの著書とは幾分趣は違うが最近本研究会において製作した「高崎五万石騒動カルタ」は この騒動を知る上で大切な骨組みとして活かされるのではないかと思う。このかるたは子どもたちに五万石騒動に関心を持って貰うために作られたと思うが、研究者にとってもこのカルタはかなり役立つのではないかと思う。
 私はこのかるたを並べて整理しているとカルタだけでなく冊子にまとめると理解しやすいような気がしたのでこのような形のものを作ってみた。現在「五万石騒動」に対する関心は年々薄れていくように思われるが、このカルタの普及によって、「五万石騒動」に対する関心を高め、人のために尽くすことや協力の大切を多くの人に浸透していくべきだと思う。
 女屋さんに「このようなものを作って良いですか」と聞いたら、「良いと思ったことは断りなしにやって良いんだよ」、と言われた。このような本会の姿勢は研究の幅を広げ、五万石騒動の核心に触れる研究が進んでいくような気がしてならない。

さとうゆきお