1月某日新年早々私は日直で出勤し、給与計算を行う。9時30分から3時30分までの勤務であるが、結局5時近くまでかかってしまった。10日に支給するためには今日入力しなければならない。出力は仕事始めに行えば間に合う。面会者も多く、急性胃腸炎対策のため面会者には手洗いとうがいをするよう言うので仕事が中断する。
 1月某日仕事始めということで朝礼で念頭挨拶を行う。来年度の傾向と対策を述べる。傾向としては、介護報酬改定の年であるが全体として微増で各サービス部門の増減があり、加算が多岐にわたる。原油高騰は各所に大きな影響を与え、製品の値上げは待ったなし。対策としては、各部門の稼働率を上げ収入を増やし、支出を抑える。各部門と入所在宅部門の連携を密にする。我々介護業界は、介護保険法施行以来利用者が来てなんぼの世界になったが故に、日々決戦の毎日を送っている。社会福祉という名でお上に守られてきた過去は遠い世界に行ってしまった。しかし、まだ特権を持っているし、お上からも守られていると他の業界からは思われている。中村厚労省老健局長や彼を取り巻く御用学者は、社会福祉法人憎しも相まって特養潰しやホテルコスト(食事代や居住費)の徴収を屁とも思っていない。自分の身内の終わりのない介護を経験するがよい。在宅で施設のような介護を期待するとすれば50万円以上のお金がかかることを経験すればよい。年金制度や健康保険制度の破綻をくい止めることの出来ない厚労省の役人や御用学者が何を言うかだ。
1月某日今年は早くも2件葬儀があった。1件は職員の母親、もう1件は同業者の父親の葬儀であった。私も父が82歳になるのでいつ「死」があってもおかしくないのだが、急に死ということになるとちょっと心の整理が必要である。
1月某日今日は職員親睦会の新年会が開かれた。本部から理事長と理事が出席し楽しい一時を過ごした。風邪を引くのを心配しお酒は飲まない。本当は飲みたいのだが、電車を待つあの寒さが嫌でここ数年は車で会場に行っている。
1月某日今冬は暖冬ということであるが、寒い。中国南部でも100年も降っていなかったのに大量の雪が降り、雪対策が全く為されていなく、旧正月の民族大移動とかち合い暴動一歩手前の状況のようである。当施設の職員の弟が上海から帰るのに24時間もかかったという。沖縄やフィリピンも昨年に比べ寒く、東アジア全体が寒気に覆われているようである。昨年の餅つきも急性胃腸炎蔓延で中止になり、また初詣も中止になった。この寒さではしょうがないか。
1月某日特養に入所している方が要支援と判定された。要支援になったのだから良いことなのだが、要支援だと退所しなければならない。この方は未婚で家もなく帰る場所がない。まさか要支援になるとは思わなかった。区分変更申請して要介護に認定されるしか道がない。群馬県にも問い合わせたが、こういったケースは今までないとのこと。
1月某日前橋市立保育所の民営化に伴う民間法人選定のヒアリングが、夜、市役所で開かれたので出席する。選考委員から職員の福利厚生はなんですかと問われたので、「正職員にすることが最大の福利厚生である。」と言ったところきょとんとした顔をされた(パート職員多用の入所施設の未来は如何に参照)。更に当法人が運営している保育園では漢字教育をしているのだが、ある選考委員は「なぜ保育園の時から漢字教育をするのか」と否定的意見を言われた。この人達とは次元が違う議論をしているな、こんな委員がいる保育所を運営しても何も良いことがないと思った。後日伝えられた選考結果はだめであったが、選ばれなくて良かった。運転資金や改修費やらで3000万円ほど必要かと思っていたのでもっと有効なものに使おう。
1月某日売りに出ている有料老人ホームが有るというので仲買人と共に見学に行った。建物は新しく職員も生き生きと仕事を行っており価値の有りそうな施設である。入居者は少ない。話によると、共同経営者が新施設を作りあらかた入居者を連れていってしまったという。民間の施設ではこのようなトラブルはよくあるらしい。異業種から参入するためにノウハウが無く、勢いコンサルタントと組む結果起こるという。
1月某日朝礼で、思わぬ所に車はいるので余裕を持って通勤するよう伝える。当施設の東側500mの所に大規模ショッピングセンターが建設中でそれに伴い道路の改修があったりで車の流れが変わっている。


2月某日
早いものでもう1年が経つ。来年度の事業計画と予算を提出するよう各部門の主任に伝える。当然採算が立つ利用者数や派遣時間の数字も提示する。赤字になってまで行うほどの余裕は残念ながらない。
2月某日介護保険事業所の指定更新を受けるための群馬県の担当部局の実地調査があった。担当者とは会議等で面識はあったが、いろいろな話をするのは初めてであった。法人本部が高崎なので地域に根ざすまで大変であったことを理解してもらえたのは良かった。私の考えは、サービス業は自分と縁もゆかりも無い所で行ったほうがよいと思っている。サービスの良さでしか地域に訴えることが出来ないから。
2月某日朝礼で、訪問介護のホームヘルプ職員が「訪問介護利用者は主張が強く息を抜くことが出来ない。」と朝の一言を述べた。自宅にいて自己負担で訪問介護を利用しているので自己主張が多いものと思われる。これから団塊の世代が介護保険を利用するようになればますます自己主張すると思われる。有料老人ホームでは主張がかなり強いと聞いている。特養入所者の主張は少ない。実体は遠慮している人が多い。遠慮している事実を良く鑑み利用者の要望を聞くようにしなければならない。
2某日東和銀行新生会新春講演会で政治評論家の岩見隆夫氏の話を聞く。何が起こってもおかしくない、何が起こるか予想がつかないのが今の政治状況だという。ふーん、なるほど。専門家が言うのだから本当なのだろう。政治に頼らない、自立できる強い経営体制を作るのが経営者の役割だと思った。
2月15日ロータスヴィレッジの紅梅が咲いた。昨年に比べ1ヶ月遅れである。
2月某日人材派遣会社社長の話。この会社は食品会社の雑用の仕事を受けているのだが、いくら求人を出しても人が集まらない。そこでフィリピンのミンダナオ島にいる日系人を採用する事になり面接をしたところ25人集まり内5人を採用したという。日本人並の時給を出すという。私が、来年度以降やってくるインドネシア人やフィリピン人を採用すれば月給20万円を出し賞与も日本人と同じ額を出すと言ったら、この社長は、20万円も出し賞与も出せば日本人が来ますよ、と言われた。つまり人件費削減を目的として外国人をあてにすると外国人さえ来ないということである。安易に外国人労働者を頼りにしてはいけないということである。
2月某日高齢者の口腔清潔は重要なことである。口の中を綺麗にしておくと肺炎などになる率が減るという。当施設でも口腔清潔を徹底してから肺炎で入院をする方が減っている。
2月某日毎年恒例の特養入所者の食事会である。入所者13人と8家族9名が出席した。いつも利用しているプラザアリアさんにはお世話になっている。


2月某日今日は半日出勤である。このホームページを書いているがなかなか筆が進まない。2ヶ月に一度更新するのだがなかなか大変である。午前中は日和も良く暖かくて良かったが、午後になると一転黒い雲に覆われ強風が吹き出し荒れた天気になってきた。東京では春一番が吹いた後に北風に変わったという。各地で被害が出た。台風は事前に予測がつき各自注意をするので被害も最小限に抑えられるが、この時期の大風は予想もつかず被害が大きくなる。
2月某日朝起きると一面の雪景色。美しさも大風と日差しの強さであっという間に溶けてしまった。今年は何回か雪が降ったが、土曜や日曜と重なり交通には大きな混乱をもたらさなかった。隣国中国の大雪にはたくさんの人が足止めをくらい旧正月に故郷に帰れない人が続出したという。やはり今年も異常気象は全世界を巻き込んでいる。困ったものである。
2月某日顧問税理士が東京からみえる。決算時期になっているので細かいところのチェックをするためである。普段はUSBメモリーでのやりとりで税理士事務所の職員と行っているが、経理規程に則った決算をするためには税理士のチェックが必要である。
2月某日特養入居者の2班目の食事会の日である。入居者13名8家族の出席である。

2月某日ケアハウス入居者の誕生日会である。1月から3月までに生まれた入居者6名のおいわいをした。最高齢者は90歳である。自分たちで料理をし、巻寿司、稲荷寿司、うどんと手作りの昼食を皆でいただいた。日本食は本当に美味しい。外国の料理は、フランスだ、イタリアだといっても日本食はメニューも豊富だし、器も良く、我々一般家庭の料理でもレベルは高い。
2月某日寒かった2月も今日で終わりである。今日は春を思わせる1日でやっと寒い日からもお別れできる。寒いときは寒く、暑いときは暑い方が景気が良いというが、今年は2月になってから寒かったので景気は今一つである。内閣府2月調査で、東北・北関東・北陸で景気判断が下方修正されたという。3地域が下方修正されたのは05年2月以来3年ぶりということで今後の動向が懸念される。来年度は厳しいことが予見される。身を引き締めて事にあたらねばならない。








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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌