どうか無事で


真っ白な紙の上に
墨汁が垂れた
どうしていいか
わからずにいた

いつもどこかが
壊れていく

むせかえる真昼に
雷が落ちた
両手をあわせて
つぶやいた

どうか無事で
ありますように




i伊丹十三記念館にて