ここからは地上の透明な場所がよく見えるのです
寒い夜
この虫は美しかった
触角を動かしてまるで
初めて化粧をする
少女のように
透き通る自分の姿を
眺めていた
右側が本当の命で
左側はその鏡像だった
どちらも今はもう
この宇宙にはいない
迷いながら
私が この私が
にぎり潰したから
虫
・・・ のうもあかうんた ・・・
■ 石井 透 ■
2009/12/25
小品欄に杉千絵さんの詩集「石の魚」を追加中です