第一章 神社の境内
ぼくはただ
神社の境内の陽だまりで
静かにまぶたを閉じている
あの猫の安らぎを求めている
青空が広がって
広がって
雲がゆったり流れている
そして猫は
静かにまぶたを閉じたまま
動かない
境内を包み込むような
大木がひっそり
木漏れ日が
ほろほろ揺れている
おばあさんの独り言
聞こえない子供達の笑い声
古い柱時計は
止まってしまい
枯葉の下の湿った地面には
笑顔の少年の
傷つけられた写真が
土の臭いに
青く染まっている