ホテルの13階

支えられずに
ホテルの13階に
浮いている

窓の向こうに
たくさんの窓がある
その中にたくさんの平凡がある
ぼくもいつかそこにいた

ビルの谷間に
高速道路が見えている
車は止まっているようだ

巨大なタイヤの看板のあちらに
東京タワーがかすんで見える

カーテンを閉めると
部屋は原始の洞穴になる

ぼくは裸になり
ベッドに倒れ
そして
確かな時間と
場所のあるところへ
ダイヤルした