ずっと先の時


夢の中で死んだ

無の中に滑り落ち
一瞬のうちに
何十億年何百兆年いや
それよりもずっと先の
時を感じていた

夢から覚めた

今この瞬間は永遠に還らず
常に消え失われていく
それを生きて
眼にしていることが
怖くなった




もりもりもりあがる雲へあゆむ 山頭火