第十章 こうもり傘の穴


日々
否定を
繰り返し
こうもり傘に
穴があく
教室に
先生の
声がして
級友は
ぼくのいない
ざわめきを
楽しんで
いる

校庭は
静まり
かえり
赤信号が
点滅する

そして
水溜りには
波紋が
広がっては
消えていく

消えていく