ベットの上で人生が


ベットの上で
人生が
終わろうとしている

窓の外に
鯉のぼりが揺れ
山は緑に輝いている

それなのに

あちらでは
点滴を受け
こちらでは
酸素を鼻に
送り込んで
人生の最期を
つないでいる
人がいる

手や
足や
お腹の中や
人生が
ぎしりと詰まった
脳の中を
通り抜けて
吐き出された
空気を
廊下の隅で
ぼくは吸い

そして今
白いカーテンのかげで
ぼくの知らない
人生が
終わろうとしている