9月某日今日は防災の日である。災害は忘れた頃やってくる。朝礼で「火災を含め災害が起こった時は、あわてず、騒がず、ゆっくりと対応するように」と伝える。
9月某日福田首相が電撃辞任会見を開いた。安倍前首相に続いての辞任である。二人とも1年も持たないでの首相職放棄である。首相職とはこんなにも軽々しく放棄して良いものなのか。一刻でも早く総選挙を実施して民意を反映すべきである。総選挙を実施しないでまたもや自民党総裁選である。貴重な時間がムダに費やされ、国会は開店休業である。
9月某日コラーゲンを製造販売している新田ゼラチンの営業マンがわざわざ東京からみえた。当施設では床づれができやすい入居者にコラーゲンを食べてもらったところ著しい改善があった。このことの情報を聞くためにわざわざ来てもらった。きちんとした科学的根拠は持っていないが、多くの病院や施設から改善したという事実が報告されているという。当施設の職員も共同購入することになった。私も両親と我々夫婦のために4袋注文した。両親には関節痛を和らげるため、私たちには美容効果を願っての購入である。
9月某日大地震想定の点呼・避難訓練を行う。大地震なので入居者は電灯などの落下物を避けての点呼である。職員ばかりではなく、面会者を含め、また外出した者を除いた点呼なので人数の確認がどれだけ大切であるかを体得する訓練である。
9月某日県内の長寿者名簿が発表される。100歳以上の長寿者は606人で昨年に比べ99名の増加である。男性は89人で最高齢が107歳、女性は517名で最高齢が109歳だという。当施設の最高齢者は99歳女性である。
9月某日事故米(輸入された米の中で基準値以上の農薬やカビなどがある米)が不正に食用として流通していたことが発覚した。幸いにも当施設に納入されている米には事故米はなかった。驚くのは、農水省の立入検査が何十回もありながら見過ごされていたことや米の流通に300社以上の業者が関わっていたことだ。国はミニマムアクセスとして相当量の米を輸入することを義務付けられているが、この米の処分に頭を悩ましていたという。また300社以上の業者が関わっていたという事実は一体何を意味しているのだろう。伝票を通すだけで手数料を稼ぐくらいしか私には思いつかないが、他に何か得になることがあるのだろうか。 

9月某日特養に入所されている方のレントゲン撮影が行われた。結核早期発見が目的である。寒くもなく暑くもなくで速やかに行われた。
9月某日夏が戻ってきたかのような中、特養とケアハウス合同の敬老会がおこなわれた。矢内伊勢崎市長の出席もあった。ワイレレ会によるフラダンスで会は大いに盛り上がった。
9月某日地元豊城町の敬老会に出席する。豊城町は70歳以上が677名、内ロータスとケアハウスに入所されている方は67名と1割に及んでいる。
9月某日アメリカの大手証券会社であるリーマン・ブラザースが米連邦破産法11条の適用申請をして事実上破綻した。負債総額は6130億ドル(日本円にして63兆円余)と桁違いである。昨年サブプライムローンの焦げ付きに端を発したアメリカの金融危機がついに来るべき所へ来たという感じである。同業のベアスタンズ証券が銀行による吸収合併で破綻を回避させたのと全く違う対応をしたアメリカ政府の真相は如何に。同時にAIGも雲行きが怪しくなっているという。当法人が経営している今泉町にあるデイサービス蓮花が入っている火災保険は、保険者がAIG傘下のAIU保険である。大丈夫か。たまたま来訪したAIU保険の代理店担当者は「大丈夫だ」という。今後の世界経済に暗雲が立ち込めてきた感じである。
9月某日
今日から全国社会福祉施設経営者大会に出席する。お目当ては何といっても東北学院大学岡田研究室への訪問である。詳しくは施設長の独り言を読んで下さい(施設長の独り言 )。
9月某日またまた食料品に異物混入事件の発生である。今度は、某ハム会社が中国で製造した「クリームパンダ」にメラミンが混入していた。この製品は当施設でも営業があったが、管理栄養士の判断で納入はされなかった(黒い部分が何で出来ているのか分からないことを理由に断った。)。中国の乳製品会社がアミノ酸含有率を増やすために手っ取り早くメラミンを混入させた牛乳を使ったのが原因である。アミノ酸含有率はチッソの測定で計るが、アミノ酸を使ったのでは費用も時間もかかるので費用の安い窒素化合物であるメラミンを使う。しかし、中国のお粗末さにはどうにもならない。困ったものだ。
9月某日
高崎市チャリテイーゴルフ大会に近所の元民生委員達と出席する。成績はめためたであった。
9月某日自民党総裁選と国会審議の結果、麻生太郎氏が第92代首相に選任された。施政方針演説終了後に国会を解散するつもりのようであったが、支持率が思うほど伸びなかったので解散は先延ばしである。世界の経済状況もだんだん悪化している。解散などしている場合ではない、か。しかし、民意を反映していない首相であるし、政権担当政党を替えるのも経済打開には一つの手である。
9月某日親睦会主催の職員ボーリング大会に参加する。体を動かす行事は初めての試みである。参加者は思うほど多くはなかったが、体を動かし、職員同士で触れあうことは良いと思う。
9某日早いものでもう半年経ってしまった。彼岸供養である。物故者名を1人1人読み上げるのだが、数が多くなってきた。いつまで続けられるか。写真左の僧は太田市東光寺の住職で、右の女性僧は当会の理事長である。理事長の声がいつになく響いていた。

10月某日麻生首相が国会で「日本には中福祉中負担が向いている」と答弁した。北欧型の高福祉高負担やアメリカ型の低福祉低負担ではない方向である。日本の社会保障制度は戦後一貫して中福祉中負担政策を採ってきた。日本国民の間には、北欧のように高負担にしても国は何に使うかわからない、信用できないという意識があるし、アメリカのように低福祉で弱肉強食の世の中では困るという意識があるのだろう。今後の高齢者問題を考えるときにこの中負担中福祉という考えは切り離せないと思う。

10月某日ケアハウス総勢10名の大運動会が開かれる。ケアハウスの定員は15名であるが、今1名欠員、2名が入院中そして1名が体調不良で欠席。大それた事はしないが部屋の中で午前午後に分けて行った。

10月某日樋口美雄慶応大学教授の「高齢化社会における人材活用」というテーマの講演を聞くために前橋に行く。労働経済学の第一人者で足利出身だという。若い頃両毛線は良く利用していたといい、両毛線に乗ると田舎へ帰ってきた気持ちになるという。2007年問題と言われ続け定年退職者の大量発生に企業はどうなるかと心配したが、結局再雇用などで多くの定年退職者が働き続け2007年問題は杞憂に終わったという。当施設でも2名の定年退職者が出たが、2名とも短時間労働を行っている。
10月某日高校の同窓会に出席する。なぜか幹事の端くれである。慶弔窓口を仰せつかってしまった。すでに3名の同窓生が物故入りした。仕事がない方がいいのだがこれから少しずつ多くなるのだろう。
10月某日今日は群馬県施設監査課主催の社会福祉法人役員研修会。鴻田公認会計士による講演「適正な法人運営のための会計処理」は会計処理の専門家らしくその発言は的を射た適切な内容であった。しかし、最後に話した今後行うべき法人運営の進め方は疑問に思った。@徹底的なコスト削減。これは大賛成。当法人はすでに行っている。A正社員からパート社員への置き換え。これには賛成しかねる。理由は第29話不況型ビジネスモデルを取り入れた入所介護保険施設の未来は如何にに詳しく書いた。B能力主義の導入。これも賛成しかねる。かつては各企業ともこの能力主義を導入したが、最近は負の面が多く仕事のプロセスを大事にしたり和を重んじる経営にシフトしている。やはり会計専門家には人事労務は無理か。
10月某日昨日に引き続き今日は在宅介護支援センター職員研修の主催者側として出席する。昨年に引き続きグループインサイト心理教育研究所加藤氏にお願いする。
10月某日今日は特養入居者のバスハイキングである。天高く澄きった青空の下群馬フラワーパークで一日を過ごした。
10月某日高崎市にある井上工業が倒産した。高崎観音を建築したり在りし日の田中角栄が修行した創業100年を超える名門建築会社がいとも簡単にである。創業者は高崎にフランス文化をもたらし、文化面での貢献も大きい会社は、孫の代になって海外でのリゾート開発に手を染めたのが運の尽きであった。この孫は私と同世代である。当施設を建築するとき推薦する者もいたが、井上工業には声をかけなかった。高崎のあちこちで「告示書」と銘打った張り紙のある現場が多くある。もう一歩というところで工事が中断した物件もある。
10月某日今週は施設を空ける日が多い。今日は県社協職員と共に前橋市へ行く。明日は老施協中毛ブロック会議でやはり前橋に行く。
10月某日朝礼での職員の一言で利用者送迎時にひやっとしたとの話題が出た。子どもが急に飛び出しもう少しで轢くところであったという。事故に遭わない方法として送迎の時間を変更する、コースを変える、最徐行の三つを述べた。本当に気を付けねばならない。
10月某日日経平均株価がバブル後の最安値7162円を付けた。ここ2週間の株価急落はまさにつるべ落としそのものである。特にこの2日間は銀行株の急落で「貸し剥がし」や「貸し渋り」のため倒産する企業も多くなるのではと危惧される。当施設の近くにまもなく大型ショッピングセンターがオープンするが、繁盛してずっと営業して欲しいものだ。








     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



                                          
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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌