凡雀モーシ

モーシはコーシをとても信頼していて、
みんながコーシをけなしても、
いつもコーシをかばっていた。
 ところがある日モーシは、
とんでもない噂を耳にした。
近所に住むローシの話では、
コーシがモーシのことをこんな風に話していたという。

 「あいつが都会からこの田舎に戻ってきたのは、
あいつが言うように家族のためなんかじゃないらしい。
どうやらあっちで雀関係に失敗したからっていう話だぜ。


モーシは顔を赤らめじっとローシの眼を見つめていた。
ローシが嘘をついているとは思えなかった。

 それから暫らくの間、
モーシはコーシを避けていた。
そんな噂を信じたコーシが許せなかったのだ。

 しかし、
時の流れがモーシの考えを少しずつ変えていった。

 「コーシと言えども雀だ。
どんな聖雀君子といえども陰口をたたかれないことはないし、
たたかないこともない。
怒るな、
凡雀モーシよ。」



群馬フラワーパークにて