緑色の絵の具
動いていた
緑色の絵の具は
自転車に
つぶされて
今頃はきっと
真夜中の雷雨に
流されていることだろう
そしてぼくは
母の母の父の名前も
父の母の母の名前も
知らずに生きている
命はこんな風に
流れていくのだろう
BIZEN中南米美術館にて