こわれた橋

ランドセルを背負ったぼくは
未来のぼくと
いつも一緒だった

それなのに今
ぼくの未来にあるのは
死んだ凡庸
焼き場の煙突から
立ち昇る
かげろう
それを見詰める
腐ったため息

未来のぼくは
ランドセルを背負って
あの時たしかに
橋のむこうから
笑いながら
手をふっていた