全ての人の苦しみを


全ての人の苦しみを
引き受けた枯葉が
音を立てて地を這う
初冬の夕暮れだった

空の広い駐車場の
乾いた側溝の中に私は
愛用のボールペンを
落としてしまった

力を込めて私は
格子状の蓋を
持ち上げようとしたが
あまりの重さに手が滑り
蓋は側溝に鈍く落ちた


暗いU字溝の底
透明なボールペンは
粉々に圧し潰されていた





高崎シティギャラリーにて