第八章 窓の向こうの青い空


窓の向こう
青い空を
蝶が舞っている

遠くの山には
まだ雪が残っているが
堤防の北の斜面には
輝く水面に
ゆったりと
土筆の顔が見えている

その青空に嘔吐のような
激しい怒りが突き上げて
ぼくは思わず隊列から遠ざかった

あらゆる物が崩れ落ち
P48の真実が
ぼくの内臓を焼き尽くす

生きた写真は土の下
線香の臭いに染まっていく

おばあさんは皺くちゃに
濡れた袖を目に当てて
幼い写真に
何度も何度も
頬をする