申し訳ありません。前回から長すぎる月日がたってしまいました..... そんな訳で、前回の予告から少し拡大した内容でお話ししたいと思います。 私のイギリス生活は、郊外にあるSuttonという街から始まりました。 下宿先から、「ROYAL OPER HOUSE」(R・O・H)までは、約1時間半〜2時間。早起きがちょっと大変でした。でも、電車やバスから見える風景は、私の全身の緊張をやわらげてくれました。ロンドンのシンボルとも言えるまっ赤な2階建てバスにのってCorent Gardenの街で下車。いくつかのお店やマーケットの間から私の視界にとび込んできたR・O・Hの建物。その前に立ち見上げながら、感動と感激で胸がいっぱいになり、ふるえてしまうくらい心臓がどきどきしたことは今でもはっきりと思い出せます。でも、この震えの大半は不安な気持ちの表れだったと思います。 1999年12月に大改造されたR・O・Hは、歴史を残す古い建築と近代的な建築が見事に融合した美しい建物でした。正面にそびえるガラスの壁は白いレースのモチーフの様な美しい鉄骨に支えられ、まるで大きな雪の結晶が「ようこそR・O・Hへ!」と出迎えてくれているようでした。 オペラやバレエの芸術性を存分に伝えてくれる建物の存在を感じながら、この私が毎日をここで過ごすことになるなんて....と半ば夢見ごこちになった気持ちを整えるため、大きな深呼吸をしました。いつから観察していたのか通りすがりの親切なご婦人に「Are you O.K?」と声をかけられ、「Yes, Thank you.」と言いたかったのに口の中がカラカラでうまく言えませんでした。今から思えば、頭の中がカラカラだったとも言えるでしょう。 壁づたいに歩き、たどり着いたステージドアを開けて中に入り、たどたどしい英語でコスチュームオフィスの Isabel Lee さんを呼びだしていただきました。たどたどしくも伝わった英語にひと安心し、ほどなくして出迎えてくれた Isabel とも簡単な挨拶をかわし、いよいよR・O・H、コスチュームWork Roomへと案内されました。迷路のように入り組んだ廊下なのでひとりで出てこられるか心配だったのと、次はどんな英語が必要なのかを考えながら歩いていたので Isabel からも「Are you O.K?」といわてしまいました。 この日はボスの Fay さんと面接し7〜8人の仲間を紹介していただきましたが、名前は全く憶えられませんでした。 面接のとき、何を聞かれてもちんぷんかんぷんの答えしか言えなかった私は言葉の壁を思いっきり味いました。しかし、その後の"開き直り"でたくさんの友達に支えられ楽しいイギリス生活、及びR・O・Hでの研修をすることができました。 「できないことで頭を悩ますより できることで一生懸命、精一杯がんばろう!」これが私の開き直りでした。 その効果は、一ヶ月を過ぎた頃から表れ、仕事仲間の一人として私を加えていただけたことを実感できたときは本当にうれしかったです。忙しいときは、一人前に残業まですることもあり、毎日がとても早く過ぎていきました。 滞在中は、イギリスで出逢った友達の親切で暖かい思いやりに助けられたことは勿論のこと、日本からもたくさんの手紙が届きそのことがとてもうれしく「私は今までこんなにたくさんの人達に支えられてきたんだなぁ....」と実感し感謝の気持ちでいっぱいになりました。「このことは決して忘れてはいけない。」そう強く心に刻みました。 イギリスでの研修で一番の収穫は、このことだったと思えるくらいです。 帰国後、すでに一年半がたってしまいましたが、変わらずここ山本禮子バレエ団で仕事がで きることに感謝しつつ、これからもがんばりたいと思います。 派遣していただいた、文化庁へ提出したレポートの一部を紹介したいと思います。自分本位のお恥ずかしい点もありますが。興味のある方はどうぞご一読下さい。 そして、何かご質問などありましたら、お寄せ下さい。 おまけ(近況報告!!) その1. 新しい仕事場(仮称 アトリエ De tulle)を作り引っ越ししました。 古い家を改造したところですが、広さは今までの約2倍、ちょっぴりオシャレにも なりました。気持ちも新たに増々良い衣裳制作に励んで行きたいと思います。 その2. 「バレリーナへの道45」(文園社)の表紙になった渡部美咲さんと貞松正一郎さ ん。美咲さんの衣裳は私が制作した衣裳!! とってもうれしかったです。 文園社さん、美咲さんどうもありがとう。 |
★文化庁へ提出したレポートの一部はこちら ★de Tulle in U.K. レポート その1 はこちら |
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