終わる夢
窓から外を見ていた
上空に湧き上がるような
黒いドーナツ雲が浮かんでいた
雲は少しずつ大きくなり
シルエットのように息を潜めて
山の方へと近づいていった
宇宙からの光を遮り
雲は山を呑み込もうとしていた
その時だった
地面が小刻みに震え
窓ガラスがカタカタ鳴った
そして山は爆発し砕け散った
赤い火柱が天頂に昇り
あたり一面が血色に染まった
私は311の時より更に切迫した
身の危険を感じ同時に
もう逃げ切れないことを悟っていた
地球が本当に終わる夢だった
北軽井沢より見た浅間山