11月某日殖蓮中学の2名が2日間の予定で2組ロータスヴィレッジの仕事をすることになった。毎年のことであるが、今年はケアハウスとデイサービスの仕事をしてもらうことにした。いきなり特別養護老人ホームでは影響が大き過ぎると思ったからである。生徒の感想文を載せてあるので見て下さい。(感想文
   
11月某日特別養護老人ホーム入居者が県社協のバスで足利フラワーパークに出かける。アメジストセージと熱帯性の蓮の花が満開であった。気候も穏やかで楽しい一時を過ごした。

11月某日宅地建物取引主任者の資格講習で一日土地取引や税務などの講習を受けた。不動産業を営むには必要な国家資格であるが不動産業に就いたことはない。20年近く前に取得した資格であるが、当時はこの資格を取れば即不動産業を営むことが出来た。今は資格取得後決められた講習を受けて初めて資格証が交付されるようになった。この資格は、この老人ホームをつくるにあたって土地の取得や建物の建築やそれにまつわる様々な規制解除に大変役に立ったことである。今ではただ持っているだけの資格になった。

11月某日
今日はロータスヴィレッジ在宅部門の文化祭である。あいにく小雨で寒かった。昨年は10月に開催したのだが、地元住民にロータスのことを知ってもらう為に他団体の行事とかち合わないように11月になった。結果昨年より多く、210名の方が見学に来てくれた。有り難いことである。(トップページの写真集を見て下さい)

11月某日本日の新聞に当施設と取り引きしている銀行の経営内容が掲載された。心配はないことを朝礼で伝える。しかし、金融機関が赤字では経営陣は何をしているのかと思われるのも仕方ないことである。

11月某日ケアハウスの空室期間が1年以上続いている。入居希望者は多いのだが介護が必要だったり、家族が反対したりとなかなか決まらない。今月入所した方は10日ほど生活したと思ったら再入院してあっという間に亡くなってしまった。特定施設の指定誘惑に駆られるが我慢、我慢である。

11月某日
職員向けのインフルエンザ予防接種の日である。薬代1050円の負担のみで接種することができる。私は昨年に引き続き受けなかった。私は今年一度も日本では風邪を引いていない。職員は驚いている。それまでは毎年10月頃真っ先に風邪を引き真冬に1度は大風邪を引くのが常であった。その代わり外国へ行くと風邪を引き下痢で3sくらい体重が落ちる。日本では充実した毎日を過ごしていると職員に思われている。その通りである。

11月某日伊勢崎養護学校との交流会が開かれる。養護学校の生徒が一生懸命考え練習した催しでロータスとの交流を図っている。

11月某日今月末の全館一斉床清掃から始まり、窓ガラス清掃、便器洗面清掃と専門家による年末の大掃除がある。わたしは、サービス業はきれいでなければお客も来ないと思っているので毎日職員による清掃と共に大切なことである。また、朝礼で整理整頓に心がけ、いらない物は捨てるよう伝える。火災保険の保険料設定にあたり整理整頓の度合いや燃える物が置いてないことも大きく影響し、コスト削減につながる。

11月某日岐阜市で行われた全国老人福祉施設研究会議に職員1名が参加する。群馬県老施協も応援していて現地で群馬県交流会を開くという。良いことである。

11月某日当施設は毎朝朝礼を行っている。その日の利用人数(火災時の点呼確認のため)や行事の報告(協力や迷惑防止のため)が主であるが、今の時期のように風邪や急性胃腸炎の蔓延など気をつける必要があるときは会議を招集する必要もなく良い。

12月某日私が参加している山行きの会の忘年会で仕入れた話である。ある会員の出身大学の同窓会の会員が毎年減っているというのである。この同窓会は伝統ある歯学部で新たに卒業し入会する人数より脱退する(たぶん死亡が一番多い)会員が多いためだそうだ。こんな所まで高齢化の影響が出ているとはちょっと驚きであった。

12月某日社会福祉主事通信教育の申し込みを募る。昨今申込者が少ない。短大等学校を卒業してきた職員は取得しているので問題はないが、それ以外の職員はどうするつもりなのか。介護の仕事をするのに社会福祉主事、介護福祉士、介護支援専門員の資格は持っていて当然である。

12月某日夜勤職員とパート職員の健康診断が行われた。50名近い数になる。職員の健康を守るのも重要な仕事である。

12某日来年度採用職員の獲得に手間取っている。定年退職者の補充であるにもかかわらず応募者がいない。介護に特化したWebサイトを運営する東京の「やさしい手」の担当者がはるばるやって来た。Webサイトに載せるのは無料であるが、採用すると年収の10%以上の手数料がかかる。しかし金銭を気にしている場合ではない。日本に住んでいるフィリピン人向けに発行されている新聞を見る機会があったが、そこには求人情報も掲載されているのだが「CAREGIVER」と銘打った求人が数多く見受けられた。社会福祉法人かどうかは確認できないが、東京を中心とした地域での求人が多い。やさしい手の担当者が言うには有料老人ホームに限らず特養でも多くのフィリピン人が働いているという。群馬県でもそう遠くない内にフィリピン人が働くようになるであろう。

12月某日地元殖蓮小学校生徒との交流会がもたれた。毎年の恒例行事になったようである。ようであるというのは、先生の考えで変わることもあるから。
12月某日今日は賞与支給日である。正職員の支給率は平均2.344、パート職員は1.0である。コスト削減をし、それを原資として賞与に回せることができる。昨今の生活必需品やガソリンをはじめとする石油製品の値上げは今後のコスト上昇要因である。
12月某日障害者施設で火災が発生したことを受け朝礼で火災発生の予防に努めるよう伝える。喫煙の注意徹底、厨房での火器類注意徹底、利用者の火遊び注意、施設の周辺に燃えるものを置かないこと等再度確認するよう伝える。

12月某日嘔土下痢症状を起こす入居者が多くなったのに伴い緊急の感染症対策委員会を開催する。面会の制限、ショートステイ利用の制限、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で消毒する等の対策を1週間実施する事を決めた。

12月某日給食会議でデイサービス用温冷配膳車購入が決まった。温かい料理が冷めて油が浮いたり、利用者からデイサービス蓮花より味が落ちるという苦情が出ていたためである。デイサービスは利用者獲得では日々決戦である。

12月某日福田首相は、薬害C型肝炎訴訟の原告団代表と会った。大阪高裁からの和解案を原告団は拒否した後、国は和解案を上回る提案をしたが、原告団が求める「全員一律救済」の提案でないため成り行きが心配されていたが、ついに首相も全員一律救済を認める形になった。しかしどうして薬害が防げないのだろうか。30年以上も前に発生したスモン病やクロロキン訴訟で国の責任が問われ、国が薬害防止を誓ったのにも関わらず、その後幾度もなく血友病など薬害は発生している。

12月某日群馬県食品監視課の職員が食品衛生指導のため来訪した。当施設の厨房や給食業務についての指導である。ここにきてノロウイルス感染者発生や急性胃腸炎者
の発生、O157感染者発生と食の安全を確保するための指導である。食ばかりやっていてもだめで施設全体で取り組まなければならない課題である。
12月某日ケアハウスクリスマス会兼忘年会が開かれる。家族の参加が無く、入居者と趣味の教室の先生方のみの会であった。以前は家族の参加があった。今後は参加させる方向で考えなければならない。


12月某日いよいよ年も押し詰まってきた。施設入所者も在宅で介護を受けている方の年越しは大変である。施設は、職員に年末年始の休みはない。在宅生活者は介護をどう確保するかに家族は悩む。今日付けの日経新聞は、夜間勤務するヘルパーを確保できず夜間の訪問介護を休止する事業者が多いと報道している。当施設のケアマネージャーは夜間訪問介護をせずになんとか生活できる計画を作っている。介護保険制度で訪問系事業は事業として成り立たなく撤退する事業者が多い。責任は厚労省にある。同じ日の日経新聞は、インドネシアからの看護師と介護士が来年度に日本で働けるようになると報道している。フィリピン国会でEPA協定批准が手間取っている間にインドネシアからの労働者派遣が早まることになる。団塊の世代が介護が必要になる頃30万人とも50万人とも言われる程の介護労働者が必要になるのに、すべて日本人で賄うのは無理な話である。

12月某日今年最後の日となった。今年もいろいろあった。世相が「偽」と判断されるほど偽りが暴露された。しかし、この偽によって死亡者が出たとか、けが人が出たということは聞かない。北の恋人の社長は、返品された商品がもったいないから改竄を始めたという。「赤福」も2、3日で消費期限が来るほど腐りやすい物ではないという。「もったいない」を政策にして当選した知事もいた。確かに改竄したことは悪いが、もったいないのも理解できる。どう折り合いを着けるかだと思う。
 ロータスヴィレッジでは「嘘」「偽り」「隠し事」は絶対にやってはいけないことになっている。出来ないことは出来ないと言うことが重要である。無理な要求には断る勇気が必要である。「ムリ」「ムラ」「ムダ」を排除する運営を行うのがロータスヴィレッジの特徴である。 

12月某日1年間この日誌を見ていただいた皆さん大変ありがとうございました。読みにくい、わかりにくい、つまらない内容ですが、少しずつ良くしていきますので来年も引き続きご愛読をお願いしまして閉じさせていただきます。







     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



                                          
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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌