アバスチンの説明と同意
病気の時に目の中にできる血管を新生血管と呼びますが、これを抑える薬がこれまでありませんでした。アバスチンは、大腸癌を抑える薬ですが、これを眼内に注射すると新生血管を抑える報告がアメリカでありました。日本では、厚生労働省には認可されていませんので、当院でアメリカから輸入することにしました。そこで、以下の説明をして同意できた人のみ使用することにします。
適応は、加齢黄斑変性や糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞症などです。
病態は、眼内の血管新生や浮腫で、病変部位は、脈絡膜、網膜、隅角です。
研究では、加齢黄斑変性の黄斑下血管新生や浮腫
糖尿病性網膜症の新生血管や浮腫のほか血管新生緑内障
網膜静脈分枝閉塞症の黄斑浮腫
その他の血管新生や浮腫など
薬品名は、bevacizumabで、抗VEGF(血管内皮増殖因子)に分類され、本来は大腸癌の薬です。副作用は、稀に眼内の細菌感染や、眼圧上昇、網膜裂孔の報告がありますが、長期予後はまだ不明です。効き目は、約2ヶ月と考えられていますが、不明点もあります。
やり方は、角膜から3.5ミリメートルの部位から、細い注射針で0.05mlを注入します。
指示された日に来院すること、何か変わりがあったら来院することが大切です。
以上、アバスチンは、未認可の薬ですが、眼内の新生血管や浮腫に有効の可能性があることを説明しました。
説明者 住所 高崎市新町78番地
施設 田中眼科医院
担当 臨床倫理委員会 代表 田中隆行
6.ルセンティスの治療と説明
加齢黄斑変性症は、網膜の中心部である黄斑が障害され、視力低下や変視症などが起こり視野の中心が見づらくなる病気です。黄斑部の脈絡膜から新生血管と呼ばれる異常な血管が生えてくるタイプの滲出型は、症状の進行が速く、急激に視力が低下していきます。この新生血管は破れやすいため、黄斑が出血したり、むくんだりして、物を見る細胞の機能が障害されていきます。 ルセンティスは新生血管の成長を活発化させる体の中のVEGF(血管内皮増殖因子)という物質の働きを抑える薬で、この薬を眼内に注射することで新生血管の増殖や成長を抑える効果があります。
−治療内容−
ルセンティスによる薬物療法は、導入期と維持期で異なります。導入期では、月1回ルセンティスを眼内に注射します。これを3ヶ月間繰り返します。その後の維持期は、病状の経過をみながら、必要に応じて注射します。 治療当日は、眼や眼の周りを十分消毒し、麻酔薬を点眼後、角膜から3.5ミリメートルの部位から細い注射針で0.05ml.を注入します。治療を受ける前3日間と受けた後3日間は、注射部位への感染予防のため抗菌点眼薬を点眼していただきます。
−副作用−
稀に眼内の細菌感染や、眼圧上昇、視力低下、眼痛、網膜出血、一過性視力低下などの報告があります。全身性の副作用としては、脳卒中が報告されています。以前に脳卒中または一過性虚血発作を疾患としてお持ちの方は、事前に医師に伝えてください。 指定された日に来院すること、治療後に視力低下やからだに異常が起きたなど、何か変わりがあったら来院することが大切です。
−費用−
3割負担の人: 3回分で約162,030円、その後の追加は、1回分で54,010円。
1割負担の人: 3回分で約36,000円、その後の追加は、1回分で12,000円。
