5月某日ゴールデンウイークまっただ中。サービス業の辛さで休みなしで当施設の職員は働いている。私の携帯電話に施設からの着信があった。施設からの着信は悪いことが多く出たくない。しかし、ほっとくわけにはいかない。ケアハウスの入居者が亡くなったという。
5月某日21年度決算のために東京から当施設の顧問税理士が来る。当施設を運営している(社福)光徳会は高崎で保育園も運営しておりこの税理士に高崎、伊勢崎一括して経理を見てもらっている。
5月某日特養入居者が老衰のためになくなった。この方は看取り希望であった。ごく少数の家族葬に相談員と共に出席した。
5月某日読者の皆さんは中国にある「さまよえる湖」を知っているでしょうか。ロプロールと言いますが今は干上がっていて砂漠化しています(Google mapで見ると耳の形が鮮明にみえます)。井上靖が小説「楼欄」や「敦煌」の中でも触れていますが、その神秘的な響きのあるネーミングでも多くの日本人を虜にしています。さてこの湖ですが、2008年に中国地元政府は、この湖の北西にあるボスラン湖の水を引くことにしたが水がロプノールに達する前に干上がったという。流域で大量の水を使うからだという。人口1人あたり水資源量は世界平均では7044m3/年、日本は3337m3、中国は2201m3立方bという(出典:環境省等「健全な水循環系構築に関する関係省庁会議」ホームページ)。中国は広大なので北部と南部ではかなりの差がある。中国は砂漠地域が国土面積の27%超を占めておりでこれら砂漠地域では水資源の確保は年々困難を増している。黄河源流部が砂漠化したり、流域の断流がたびたび観測されているという。その為長江の水を黄河に引くという「南水北調」の工事が3カ所で行われているという。世界第2位の経済大国に成りつつある中国では、水問題が経済発展の足を引っ張る可能性が大だと思う。
5月某日全国地域包括・在宅介護支援センター協議会総会に群馬県代表として出席する。初めて出席する総会なので良くわからない。目玉の役員選任議案ではぐちゃぐちゃな印象しか残らず役員選任が終わった。
5月20日この日カッコーの初鳴きである。昨年は21日であった。動物の本能は季節を適切に判断するのだ。
5月某日伊勢崎市社会福祉協議会理事会に出席する。訪問介護事業が厳しいようである。市内3カ所で行っている事業所を本体1カ所に統合するという。当施設でも訪問介護事業は大幅な赤字である。何とかならないのか、国に要望したい。 
6月某日群馬県地域包括・在宅介護支援センター協議会総会に出席する(会長挨拶)。再発足2年目の総会である。記念講演者には東北学院大学岡田教授にお願いした。スウェーデンの老人ホームと題してスウェーデンの老人ホームの現場について語っていただく。
6月某日毎年恒例の職員健康診断である。やせた人、太った人様々であるが、病気は予防が一番である。
6月某日今日は2件の葬儀に出席する。一人は中学時代の友人の親、もう一人は同業者の親である。共に男で80代であるので寿命は惜しくはないが、私くらいの年齢になると葬儀の多さを実感する。
6月某日購入を予定しているスチームコンベクションの見学に鶴ヶ島市にあるメーカーに管理栄養士と共に行く。名前の通りスチームがついており外側はパリパリ、内側はしっとりできあがる。
 6月某日当施設の在宅サービスをサービス開始以来17年も使っていただいた利用者が蜘蛛膜下出血であっという間に亡くなった。葬儀に向かう途中当施設前を通過して行った。職員大勢が玄関前で見送った。

6月某日今年も昨年に引き続きユリが大きな花を13個咲かせた。香りも良く切り花にして玄関に飾る。昨年一緒に写真を撮ったケアハウス入居者は今年はいない。
6月某日
地元殖蓮地区民生委員との交流会を行う。様々な意見が出て有意義な会となった。今年は3回ほど行う予定である。
6月某日日本中サッカーワールドカップの話題で持ちきりである。対デンマーク戦では3−1の快勝、決勝トーナメントに進み対パラグアイ戦では惜しくもPK戦で敗退。結果9位と下馬評を覆す戦績を残した。岡田監督をこき下ろしたファンの皆さん潔く自己批判しなさい。
7月某日待ちに待った賞与支給日である。平均2ヶ月+処遇改善手当分である。処遇改善分が増えた計算になる。
7月某日参議院選挙で民主党の惨敗の結果、衆参のねじれ国会が再び生じる。民意は移ろい易く、同一政党が衆参で多数を占めるのは今後も困難であろう。私と理事長が推した中村博彦は15万票取り当選。介護現場を知っている議員が党派に関わらず一人でも居た方が良いとの判断である。
7月某日
ケアハウスでは恒例になった昼食と誕生日会をを兼ねた居酒屋バイキング。自分たちで準備し作った食事はおいしい。
8月某日100歳以上の所在不明者があれよあれよという間に全国各地で生まれ、日本の無縁社会ぶりがクローズアップされた。どこへ行ってしまったのか。中には親の年金をあてにした犯罪性を帯びたケースもあるようだが、親が勝手に出て行ってしまいそれきりだというケースもある。
8月某日今日はJALのジャンボ機が御巣鷹山に墜落し520名もの尊い命が失われてから25年の節目の日である。当時、私はNHK夜9時のニュースを見ていた。木村太郎キャスターが着く筈の大阪空港からのリポートを継続させ、行方知れずのジャンボ機を必死になって追い求めた木村キャスターの印象が強い。
8月某日特養ホーム入居者のレントゲン写真が行われた。群馬県の補助もあり低額な料金で行われる事に感謝している。しかし、今年度限りで終了とのことで県内各福祉団体が一致団結し、来年度以降も継続するよう県に対し陳情を行っている。
8月某日
特養ホームの納涼祭である。今年は梅雨明けからずっと暑く今日21日はいくらかしのぎやすい感じである。家族も大勢みえ、プロの歌手も花を添え楽しいひとときを過ごした。
8月某日労働基準監督署の依頼を受けた社会保険労務士が施設を訪ねてきた。訪問要件は当施設が外国人労働者を雇っている事についてのカウンセリングである。当施設が雇っている外国人は、ペルー人で3歳に日本に来てから日本の学校を卒業してきているので漢字も問題なく書け、また日本文化に染まっている。今年あった成人式では振り袖を着たという。外国人介護労働者を受入れない限り日本の高齢者介護は成り立たない、と私は踏んでいる。その為にも外国人を職場に配置していくことは大変重要と考えている。しかし、EPA協定に基づいて受け入れるインドネシア人やフィリピン人はだめである。お金はかかる、職員配置基準には該当しない、挙げ句の果てには資格試験に不合格で本国に帰還ではお金をどぶに捨てるようなものである。

9月某日群馬県介護高齢課職員が施設見学に訪れた。施設を知って政策に生かすことを目的とした訪問ということである。今までは、県の職員は皆施設を良く知っているんだと思っていた。
9月某日大林前群馬県老人福祉施設協議会会長が亡くなったという。まだ50代前半の若過ぎる死に冥福を祈りたいと思います。大林さんが会長を務めていた時代(H6〜H18)は、老人福祉法の範疇で措置に代表されるように今のように経営云々する必要がなく、良い時代であった。施設数もそれほど多くなく会議もスムーズに進み、和気藹々という雰囲気であった。
9月某日施設のエアコンフィルター清掃が行われる。100台以上の数になりこの夏にフル稼働し溜まった埃をきれいに取り去る。勿論専門業者です。とてもじゃないが職員では手に負えない。
9月某日市内にある特養の施設長が看取りについて聞きに来る。当施設では以前から看取りを行っているが、家族は急に心変わりをする(当たり前と言えば当たり前なのだが)ので良く家族の意思を確認し、文書に残しておくことを薦める。
9月某日私の前の勤務先のゴルフコンペに参加する。ここは夏に校長杯、冬に理事長杯を行っており、なるべく両方に参加するようにしている。懐かしい顔に会える楽しみもあるが、今時の教育界を知るのに役立つと思うからである。
9月某日
当施設のホームヘルプやデイサービスを利用している高齢者の自宅の大掃除を市役所高齢福祉課、地域包括支援センター職員の協力を得て行う。ものすごいゴミの量で何とか1日掛かって寝場所だけは確保する。困難ケースであるが、もっと早く解決していればここまでゴミで埋もれることはなかっただろうと思う。
9月某日今日は当施設の敬老会である。最高齢者は特養で100歳、ケアハウスで92歳共に女性である。日本全国では44,490人内女性が38,580人という。この数字もなんだか怪しくなった。100歳以上の行方不明者が三桁に達する無縁社会の日本であるから正確な数字は誰にも分からないということである。
9月某日
今年度2回目の地元殖地区の民生委員との交流会が開かれる。今回はケアハウスの紹介である。当施設が開設されてから17年目になるのにケアハウスは未だ認知度が低いままである。元気な高齢者が定額な料金で入所できる施設なのに空きが生じてもすぐには埋まらない。
9月某日特養入居者のバスハイクで藤岡の桜山公園に行く。あいにくの雨であったが、温泉にこそ入れなかったが、お芝居を見たり昼食を食べたりで楽しい1日を過ごした。
10月4日当施設の金木犀が甘い香りを漂わせ始めた。暑い夏であったが、季節はちゃんと秋に向かっている。昨年の開香は8日であったから金木犀は暑さには関係ないのか。
10月某日
る冬を迎えるこの時期に職員向けに防火訓練を行う。今年は、消火用散水栓の使い方と避難滑り台の使用法を学んだ。消火用散水栓はかなり威力がある。当施設の特養ホームは2階にあるのでもしもの時には入居者を1階に降ろす必要がある。これに備えた訓練である。
10月某日地域包括・在宅介護支援センター主催の第2回研修会に出席する。今回は、前半が県内5市の介護予防の状況を担当者に話していただくこと、後半はワークショップとして『心残り』というテーマで研修参加者に議論をしてもらう趣向である。市によってばらつきがあるのには驚いたし県都前橋の取り組みは参考になることが多い。
10月某日県老人福祉施設協議会主催の事例発表会に参加する。それぞれの施設が創意工夫している様が良く分かる。もっと多くの施設が発表し、老人福祉施設サービスを世に問わなければならないと思う。
10月某日地元殖蓮小学校6年生135名が見学に訪れた。11月に行われる交流会の下準備のための訪問である。今年の夏に訪れた埼玉のある施設で大学生が実習を行っていた。この学生は殖蓮小学校出身で当施設を小学生の時に訪問したことがあるという。こういう偶然があるので地元小中学校と交流する価値があると思う。

10月某日全国老人福祉施設協議会大会に参加する。2日目の白澤大阪市大教授の話は大変参考になった。今年3月に公表された『地域包括ケア研究会報告書』の問題点指摘は的を射たものである。
10月某日第5回文化祭が開催される。地元住民を対象にしたロータスヴィレッジが行っているサービスを知ってもらうことが一番の目的である。参加人数は一般が311人、区長等の役員が25人、入所者家族が30人計366人であった。
10月26日木枯らし1号が吹き荒れた。昨年に比べ1週間ほど早いが、平年と比べると遅れた1号であるという。
10月某日朝礼での朝の一言で、前橋市で高齢者の買い物支援に県がNPO法人に業務を委託した事に触れた。業務委託先がNPO法人であることが残念である。社会福祉法人は何をしているのか。社会福祉法人は融通が利かない、損得で事業を考えるようになってしまったとは思いたくないが、このようなことが続くと社会福祉法人の存在意義が薄れるし、非課税法人でなくなる恐れもある。
10月某日
ケアハウスの運動会である。15名定員で15名参加と全員参加である。数は少ないが小規模なところが良いところである。何をするにもすぐできるし、まとまりは良い。
10月某日
当施設の給食は業務委託しているが、給食で出す米は職員の試食で選定している。今日はその試食会の日である。結果「秋田こまち」に決定した。粘りけも甘みも良い米である。`420円である。
10月某日するための食べ比べを行う。群馬県社会福祉施設経営者協議会総会と懇親会に出席する。当施設のような社会福祉施設を設置運営している社会福祉法人の協議会である。松沢会長死亡交代後初めての総会である。社会福祉法人に対する世間の風当たりが厳しく成りつつある中、どう社会福祉法人を維持発展させていくのか、気になる問題である。


     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp


                                          

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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌