◆ ご注文から制作までの流れ ◆ 
型染めは型紙と防染糊をつかって様々な柄や文字、意匠等を染め抜く日本の伝統的な染色技法です。
デザインの内容を決め、染め上がるまでには実に多くの工程を必要としますが、当店ではそれらを一貫して手仕事にて行っています。
ここでは、ご注文を頂いてから型紙作り・刷毛染め・藍染め、といった制作の流れを簡単にご紹介します。
  1. 型彫り(かたほり)

お客様との話し合いを通して、当店がこれまでに培ってきた経験、技術を基に作品のデザインを決めて行き、内容に合わせて型紙を制作します。
先代より創り貯めてきた意匠の数々は、この型作りを行うための大切な財産となっています。
 
  2. 糊置き(のりおき)

出来上がった型紙を使い、生地に防染糊で模様をつけていきます。大小様々なヘラを使い分け、糊を平らに均していきます。そして型紙をずらさない様に、ゆっくりと剥がします。
糊が乗っている部分は、染料を塗っても後で洗い流されてしまうため生地の白い色が残るというわけです。
 
  3. 注し分け(さしわけ)

糊が乾いたら、地色を染める前に小さな刷毛で細かな柄を染め分け(注し分け)ていきます。デザインによっては小さな柄の中にいくつもの色を注し分けていかなくてはならず、手間のかかる作業の一つです。
 
  4. 地染め(じぞめ)

細かな柄を注し分けた後、大きな刷毛を使って地色を染めていきます。このとき、色別に注し分けていた部分を汚してしまわない様、その部分をあらかじめ糊で伏せておきます。
 
  5. 藍染め(あいぞめ)

木綿の伴纏など、ご要望によって藍染めを行っています。現在、藍染めといえば化学染料が主流ですが当店では専用の畑で育てた藍の葉から作った〝生きた藍染め〟の色味をご堪能頂けます。着こなし色褪せていくたびに、その違いに気付かされるはずです。
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  6. 水元(みずもと)

染め作業が終わると、反物を水の中に漬け、糊や余分な染料を洗い流します。糊が残ったり色移りがしないよう、手早くかつ慎重に刷毛で撫でていきます。染め上がり目前ですが、最後まで繊細な作業が求められます。ここで糊が落とされることによって生地の白い色が柄となって表れます。
 
 
  7. 乾燥・仕立て

余分なものを洗い流され、表情豊かになった
反物は、太陽のもとでしっかり乾かし、その後
伴纏・のれん・幕などそれぞれの形に仕立て
られます。



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