9月某日特養入居者に下痢や嘔吐をする者が多くなっているという。食中毒が原因ではないが、夏ばてが原因と思われる。それにしても今年の夏は9月になっても暑い。例年に比べ1月ほど延びている。

9月某日防災訓練の一環として抜き打ちで大地震発生対応の点呼訓練を行った。入居者やサービス利用者だけに目が行きがちであるが、実際行ってみると相談者、見学者など外部の人がおり、また職員でも出勤はしているが外出している者、ヘルパーのように施設外へ仕事に行っている者など様々なケースがあり、きちんと職員や訪問者などを把握しなければならないことを痛感した良い訓練になった。

9月某日友人の快気祝いで昼食を取ることになった。昼食になった理由は、この友人の病気が脳梗塞であったので酒を含む夜の宴会ではまずいことによる。職場で倒れたので大事に至らず職場復帰を果たしたが、まだ左腕にしびれがあるという。発見が遅れたら最悪死ということだったらしいが、我々も十分注意し運動を行う、ということでお開きになった。

9月某日
最近、高齢者入所施設で、入浴介助の際の転落事故、入浴中のおぼれ事故や経管栄養チューブ誤挿管事故が起きている。とにかく安全安心を保てなければ高齢者施設の意味はない、と朝礼で話す。

9月某日88歳のケアハウス入居者が市民プールでの水泳教室に行っている。講師は気が気でないらしく、本人はやる気満々である。あと1回で終わりなので一安心である。

9月某日特養入居者の体重測定と年一回のレントゲン撮影である。当施設では、どんな人にでもなんとか口から食事をとるよう頑張っているので体重が増えることはあっても減ることはない。また一般的に高齢者の結核患者が増えている現状があるのでレントゲン撮影は重要なことである。

9月某日
特養とケアハウス合同の敬老会である。今年の催しはハマナス会のフラダンスである。まだ暑い日が続いているので催しにはぴったりである。

9月某日5年間の年金保険料の給付以外に使われた金額は厚生年金で5兆4281億円、国民年金で1兆3597億円であるという。社会保険庁職員の金銭感覚、つまり自分のお金でもないのに、さも自分のお金の如く使う感覚には恐れ入る。私も厚生年金を14年払っているが、世代間扶養で年金受給者に使われていると思ったのに、使われもしない厚生施設などに使われたと思うと腹が立つ。民主党が成立させようとして年金保険料流用禁止法はなんとしてでも成立させて欲しい。

9月某日地元豊城町敬老会事業に招かれて出席した。豊城町の人口は19年7月1日現在で3287人で高齢化率は20%を超えている。高齢者人口は600人以上となる。歌有り、踊り有り、寸劇有りで楽しい一時を過ごした。

9月某日全国老人福祉施設協議会関東ブロック大会に出席するため千葉幕張メッセに、職員2人と共に行く。私の目的は社会保障や介護関係の政治情勢の把握であった。新聞でも大方のことは分かっていたが、やはり参議院での民主党第1党の余波ですべて足踏み、よく言えば慎重になっていることが確認されたことである。介護人材確保の困難性が官僚や政治家にも知れ渡ったことは良いことである。

9月某日福祉系高校に求人を出していたが1人の応募者もなかった。さーどうする。

9月某日当法人の創設者(松本義範)の墓参りに矢野平成会理事と山田前全社協高年対策部長がお越しになった。妻を交えた4人で少林山達磨寺の普茶料理を食べながら創設者の思い出は勿論、昨今の老人福祉についても話し合った。

9月某日台風の影響で門脇にある花みずきが倒れた。この台風により群馬県西部地域で被害が多く、従来災害が少ないと言われた群馬県は不意打ちを食らった感じである。「災害は忘れた頃やって来る」とは寺田寅彦の有名な注意喚起の言葉であるが、まさにこの言葉どおりになってしまった。いくつかの施設で居室や機械室等が泥水に浸水された被害が出た。しかし40cm以上の浸水がないと損害保険が給付されないという。なんだか釈然としない。いったん浸水すれば清掃や消毒代がかかる。

9月某日恒例の秋の彼岸供養である。過去14年間に特養で190名、ケアハウスで10名の方がお亡くなりになった。この方々のご芳名を読み上げ供養している。東光寺長谷川住職と小林理事長ご苦労様でした。

9月某日ミヤンマーで長井健司ジャーナリストが軍事政権の一兵士による至近距離からの銃弾に倒れた。Tシャツ短パンサンダル姿で倒れている姿にはびっくりした。せめてTシャツの下に防弾チョッキでも着ていたらと思うが、フリージャーナリストが取材する場合には、民衆の生の声を聞くにはこの格好が一番良いと所属しているAPF通信社社長は述べている。その国の軍隊は自国民を守るために存在するのに、自国民を襲う国に日本は先進国で一番の30億円もの援助をしている。考え直さねばならないと思う。

10月某日伊勢崎商業高校生の生徒3名がインターシップの一環で2日間特養で働いている。介護の仕事に関心がある若人が居ることは頼もしい。
 

10月某日地元殖蓮地区民生児童委員定例会に、来月11日に実施するロータスヴィレッジ文化祭への出席依頼を行うために出席した。民生児童委員は今年は改選期で大幅に入れ替わるという。全国的に人選難らしい。諸外国にはないすばらしいシステムであるので何とか必要人数は確保出来ればと思う。

10月8日ロータスのキンモクセイが開花した。昨年に比べ2週間ほど遅い。9月の異常な暑さゆえの遅咲である。

10月某日在宅介護支援センター準備委員会の研修会に主催者として参加する。支援センターの相談員はストレスが貯まりやすい職種である。相談者はそれこそ十人十色、すべて解決できることなど無く日々の業務に追われている。そこで今回の研修は「燃え尽きないための対処法」と題してグループインサイト心理教育研究所加藤昌弘氏に講演をお願いした。概ね好評であった。研修会のアンケート自由記述欄に書かれていたことを引用する。「現在の自分の状況を絵に描いたように表していると思いました。経験年数が一年半と少なく、実践を重ねることで学ぶことが多く、つい仕事が遅い余り時間がかかり、家に帰るのが遅くなったり、家に帰っても考え続けて、翌朝も疲れていて午前中仕事に集中できていない日々の繰り返しだったのですが、研修を受けて、考え方、行動など変えていき、なるべく楽しく仕事が続けられるようにしていきたいと思います。

10月某日特養の運動会が開かれる。年々介護度が高い入居者が増え盛大には出来なくなっている中でこぢんまりと食堂で行った。入居者一人一人の性格や生活欲が出ておもしろい運動会になった。

10月某日中国共産党大会が終了し政治局常務委員9人が決まった。任期は5年で、特に胡錦濤総書記は今期で引退する方向なので、後任の総書記は誰になるのかは今後5年間では最大の政治課題である。新任の常務委員に54歳の習近平・上海市書記と52歳の李克強・遼寧省書記とが2段階特進することになった。次期総書記を二人に競わせる人事である。来夏にはオリンピックが開催されまた成長と格差是正問題・環境汚染改善等山積みの問題をどう対処していくか常務委員9人の手腕が問われる。やはり、中国には目を離せない。

10月某日昨年12月に急性胃腸炎に罹る高齢者が増えデイサービスでも利用者の嘔吐があった。ノロウイルスが原因と断定し次亜塩素酸ナトリウム水溶液で殺菌消毒をこれ以後3ヶ月間続けた。このことが功を奏したのか一時的に利用者減少があったが大きな減少にはならなかった。今年もだんだん寒くなりノロウイルスが活躍する季節になった。嘔土があったときはノロウイルスと思い早めの対策を行うように朝礼で伝える。

10月某日すべての職員向けにインフルエンザ予防接種を行う。当施設では薬剤代1050円の負担のみで予防接種を行っている。

10月某日ケアハウスの誕生会である。入所者各人が協力して昼食を作り誕生会を行う。上げ膳据え膳ではない自分たちで作った昼食を食べるのは美味しい。

10月某日看取りを希望していた入居者が亡くなった。前日まで入浴しきれいになり、職員に看取られながら昇天する場は特別養護老人ホームだけである。合掌







     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



                                          
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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌