保健体育科学習指導案

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〈授業の視点〉

 健康や保健面での知識を豊富にもつ養護教諭とT.Tの授業を進めることが、薬物乱用に対する正しい知識を学び、薬物の本当の恐ろしさを知り、「薬物を絶対に乱用しない」という強い意志と態度を育てることに、効果的であったか。

 

T 題 材 「喫煙・飲酒・薬物乱用と健康」

U 考 察

  1. 教材観

 本題材は、学習指導要領の保健分野の「(4)疾病の予防」−「イ、喫煙・飲酒・薬物乱用と健康」をうけて内容が構成されている。ここでは、薬物が心身に与える有害性、危険性について理解させるとともに、社会的な環境についても理解させることによって、将来にわたって薬物を乱用しない態度を育てることがねらいである。
 「喫煙・飲酒・薬物乱用」は、健康と密接に関わっている。中学英の時期は中学生の時期は、興味や好奇心が旺盛であり、喫煙や飲酒、さらには薬物乱用へと進展する場合もある。これらの中学生への氾濫は、本県においても深刻であり、このような現状を考えると、喫煙や飲酒はもちろん、薬物乱用に関する正しい知識をおさえておかねばならないと考える。
 未成年者の喫煙や飲酒は法律で禁止されている。これは、たばこや酒に含まれるニコチンやアルコールが身体に大きな影響を及ぼすからである。特に、未成年者による早期からの喫煙や飲酒は、さらに有害であることを理解させ、依存性や中毒症状等の正しい知識を学ぶことで、法的な問題面だけでなく、自己の健康と社会的な悪影響について考えさせることが大切である。
 薬物のなかで扱うシンナーは、その主成分であるトルエンなどを吸引することにより、中枢神経が麻痺し、酩酊状態となり、知覚異常、幻覚作用が起こり、最悪の場合には呼吸機能が停止して死亡する。また、依存性が強く、連用により肝臓や脳に影響を与え、さらに人格にも影響を及ぼす。
 また、麻薬や覚醒剤などの薬物は、快感と同時に呼吸中枢を抑える作用がある。そして、これらの薬物には強い依存性と耐性があり、徐々に大量の薬物を使用するようになる。しかし、使用をやめると激しい禁断症状を起こし、犯罪に結びつくこともあり、社会適応できなくなってしまうこともある。
 社会的環境として、たばこやアルコールは、自宅においてあるものを一人で試すことによって始められることも多いが、乱用及び使用が違法である薬物は、入手が難しく、一人で簡単には始められない。したがって、誘いに対処することと、興味本位でちょっと手を出そうとする気持ちを強く抑えるためには、生徒の断片的な知識を、本題材を学習することで薬物乱用の本当の恐ろしさを知ることが大切である。また、薬物乱用者にみられる特徴として、自尊心や対人関係能力が低い傾向にあることが多い。それらを高める働きかけも必要である。つまり、将来にわたって「絶対に薬物を乱用しない」という薬物排除の強い意志と態度を育てることが大切であると考え、本題材を設定した。

  1. 生徒の実態(省略)
  2. 題材の系統(省略)

V 単元の目標

 喫煙・飲酒・薬物乱用への誘いや乱用について、断固としてはねつける行動ができるよう、喫煙・飲酒・薬物乱用が人体に及ぼす心身の害と社会的な悪影響についての正しい知識・理解を身につける。

W 評価規準

  1. 喫煙・飲酒・薬物乱用が心身に及ぼす害に関心をもち、意欲的に学習に取り組んでいる。
    (意欲・関心・態度)
  2. 喫煙・飲酒・薬物乱用に対しての正しい認識をもって、対処できる態度が養われている。
    (思考・判断)
  3. 喫煙・飲酒・薬物乱用の意味を知り、心身の害や恐ろしさや社会的悪影響について理解している。
    (知識・理解)

X 指導方針

  1. 薬物に関する正しい知識の説明を、健康や保健面に関わりの深い養護教諭(T2)が行うことで、より身近な問題として捉えさせ、理解を深めさせる。
  2. 薬物の一つとしてシンナーをとりあげることで、薬物乱用を日常生活にも十分起こりうる問題として捉えさせるとともに、シンナーが心身に及ぼす害について理解を深め、麻薬や覚せい剤などの学習に発展させたい。
  3. 既習の耐性や依存性等の知識を使って、より学習を深めさせたい。
  4. 本題材でとりあげる薬物の学習にあたっては、以下のようなことに留意して学習を進めたい。

○説明をする場面では、次のようなことに留意したい。

○考え、理解させる場面では、次のことに留意したい。

○薬物排除の気持ちを深める場面では、次のことに留意したい。

Y 指導計画(省略)

[ 本時の学習

  1. ねらい

 薬物乱用が心身に及ぼす害や、薬物乱用がもたらす社会的影響について理解し、「薬物に絶対に手を出さない」という薬物排除の強い意志と態度を育てる。

  1. 準 備

T1:脳のCT図、薬物乱用の事例、学習カード、OHP、TPシート

T2:フラッシュカード、説明用模造紙

生徒:教科書、筆記用具

  1. 本時の展開

生徒の活動

時間

教師の支援

指導上の留意点

評価項目

T1

T2

 

 

1.本時の学習を知る。

・シンナーを使用しているものを考える。

 

 

○「なぜシンナーの乱用はいけないか」を考える。

  • 「法律で決まっている」
  • 「心身に有害である」

○「こころ」は体のどこにあるのかをかんがえる。

  • 「脳」

・脳のCT図を見る。

 

 

 

 

 

・学習内容を知らせる。

・シンナーの特性について説明する。
(身の回りにある、脂溶性である)

○「なぜシンナーの乱用はいけないのか」

・既習のアルコールの学習から考えさせる。

○「こころ」は体のどこにあるのだろうか。

・脳のCT図を提示し、その違いを考えさせる。

 

・シンナーを吸引することを(薬物)乱用と捉えさせ、しっかりと乱用の意味を理解させる。

・シンナーの乱用は法律で禁じられていることから、絶対にいけないものであることを学ばせる。

 

 

・心身の障害のうち、特に「こころ」をとりあげる。

・健常者と薬物乱用者の脳のCT図を提示することによって、その違いを理解させ、T2の説明の導入とする。

・萎縮した脳に着目させる。

・本時の学習内容を理解し、授業に関心が向けられる。

 

・なぜシンナーの乱用はいけないのかについて考え、積極的に発言できる。

 

 

・「こころ」はどこにあるのかについて考え、積極的に発言できる。

 

・脳のCT図の違いがわかる。

 

2.有機溶剤(シンナー)が心身に及ぼす害についてT2の説明を聞く。

 

 

15

 

・シンナーの主成分であるトルエンなどを吸引すると、どのようにして心身に害を与えるのか、図やフラッシュカードを用いて説明する。

・シンナーの乱用が脳細胞を破壊し、その結果、人格をも破壊するということや、その害について説明する。

・シンナー乱用は脳細胞を破壊してしまい、いったん破壊した脳細胞は二度ともとには戻らないということが理解できる。

3.薬物乱用について考える。

○「シンナーやアルコールと同じように、脳に障害を起こすものがありますか」を考える。

「覚せい剤」
「麻薬」
「SPEED」

・薬物乱用が心身に与える影響や恐ろしさを知る。

・事例の朗読を聞く。

 

 

 

 

12

○「シンナーやアルコールと同じように、脳に障害を起こすものがありますか」

 

 

 

 

 

・事例をとりあげ、薬物乱用の重大さと恐ろしさを伝える。

 

 

 

 

 

 

・薬物乱用が心身に及ぼす害の大きさについて、フラッシュカードや模造紙を用いて説明する。

 

 

 

 

 

 

・保健、健康面からT2によって薬物乱用が心身に及ぼす害を示す。

・事例を使い、薬物乱用の恐ろしさと社会復帰の難しさを視聴覚から訴え、より身近な問題として捉えさせる。

・他の薬物乱用でも「脳に障害を起こすものがある」ことがわかる。

 

 

 

 

・薬物乱用が心身に及ぼす害の大きさを知ることができる。

・事例から、薬物乱用の重大さと恐ろしさを理解することができる。

4.まとめ

・本時の授業内容から自分なりに薬物排除について考え、学習カードに作文する。

○「どうしたら薬物乱用がなくなるのか」を考える。

個人の自覚
正しい知識
強い意志

・学習カード(作文)を発表する。

 

 

 

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○「どうしたら薬物乱用がなくなるのか」

・机間支援により、生徒一人一人に自分の考えや意見を導き出させる。

 

・薬物排除の強い意志や態度を養うために、学習カードを用いて、じっくりと考えさせる。

・机間支援の際にあらかじめ生徒の考えを確認しておき、数名に発表させる。

 

・強い意志で薬物に対処できる薬物排除の態度を養わせる。

・「薬物排除」に対する自分の考えを学習カードに作文できる。

 

 

 

 

・友だちの発表をしっかりと聞いている。