2度目の誕生

生まれた

寒い冬に
マフラーをして
生まれた
そこにそうしていることが
不思議でならないはずなのに
ぼくの心は
初めての時のようには
震えなかった

どうします
立ち会いますか

いいえやめておきます

暗い廊下の片隅で
ぼくは産声を
待った

厚いガラス越しに
カーテンが開かれ
白い産着にくるまれた
ふやくちゃの顔が見えたとき
ぼくは遠く懐かしい山里の
降り積む雪の中に
いるようだった