祈っている

35度を超える
炎天下を走り続け
熱くなった木の
ベンチに仰向けになる

空は海よりも青く
雲は雪よりも白い
そして太陽は
ぼくのかがやく太陽は
ひとつだけ


うなじを汗が流れ
蝉が鳴き
川のせせらぎが
聞こえている

ぼくは目を閉じて
帽子のつばで
太陽を遮りながら

祈っている




草間彌生展「永遠の永遠の永遠」にて