朝日を浴びて

冷たいおやじでした

いとこのたーちゃんは
告別式の親族代表挨拶で
亡くなったおじさんのことを
そう言った

その日のぼくは
心臓にペースメーカーを
組み込んでいるおばさん達と
車の日除けが効かないほど
眩しい朝日を浴びて
高速道路を走り続け
少し頭がくらくらしていた

そのせいか
多摩霊園へと向かう
マイクロバスに揺られながら
ぼくはおじさんが
有機電池で動く
ロボットだったような
のっぺらとした白い夢を見た

焼き鳥屋の青い煙が
目に染みたその帰り道
三芳パーキングエリアから
すっかり雪を被った富士山が
夕日に沈んで見えていた