夜目が覚めたら


目が覚めたら
枕もとに
白い腕があった
そうな

その腕に
触れると
やわらかく
なめらかだった
そうな

別の夜
目が覚めると
足もとに
おかっぱ頭の
女の子が
座っていたそうな

命がふわふわ
石ころになって
ころがっていった
そうな




松井田 五料茶屋本陣にて